【防げ!若者の感染症】高校生による「出前授業」 大阪・松原で18年間継続

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性に興味津々の十代。好奇心から安易な性行為に走った結果、感染症にかかってしまった─。梅毒症例が増加傾向にあるなど、感染症対策が注目されている昨今。「自分たちの問題として真剣に考えよう」とHIVやAIDSの予防啓発活動に取り組む「るるく」と呼ばれる高校生のボランティアグループがある。

広がっていく活動 一方で懸念の声も

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るるく講座ではHIVの感染に関する情報を高校生が劇などを通して伝える

 「るるく」というネーミングは、「知る・考える・動く」の語尾を組み合わせたもの。1999年、大阪府立松原高校の生徒が活動をスタートさせた。感染症の知識や予防策などを伝える「等身大の出前授業」が特徴だ。1回50分程度。HIVやAIDSに関するクイズ、「セックスをするかどうか」で心が揺れる高校生カップルを描いた演劇など、ストレートな思いで発信するメッセージが印象的だ。

 当時、若年層に広がりつつあったHIV感染予防の啓発のために同校を訪れた松原市の保健師が「高校生の目線で楽しく予防を啓発できないか」と相談をもちかけたことがきっかけ。思春期特有の若者が抱く性の悩みについて同世代が相談役となって解決を図る「ピア・エデュケーション」の手法をベースにしてプログラムを組み立てていった。

 メンバーは同校2~3年の男女約15人。出前授業の対象は学内の生徒だけでなく、周辺地域の中学校や高校、保護者、さらには医療関係者などにも広がった。授業を開く機会は年間で十数回に及び、北海道や中国地方へも「遠征」した。

 好意的な声ばかりではない。活動の幅が広がっていく過程では「むしろ性への関心を必要以上に強めてしまうのではないか」と眉をひそめる向きもあった。また、HIV感染者やLGBTの当事者の中には、感染者の隔離や当事者の排除につながるおそれがある、と懸念する人もいた。

 積極的に交流する場を設け、話し合いを重ねることで、さまざまな立場の人との距離を縮めることに努めた。

途切れなかった18年間 卒業生には医療者も

 大阪府立松原高校の平野智之校長は、18年間途切れずにるるくの活動が続いている理由を「生徒が性の問題から逃げることなく、まっすぐに向き合ってきたからではないか」と語る。

 当初は「感染症を防ごう」「望まぬ妊娠を増やさない」との趣旨から始まったるるくの出前授業は、しだいに「命の大切さを深く考え、若者が話し合う場」へと変わっていったという。

 平野校長は生徒の思いを次のように代弁する。「多様な人々と共に生きていくこととは。パートナーを本当に大切にするとはどういうことなのか。そんな強い問いかけが、活動には込められていると思います」

 るるくの一員としての活動が後押しとなって、医療に携わる道を選んだ卒業生もいる。大阪市立総合医療センターに勤務する看護師の松下文香さんは現在、感染症病棟で患者のケアにあたる。

 「性に関する教育は大人が一方的に言うだけでは伝わらないことも多い。自分で性のことを考え決定する力を養うには、やはり同じ世代が集まって話し合うことが必要だと思う」。後輩たちのさらなる活躍に期待している。


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