医療法人社団HARG 広島アレルギー呼吸器クリニック(光町本院・八丁堀分院) 保澤 総一郎 統括院長・理事長

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広島で世界基準のぜんそく治療を

【ほざわ・そういちろう】 修道高校卒業 1981 広島大学医学部卒業 同第2内科 1988 米国University of South Frorida留学 1995 マツダ株式会社マツダ病院呼吸器・アレルギー科部長2003 医療法人社団HARG広島アレルギー呼吸器クリニック院長・理事長 2014 同統括院長・理事長

 ぜんそく患者の割合が増加。医療機関を受診する人も多い。厚生労働省が実施した2014年の「患者調査」によると推計患者数は117万7000人。2003年にアレルギーや呼吸器を専門とした「広島アレルギー呼吸器クリニック」を開設した保澤総一郎統括院長・理事長に話を聞いた。

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◎ぜんそく治療の実情と課題

 長年、大学病院や民間病院で多くの患者さんのぜんそく診療に携わってきました。

 その間、ぜんそく治療も大きな進歩を遂げています。これによって、患者数は増加しているものの、ぜんそくが原因で死亡する方の数は減少しています。

 特に薬剤の進歩はめざましく、吸入ステロイド(ICS)や長時間作用性吸入β2刺激薬(LABA)とICSの配合剤が2000年代に登場したことによって、ぜんそくの長期的な管理やコントロールが、より良好に維持できるようになりました。

 しかし、その一方でさまざまな調査結果から、日本アレルギー学会が監修する「喘息治療・管理ガイドライン(JGL)」が求める「良好な状態」を、薬剤を用いても患者さんは自分自身では維持できていないということがわかってきました。

 その背景には、患者さん側、そして医療者側にもいくつかの課題があると考えられます。

◎正しい治療を続けるためには

 まず、患者さんは、自分自身のぜんそくの状態を過小評価する傾向が見受けられます。このため、症状が軽かったり調子が良くなったりすると治療を勝手に中断したり、間違った服薬をしたりします。

 加えて、ぜんそくの患者さんは比較的若い世代が多く、学校や仕事の関係などで、病院の診療時間内に継続的に来院することが難しい。このため次第に、病院から足が遠のき、せっかくの治療が長く続かないことも少なくありません。

 一方、医療者側は一人ひとりの患者さんの診察にあまり時間をかけられないため、患者さんの治療のモチベーションを維持するための説明や詳細な検査の実施ができないという事情もあるのです。

◎ぜんそく専門クリニックを開設

 長年患者さんと向き合ってきた中で、ぜんそくの長期的な管理やコントロールを、もっときめ細かにできるような専門のクリニックをつくりたいと考えるようになりました。

 こうして、2003年5月に、アレルギーや呼吸器を専門とした「広島アレルギー呼吸器クリニック」の開設に至ったのです。

 クリニックの場所は、広島市東区光町、JR広島駅新幹線口から徒歩5分と便利な場所です。

 診療時間は朝8時から夜8時30分まで。通学前や出勤前、あるいは学校や仕事が終わってからでも通院できるような時間帯を設定しました。

 また、検査や診察にできるだけ時間をかけたいと思い、原則的に予約制をとっています。

 特に初診では、患者さんとしっかり話すために1時間以上の時間を取ります。患者さんが自分自身の状態をより理解できるように、検査結果などの数値を示しながら「可視化」する工夫もしています。

 このような診療のやり方を続けることで、多くの患者さんが治療に積極的に関わっていると思います。治療継続率も高くなっています。

 また、患者さんに、私の考えをきちんと伝えたいという思いから「私がぜんそく専門医になった理由(わけ)」という単行本も出版しました。

◎利便性を考え分院も開設

 人口約150万人の広島医療圏で、ぜんそくの専門クリニックが果たして成り立つものなのだろうか。

 開設前は、周囲にそんな心配をされることもありました。

 しかし、実際には予想以上に多くの患者さんが来院しています。ぜんそくという一般的な疾患でありながら、これまではアレルギーや呼吸器の専門医が診察をする施設があまりなかったのではないでしょうか。

 2014年10月には、広島市の中心部である中区に「八丁堀分院」も開設することができました。

 当院の開設の理念に賛同してくれた春田吉則院長が分院での診療に当たっています。

 治療には、吸入ステロイドはもちろん、経口ステロイドを使用することもあります。経口ステロイドを糖尿病の人に使用することもあるので、糖尿病の患者さんの管理の必要性も感じていました。

 そこで、光町本院では保澤真紀医師が糖尿病外来を担当し毎週木曜日に対応しています。

 アクセスの良い中区での開設は、患者さんの利便性を考えたもの。これまでぜんそく治療に取り組むことができなかった患者さんにも、気軽に足を運んでもらいたいと考えています。

 最近は、中高年になってからぜんそくを発症するケースや、思春期ぜんそくなど、ぜんそくも多様化しています。化学物質やPM2・5など、アレルギー反応を増悪させる物質も増加しています。

 また、労働環境の多様化や、社会の複雑化などによる過労やストレスによってぜんそくが引き起こされることも多々あります。

 ぜんそくが精神的なストレスの影響で引き起こされることを知るだけでも、患者さん自身の対処の仕方がずいぶん変わります。

 ぜんそくの専門クリニックの医師として、患者さんの精神面を支えることも大切な役割だと考えています。

◎常に自己研さんを続けていくために

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 専門性の維持や、自己研さんのため、学会や研究会でクリニックの臨床データを発表したり、論文を執筆したり、講演をしたりと、情報を発信し続けることを自分のテーマにしています。外部とのつながりが希薄だとクリニックの場合、独りよがりの臨床にならないとも限りません。

 2016年には、臨床データに基づいたぜんそく治療に関する英文の論文を完成させ、米国サンフランシスコで開かれた米国胸部学会(ATS)で発表する機会も得ることができました。

 海外の学会に参加することは、ぜんそく治療の世界のスタンダードを知り、それを患者さんに還元することにつながっていくと考えています。

 また、最先端のぜんそく治療に接するため、臨床治験にも積極的に参加しています。

医療法人社団HARG 広島アレルギー呼吸器クリニック 光町本院
広島市東区光町1-9-28 第一寺岡ビル6F
TEL:082-568-1167
http://www.harg.info/


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