社会医療法人社団正峰会 大山病院 大山 正 理事長・院長

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北播磨・丹波地域の中心的医療・介護拠点に

【おおやま・ただし】 1977 神戸大学医学部卒業 同大学医学部附属病院第一外科 1984 西脇市立西脇病院 1985明舞中央病院 1988 北都病院 1993 大山病院開設1996 医療法人社団正峰会に組織変更 2015 社会医療法人社団の認可を受ける

 2018年6月に開院25周年を迎える大山病院。1病棟55床から始まった病院は、ニーズに応える形で増床を続け、現在は4病棟・199床にまでなった。法人設立後には、老人保健施設や訪問看護ステーション、デイサービスセンターなども相次ぎ開設。「地域の方に喜んでほしい」とさまざまな事業に取り組んでいる。

◎温め続け、かなった「故郷で開院」の夢

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 出身は大山病院があるのと同じ、兵庫県西脇市です。大学卒業後、神戸市や西脇市内の病院で外科医として勤務していましたが、いつか故郷で開業したいという思いをずっと抱いていました。

 開業を本格的に考え始めた1990年前後、この地域にはクリニックが2軒だけ。住民の高齢化も進み始めていました。

 当初はクリニックとしての開院も考えましたが、自分自身の外科医としての専門性を考えたとき、「やはり手術をしたい」と、入院施設がある有床診療所または病院の設立を模索。協和会グループの木曽賢造先生から「自分なら病院、しかも医師1人で目が行き届く50〜55床規模で開設する」との助言をいただき、1病棟55床の大山病院として、スタートすることを決めたのです。

 その後、110床、199床と段階的に増床を重ね、現在の規模になりました。急性期病床100床、地域包括ケア病床49床、回復期リハビリテーション病床50床で運営しています。

◎患者さま、職員のための最新鋭の機器

 最新の医療機器を積極的に導入しています。

 きっかけは、2011年にドイツ「シーメンス」社の2管球搭載CTを国内7番目に導入したこと。最新機器の配備は地域で評判を呼び、医師の確保にも好影響をもたらしました。

 最新機器がある環境で働きたいと思う医療者は多くいます。最新の機器を使って仕事ができるということは、すでに当院で働いている医療者のモチベーションアップにもつながります。

 現在、大山病院にはデジタル乳房X線装置、フルデジタル血管撮影装置、320列CT、3・0テスラMRIなどが装備されています。2017年6月には、当時アジア初となるX線透視診断装置「Ziehm Vision FD Vario3D」を購入しました。術中3Dイメージングを可能にする機器で、脊椎固定術や骨折の手術で活用しています。

 東京医科歯科大学で学び医師資格を取ったベトナム人との縁で、2017年10月、ベトナムにあるフエ中央病院に、当院で使用しなくなった白内障手術治療機器を贈りました。

 ベトナムは医療機器不足が深刻で、本院・分院合わせて3500床もある同院も例外ではありませんでした。「これまでのものに比べるとかなり性能が良い」と喜んでいただけたことを、うれしく思います。

◎利便性を考え土日診療をスタート

 当院は、土曜と日曜も診療しています。開院したばかりのころは、水曜日と祝日を休診日に設定していましたが、医師が増えるにつれ、休診日をなくすことができないかと考えるようになりました。

 医師や看護師、職員の休みをずらすことで2000年から水曜日の診察を開始。1週間を通して診療するという態勢に変えることができました。

 土曜の午後や日曜は、近隣のクリニックや病院の多くが休みとなっています。飛び込みで来院される患者さまも多く、患者さまの利便性という意味でも近隣の医療機関の負担軽減という意味でもわれわれが診療する意義があると考えています

 医師、看護師を含む職員の勤務はシフト制で、週休2日が基本。勤務パターンはさまざまです。常勤医師は私を含め19人。私も土日、診察に出ています。

◎「整形+形成」が強み透析も特徴

 手術数が多い診療科は整形外科・形成外科。両方の専門医資格を持つ照喜納光信副院長が部長を務めます。

 特徴的なのは、手外科の「再接着術」です。切断した部分の再接着手術を手掛け、指の先の切断から、上腕切断まで対応します。

 整形外科が担当する開放骨折の治療でも、皮下組織などを移植する形成外科の技術「皮弁」を活用。これらの高い技術は口コミで広がり、遠方からも患者さまが来られています。

 また、人工透析にも力を入れています。きっかけは開院1年目。ひどい貧血を訴えた女性の検査データを見ると、腎機能がかなり悪化していることがわかったのです。そこで翌年12ベッドの透析室を新設。需要の高まりに合わせて拡充し、今は専用ベッド40床と個室2床があります。人工透析を必要とする人の数はこれからも増える見込みで、今後も注力していくつもりです。

◎自宅でなくても地域で最期まで

 正峰会では、介護老人保健施設やグループホーム、ヘルパーステーションなどを運営。当院に入院し、治療を終えた患者さまなどが、入所、利用しています。

 西脇市の高齢化率は31.76%(1月1日現在)です。「最期は自宅で」と願う人が多く、国もその方針で政策を進めていますが、核家族化や共働き世帯の増加で、患者さまを自宅で介護できないという家族の声も聞かれます。

 われわれも、自宅、施設に代わる「第3の暮らす場所」の必要性を実感し、さまざまな住まいを開設してきた経緯があります。地域で最期まで過ごすことができる環境を整えることも、大事な役割だと考えています。

◎社会情勢に合わせて施設を拡充

 京都府舞鶴市で透析施設の開設を計画しています。われわれの法人では、舞鶴市内で老人保健施設やグループホームを運営しており、その縁もあって市の要望を受けました。現在、設計段階です。

 今年2月には、神戸ゆうこう病院(神戸市、71床)の建て替え工事も始まりました。建物は地上6階、地下2階。2021年に完成予定です。手術室を2室備えた急性期病院としての役割を果たすと同時に、在宅医療にも力を入れていくつもりです。そのほか、緩和ケア病棟や病院内設置の有料老人ホームの新規開設なども計画しています。

 今後も社会情勢や要請に合わせて、施設の拡充などを検討していきたいと思っています。

◎より高いレベルの医療をめざして

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 私たち正峰会の理念は、「地域とともに、あなたと生きる。」です。地域に根ざした医療を最優先に考えてきました。過疎化が進むこの地域で、住民の健康を支えたいという意欲を持った職員たちと、日々、業務に取り組み、医療の知識、技術を磨いています。

 法人として描いている夢は、北播磨・丹波地域の医療、介護の拠点となること。すべきことは、まだまだ多いですね。

 職員が満足感を得られていなければ、患者さまに満足して帰っていただくことはできません。これまでもその思いで、24時間態勢で病児も預かる企業主導型保育所や看護師寮などを整備し、働きやすい環境づくりに心を砕いてきました。今後もその姿勢は変わりません。

 地域医療に関心がある医師や看護師、メディカルスタッフがいたら、ぜひ一緒に働いてほしいと思っています。

社会医療法人社団正峰会 大山病院
兵庫県西脇市黒田庄町田高313
TEL:0795-28-3773(代表)
http://ohyama-hp.jp/


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