たつの市民病院 三村 令児 院長

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必要とされ、信頼される病院に

【みむら・れいじ】 1983 兵庫医科大学卒業 豊岡病院組合2010 公立浜坂病院院長 2011 柏原赤十字病院 2016 たつの市民病院院長

 たつの市は、兵庫県の南西部、姫路市の西側に位置し、2005年10月1日に龍野市、揖保郡新宮町・揖保川町・御津町が合併して誕生。市南東部にある「たつの市民病院」は2012年に建物をリニューアルした。2016年以降、スタッフを増員し、診療科を次々と新設。一層の充実を図っている。

◎地域に根ざした病院として

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 当院は、1952年4月、当時の東芝病院を御津町が買収し、「公立御津病院」(48床)を開設したことが始まりです。その後、労災指定医療機関、結核予防法及び生活保護法指定医療機関として地域の病院の役割を果たしてきました。

 市町合併により「たつの市立御津病院」に名称変更し、2012年には「たつの市民病院」に病院名を変えました。同年11月には、現在の病院建物が完成しています。

 たつの市は、人口8万人程度の地方都市です。姫路や神戸への通勤圏として、ベットタウン的な面もありますが、農業などで生計を立てている人も多く、他の地方都市と同様、高齢の患者さんが多いというのが実情です。

 市内だけでなく隣接する姫路市から来院される患者さんも少なくありません。病床数は120床と決して大きな病院ではありませんが、それでも市内で最大規模、唯一の急性期病院です。

 また2015年には回復期リハビリテーション病棟40床を開設。現在は60床に増床し、回復期リハにも力を入れています。回復期リハ病棟では、病気をした患者さんが、可能な限り元の生活に戻れるように、医学的・心理的にサポートしています。最近では言語聴覚士を新たに配置。急性期を過ぎた脳卒中患者の受け入れも開始しました。

 多くの医療専門職がチームを組んで集中的なリハビリを行うのが当院のリハビリ部門の強みです。患者さんが心身ともに回復した状態で自宅や社会へ復帰できるよう努めています。

◎高齢化に対応改革プランに沿って

 総務省は、2007年12月に「公立病院改革ガイドライン」を示し、その中で「公立病院改革プラン」を策定するよう義務付けました。当院では、このガイドラインに基づき、市立病院としての役割や経営改善計画等を検討し、改革プランを策定しました。

 現在2期目となる改革プランは2017年3月に策定。ますます進む高齢化を見据え、対応できる医療機関であり続けることを念頭に、医療に限らず介護の面においても先導的な役割を果たすことを明示。「市民に必要な医療の提供」、「地域包括ケアシステムへの貢献」、「健全な経営」を基本方針としました。

 「市民に必要な医療の提供」の一つが救急医療です。現状の病院の規模や体制を考えると、すべての救急要請に応えることは難しい。しかし、特に要請が多い内科系疾患には対応できるよう、休日・夜間を含めた内科の救急患者受け入れ体制を整備し、受け入れる患者数の増加を図っているところです。

 高齢者の骨折の増加などで、整形外科領域の救急件数も増えています。救急患者を急性期の病棟で受け入れて治療した後は、回復期リハ病棟で質の高いリハビリを実施し、在宅へという流れを確立していきたいと考えています。

 「地域包括ケアシステムへの貢献」では2016年に訪問看護ステーションを開設し、訪問診療も開始。在宅医療分野の強化を図っています。

 地域包括ケアシステムは、言い換えると、病院のベッドのみならず、かかりつけ医が関わる自宅のベッドも含めて地域を一つの病院とみなし、患者さん本位の医療を効率的に行うこと。そのためには、今後需要がさらに高まる回復期リハビリ病床の増床と充実も必要になるでしょう。

 このシステムの一翼を担う医療機関として、近隣の医療機関、福祉施設との連携がますます重要になります。継ぎ目のない医療・介護の連携を実現し、さらに強化を図りたい。体制構築を急いでいます。

 市民に信頼される市立病院としての役割を果たすためには「健全な経営」がベースになります。診療面は私、経営に関しては毛利好孝・事務総長が中心となり、地域のためになる医療提供体制、効率的な運営体制をつくりあげていきます。

◎常勤医の増員で診療機能を拡充

 地方病院に限らず、都市部の病院においても医師不足、看護師不足は深刻な問題です。当院も2016年に常勤の医師が8人にまで減少。外科医が退職し、外科は外来のみの診察となってしまいました。

 関係大学への派遣依頼、人材紹介会社の活用などによって、今年4月には内科医6人、整形外科医3人、脳神経外科医と眼科医各1人の計11人に回復。

 内科医が6人となったことで内科系救急だけでなく、呼吸器、消化器、循環器など内科のさまざまな分野の疾患への対応が可能になりました。私の専門でもある呼吸器内科では嚥下(えんげ)機能を評価する嚥下内視鏡検査を開始。地域のニーズとも合致し、受診者が増えています。

 外来機能も充実してきました。常勤医の増加や非常勤医の応援によって、2016年以降、総合診療科、脳神経外科、皮膚科、形成外科、泌尿器科を開設。今後は検診、健診事業の拡充を図っていきます。

 医師増員はこれからも最重要課題として取り組んでいきます。

 以前勤めていた公立浜坂病院(兵庫県美方郡新温泉町)でもスタッフの増員を図りました。この時の経験やつながりもあって、現在の医師数を確保できたと思います。

 人事や採用については必要な人材を登用することも大切ですが、それよりも、その人材をいかに育てるかが大事だと考えています。看護師の確保では新卒採用に力を注ぐなど、「教育ができる病院」としても成長していきたいと思います。

◎地域の特性を考慮し必要とされる医療を

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 私は、大学卒業直後、兵庫県中部に位置する豊岡病院(豊岡市)に勤務。ここは公立豊岡病院組合立に属する同組合の中核となる病院で、豊岡市内にある日高医療センター、出石医療センターと、朝来市にあった朝来梁瀬医療センター(現:朝来医療センター)、朝来和田山医療センター(同)を束ねていました。

 長年、この五つの病院を行き来してキャリアを重ね、昨年、都市部に近い県南部にあるこの病院に着任したわけです。

 これまで勤務してきた北部・中部地域は山間部、過疎地が多く、65歳以上の高齢者が占める割合はたつの市よりもさらに高い。病院までのアクセスが悪いこともあり、「自宅で最期まで過ごす」「自分たちで家族を看取る」という文化が根付いていたように思います。

 そのため、これらの地域では、早い時期に病院による訪問診療が始まりました。私も1989年から在宅医療に関わってきました。今後は、これまで勤務した地域での在宅医療などの経験を生かし、この南部地域で必要とされる医療を模索し、提供していきます。

 当院は「地域に根差した医療」「患者さん中心の医療」「安心・安全・信頼の医療」の提供を目指してきました。その基本を大切に、たつの市の医療拠点として、信頼される病院づくりに一層励みたいと思います。

たつの市民病院
兵庫県たつの市御津町中島1666-1
TEL:079-322-1121(代表)
http://www.tatsuno-shiminbyoin.com/


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