医療法人回生会 宝塚病院 馬殿 正人 理事長・院長

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元気で長生きが一番 突然死予防を使命に

【ばでん・まさと】 1975 関西医科大学卒業 同大学附属病院第2内科入局 1984 関西医科大学附属病院第2内科助手 1985 医療法人回生会宝塚病院内科 2009 同院長 2017 同理事長(兼任)

 宝塚市内初の病院として開設されて以来、地域の発展ともに歩んできた宝塚病院。その〝顔〞である馬殿正人理事長・院長は、ユーモアとサービス精神にあふれる名物医師として親しまれている。病院の強みやアイデアを生かしつつ、独自に取り組む方策とは。

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◎循環器を核として

 当院は1956年、宝塚市内初の病院として誕生しました。満州医科大学を出た父が終戦後に帰国して、今より少し南の場所に建てたのが始まりです。

 当時は結核病棟、耳鼻科や眼科もあり、ゆくゆくは総合病院を目指していたようです。一つの転換点になったのが、1978年に始めた人工透析。そのころはまだ県内で人工透析ができる病院が少なく、広域から多くの患者が集まったことから、以降、循環器を強みにシフトしていくことになったのです。

 私自身も循環器内科が専門。1985年に当院に入職後、急性心筋梗塞患者への心臓血管カテーテル治療を始め、1992年には経皮的冠動脈形成術(PCI)を開始しました。

 2006年には現地に新築移転し、最新鋭の機器を備えた救急病院としてリニューアル。現在は、地域の中核病院として救急受け入れを行うとともに、循環器疾患、特に急性心筋梗塞などの2次、3次救急にも対応しています。

◎オーバーナイト透析で

 当院が人工透析を始めた頃は国内に3万人ほどだった透析患者数は現在30数万人に増えました。

 透析は1日4時間、週3回受けるのが日本の平均的なやり方です。ただ、1週間分の腎臓の働きを、12時間の透析で代替するのは少々無理がある。体の負担を考えると長い時間やった方がいいと分かっていても、束縛時間がまた患者さんの負担になるというジレンマがありました。

 しかし、ある学会で透析時間と生存率のデータを見て、長時間透析は必要だと強く再認識したのです。「細かいデータはいらない、とにかく元気で長く生きることが肝心だ」と。

 そこで患者さんと家族を対象とした説明会を開きました。「当院は基本的に長時間透析です」という仕組みに変えたのです。その一つが、4年前に始めたオーバーナイト透析。月・水・金曜の午後8時から翌朝6時までの間に、就寝中も含めて8時間かけて透析します。

 これなら患者さんは仕事を早めに切り上げる負い目がない。会社から来院してシャワーを浴び、奥さんが持参した弁当と着替えで過ごして翌朝そのまま出社する方も。日常生活に支障が起きにくいのが利点です。

 「4時間×3回」に比べて単純に透析時間が倍になりますから、体の負担が減る。食事制限も緩み、薬も減ります。ただ、症状が安定した人でないと難しい。体調の関係で日中の透析に戻った方からは、「早くオーバーナイトに戻して」という声が上がります。

 病院にしてみたら、透析液も人件費も多くかかる。でも、患者さんが元気に長生きできるということは、病院にとってのメリットでもあるわけです。その先には、家庭透析という道もある。自分の好きな時間に、毎日でもできる、と良いことづくしです。介助者が必要、自宅に機器を置く、光熱費がかかるなどのハードルはありますが、要望があればぜひサポートしていきたいですね。

◎安心をプレゼント

 私が医者になった時代は心筋梗塞に対してできる手立ては少なく、死亡率は平均30%くらいでした。その後、医療技術が進歩し、現在は5%を切っています。

 でも本当なら心臓の血管が詰まる前に動脈硬化を見つけて治すに越したことはない。突然死の6割以上を占める心臓突然死は心臓ドックで防げるのです。しかも、昔はカテーテル検査しかなく患者負担が大きかったのが、今は外来での冠動脈造影CT検査だけで分かります。

 特に、糖尿病、高血圧、肥満、喫煙、高コレステロールのうちいずれかが該当するなら、検査を考えたほうがいい。手軽に「白黒」つけられて、何もなければ安心、何かあればすぐ対処できる―と、患者さんも納得しやすい検査です。

 しかし実際は健診で少しひっかかっても放っておく人が多い。放置することによって起こるかもしれない悲劇を防ぐために、検査を勧めるにはどうすればいいのか、悩みどころでした。

 そこで病院に出入りする人に聞いてみると、自分より家族やパートナーに受けさせたいという意見が多かった。結果、生まれたのが心臓ドックのギフト券のアイデアです。2006年に「ハートお大事に券」という名称で販売を始めました。

 冠動脈造影CT検査、血液検査、心電図と診察で2万円。これまでの販売数は100セットほど。検査した方のうち5%超に治療の必要性が見つかっています。

 加えて「突然死予防健診」のセットも発売しました。心臓CTと脳のMRI検査がセットで3万円。心臓の次に突然死の多い脳疾患を一緒に検査すれば、より安心です。

 両方ともかなり「お得」なのですが、やはり金額なのでしょうか、ヒットするには至りません(笑)。しかし今後、予防医療はより重要性を増してきます。検診のメリットを訴えるPRの方法を考えていきたいですね。

◎「友の会」で胸部CT検査無料、ラジオ出演も

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 突然死予防の一環として、さらに地域の方々の健康維持をサポートする狙いで、昨年発足させたのが「宝塚病院友の会」です。

 入会金1000円で、特典として通常1万円の胸部CT検査が無料で受けられます。現在、会員数は80人。この検査で悪性肺腫瘍が見つかった方もいますし、乳腺や肝臓、副腎、甲状腺の腫瘍が発見された方もいます。

 会員対象に開いた健康セミナーの初回テーマは心臓病。腎臓病や糖尿病なども取り上げながら、今後も定期開催する予定です。

 健康情報の発信に関する活動としては、地元のコミュニティFM「FM宝塚」の番組出演があります。2003年11月から「からだのみかた」という土曜朝の30分枠で、私の好きなジャズなどをかけながらトーク。来秋で15年になります。

 毎回のテーマは脳卒中や肺炎などさまざまで、最近では甲状腺がん、白血病、百日咳(ぜき)など。体に関するリスナーの質問にも答えていきます。有名人が罹患(りかん)したり、マスコミでよく取り上げられたりする病気の質問が多いですね。

 それも大事なきっかけの一つ。病気や自身の体について関心を持ってもらうことが第一歩です。健康に関する見識を少しでも深めてもらえたら、うれしいですね。

 病院であっても、ボーッとしていてはつぶれる時代です。在院日数が半分に減り、逆に従業員数は倍増で、どこも経営状況は厳しい。その中で、どう生き抜くか。

 うちは大学病院などに比べて規模が小さい分、きめ細かな対応ができるのが強みです。充実した設備と小回りのきく機動力を生かしつつ、国の方針や時代のニーズにも対応しながら、次の一手を考えていきたいと思っています。

医療法人回生会宝塚病院
兵庫県宝塚市野上2-1-2
TEL:0797-71-3111(代表)
http://www.takarazuka-hospital.com/


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