一般社団法人天草郡市医師会立 天草地域医療センター 院長 会長 原田 和則

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

【3月熊本】日本医療マネジメント学会第20回熊本支部学術集会
地域でささえる医療と介護

【はらだ・かずのり】 1975 熊本大学医学部卒業 同第二外科 1982 医学博士取得  1986 熊本大学医学部第二外科文部教官 1990 同医局長 1992 天草郡市医師会立天草地域医療センター副院長 2012 同院長2017 熊本大学医学部臨床教授

  日本医療マネジメント学会は、「クリティカルパス」が登場したのとほぼ同じころ、パスで必須となる多職種連携を後押しする学会として、熊本県で設立された。天草市で3月に予定されている「第20回熊本支部学術集会」。その見どころは。

k16-1-1.jpg

―テーマは「地域でささえる医療と介護」。込めた願いは。

 日本の高齢化率(65歳以上の割合)は26%余。ここ天草医療圏は36%を超えています。少子高齢化の流れは、医療や介護の現場でも大きな問題になっている。限られた人材や施設で、急激に変化していくニーズに対応することが喫緊(きっきん)の課題です。

 天草の医療需要は今後、それほど増えない予想です。一方で、県内の都市部では今から高齢者がどんどん増え、医療や介護が必要となる人が増加する。地域医療構想が策定され、地域包括ケアシステムの構築が急がれる中で、各医療圏ではどのように「地域の人を地域で診る」を実現しようとしているのか。このタイミングだからこそ、医療と介護に関わるさまざまな職種が集まり、議論を深める必要があると思います。

 「介護」という言葉が、日本医療マネジメント学会学術集会のテーマに入るのは珍しいことかもしれません。しかし、今や「多職種連携」を考える上で、医療と介護を切り離して考えることは不可能なのです。

 「前日の往診時の所見や注意事項についてヘルパーが知らなかった」「ヘルパーが患者の異変に気付いたけれど訪問看護師に伝わらなかった」...。そんなことがないように患者にかかわるさまざまな職種が連携し、コミュニケーションを取り合わなければなりません。

 「他の医療圏はどんな方法をとっているのだろう」「今後、どうしていくのが良いだろう」と話し合い、自分たちの地域にとって有益な情報を持ち帰っていただく。そんな実りある学術集会にしたいと思っています。

―特徴的なプログラムについて聞かせてください。

 シンポジウムⅠは「地域包括ケアシステムの構築に向かって」。八代市、熊本市、玉名市、阿蘇郡小国町、上益城郡山都町にある病院の、医師や看護師、社会福祉士が登壇。各医療圏での取り組みについて講演していただいた後、意見交換の時間をとっています。

 シンポジウムⅡのテーマはチームマネジメントの観点から「医療と介護の現場におけるチーム医療の実践」としました。ケアミックス型病院の病棟師長、クリニックの院長などが実践的な話題を提供。多職種間連携のツールなどを知ることができると同時に、その重要性を再認識する場になるでしょう。

 「病院から地域へ」の流れの中で、在宅への移行は今後一層加速していきます。

 しかし、地域事情は人口や高齢化率、地形、医療機関の機能や数などによって大きく異なる。例えば、都市部であれば訪問診療をする医療機関から半径5kmの圏内に、在宅医療を必要とする患者さんが住む集合住宅がいくつもあるでしょう。医師は移動距離が短くて済み、1日に何人もの患者さんを訪問することが可能です。

 しかし、ここ天草の場合は広くて、住民の数も「島」の中では多く、住民の住まいは戸建てもしくは小規模集合住宅。さらに1軒1軒が遠く離れています。50分かけて1人目の家へ行き診察したら、30分かけて次の家へ向かうとなると、訪問できる数は限られてしまうのです。

 それぞれの地域事情に合った方法で、患者さんを地域で診続けるにはどうしたら良いのか。そのヒントを二つのシンポジウムで提示したいと考えています。

―天草医療圏での天草地域医療センターの役割と地域連携について聞かせてください。

 天草市は熊本市内から車で2時間半。救急車でも2時間近くかかります。

 26年前、このセンターができるのに伴って熊本大学外科から赴任する際、私が誓ったのは「救急車に、熊本市と天草市をつなぐ『一号橋』をわたらせない」ということ。天草で地域完結型の医療を実現するということです。

 がんの手術ができるわれわれ外科医が着任し、心臓カテーテル、バルーン治療ができる循環器内科医が来て、脳梗塞、脳出血、脳動脈瘤に対応できる脳神経外科医、骨折治療を得意とする整形外科のドクターも赴任した。1999年、県内で最も早く、全国でも12番目に地域医療支援病院の認可を取得。2003年には小児救急医療拠点病院の認可も受けています。

 2017年2月には国内1号機の最新型2管球CTを導入しました。良い人材、機器を導入して、良い医療をする。都市部の大規模病院との医療格差をなくすために、重視している点です。高度な医療機器導入は患者のためになるだけでなく、職員のモチベーションが高まるという利点もあります。

 2014年には、当センターを中心にICTを活用した医療連携システム「あまくさメディカルネット」がスタートしました。施設間で医用画像や患者の診療データを共有。参加医療機関は現在61施設。登録患者数は1万人を超えました。

 さらに、在宅療養する患者さんに関わる医療従事者と介護従事者を結ぶ「天草多職種ICTネットワーク事業」も、クラウド型多職種連携サービス「ひかりワンチームSP」を用いて開始しました。

 一人の患者さんにはかかりつけ医や専門医、看護師、ケアマネジャー、ヘルパー、薬剤師、理学療法士などさまざまな職種が携わります。全員が一つのチームとして、最終的な「大目標」と当面の目標を共有。それぞれが得た情報やデータをその都度記録することで、一体感を持って、患者を見守り続けることができます。

 学術集会のシンポジウムⅡに登場する荘田恭聖・荘田医院院長は、在宅医療、そしてひかりワンチームを使った連携に熱心に取り組まれている医師の一人です。具体的な活動や展望を聞くことができるでしょう。私も会長または司会として、取り組みを発信する機会を設けたいと考えています。

日本医療マネジメント学会 第20回熊本支部学術集会

k16-1-2.jpg

シンポジウム1

3月17日(土)午後予定
「地域包括ケアシステムの構築に向かって」
演者:塚本 五月(熊本総合病院地域医療連携室師長)、清水 治樹(朝日野総合病院副院長)、長杉 憲弘(玉名地域保健医療センター医療連携室・社会福祉士)、片岡恵一郎(小国公立病院副院長)、水本 誠一(山都町包括医療センターそよう病院院長)

シンポジウム2

3月17日(土)午後予定
「医療と介護の現場におけるチーム医療の実践」
演者:後藤 幸子(江南病院病棟師長)、中村 光成(西原クリニック院長)、外山 裕二(とやまクリニック院長)、荘田 恭聖(荘田医院院長)

一般演題:口演
ポスターセッション/クリティカルパスセッション

3月17日(土)午前予定

会期:3月17日(土)
会場:天草市民センター
運営事務局:学会サポートセンター熊本(コンベンションサポート九州)
TEL:096-373-9188
学会HP:http://jhm20kumamoto.umin.jp/


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

楽採で医師の採用を「楽」に!

博多水引×九州医事新報

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【2018年4月の1冊】
イメージ:今月の1冊 - 79.A Child Is Born 赤ちゃんの誕生
A Child Is Born 赤ちゃんの誕生

Twitter


ページ上部へ戻る