リハビリテーションセンター 熊本回生会病院 大橋 浩太郎 院長

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「3本の柱」で推進 上益城郡の中核に

【おおはし・こうたろう】 1988 金沢医科大学卒業 熊本大学医学部附属病院整形外科入局 熊本中央病院勤務 1990 荒尾市民病院 1994 熊本大学医学部附属病院整形外科 1999 リハビリテーションセンター熊本回生会病院副院長 2012 同院長

 回復期リハ、スポーツ医学、メディカルフィットネス。2015年の新病院誕生以降、熊本回生会病院を支える3本の柱について、大橋浩太郎院長は「軌道に乗りつつある。特色をさらに打ち出していく」と言葉に熱を込める。

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―今年4月に開院40周年を迎えました。

 1977年の設立時からリハビリ専門病院として歩んできました。2015年6月の新病院のオープンを機に、「3本の柱」を掲げ、当院が地域で果たしていく役割を明確化。各取り組みの強化を推進しています。

 柱の1本目は、これまでどおり、急性期から在宅へのスムーズな移行を支える回復期リハビリテーション。365日、空白期間をつくらないことを心がけています。

 中央リハビリテーション室に加えて、4、5階の回復期病棟それぞれに専用の訓練室を設置。個々の患者さんに設定したプログラムを、集中的に提供できる環境を整えています。

 2本目の柱は、新病院の開設に合わせて始動した熊本県初の「スポーツメディカルセンター」を有していることです。

 当回生会の鬼木泰博理事長の次男で、熊本大学医学部附属病院整形外科医局長を務めた鬼木泰成医師が診療部長に就任。鬼木医師はプロバスケットボールチームの熊本ヴォルターズのチームドクターを担当するなど、スポーツ医として豊富な診療実績をもっています。

 当院を利用したスポーツ選手によって、かなり口コミが広がっているようです。スポーツ外来の患者数は、ここ5年間で約6倍にまで増加。特に2015年以降は急激に伸びています。プロ、アマ、またジュニア、シニアを問わず県内および周辺地域から、数多くの患者さんが訪れています。

 高度な技術が要求される膝前十字靭帯再建術をはじめ、内側膝蓋大腿靭帯再建術、人工膝関節置換術、肘関節の障害である野球肘など、靭帯、軟骨領域を中心とした手術が可能です。

 腱や関節の治療には日本人メジャーリーガーが肘の治療に用いたことでも注目されたPRP(自己多血小板血漿)療法を実施しています。患者さんの血液から抽出した高濃度の血小板を患部に注入。自己組織の修復を促す再生医療の一つです。

 また、熊本県で1例目となる反重力トレッドミル「AlterG」や、筋機能解析運動装置「サイベックスノルム」による筋力の客観的な数値化など、先進的な機器を順次導入。食事指導なども含めて治療と予防の両面から、競技復帰やパフォーマンス向上をサポートしています。

 若い人が頻繁に出入りすることで病院が活気づいています。一般のリハビリ患者さんにもいい影響を与え、モチベーションを高めるきっかけにもなっているようです。

―3本目の柱が「メディフィット回生会」。

 厚生労働大臣認定の健康増進施設、厚労省指定の運動療法施設です。嘉島町が推進している保健事業実施計画(データヘルス計画)における、重症化予防対策事業「嘉島町国保キレイ血管プロジェクト」の提携施設でもあります。

 熊本県は全国平均と比較して医療費が高い。ここ嘉島町の1人あたりの医療費は県、国をさらに上回っている状況です。

 そこで、予防医療の観点から、メタボリックシンドロームの改善、介護予防、健康寿命の延伸を推進するのがプロジェクトのねらい。肥満や糖尿病、高血圧、膝や腰の痛みなど、さまざまな状態の利用者を受け入れており、多様な運動プログラムを用意しています。

 医師から「適度に運動しましょう」とアドバイスされても、実際にどの程度の運動に取り組めばいいのか、なかなか分からないものです。頑張りすぎて、かえって調子をくずしてしまうことにもなりかねません。

 メディフィット回生会では、心肺運動負荷試験(CPX)を用いた、オーダーメードの運動プログラムを作成。健康スポーツ医で心臓リハビリテーション指導士の丸岡徳裕医師を中心に、理学療法士、健康運動指導士などのスタッフが、健康づくりを後押しします。

―昨年12月、駐車場内に別館も完成。

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 病院新築プロジェクトの総仕上げとして1階に訪問看護ステーションと居宅介護支援センター、職員用保育施設、2階に女子職員寮を集約した建物が竣工。地域医療の拠点として機能の拡充に努めるとともに、福利厚生の充実を図りました。

 職員が働きやすい環境づくりは、近年、当院が力を入れている改革の一つです。新病院の建設でも、「ゆとり」を提供することを重視して計画を進めました。

 オフィススペースのレイアウトや備品の購入など、できるだけ職員の希望を取り入れ、のびのびと働ける職場を目指しました。気持ちに適度な余裕がなければ、いい医療を提供できないという考えに基づいています。

 当院の患者数が増加し続けている現在、最大のテーマはいかに急性期病院の要請に応えていくかという点です。職員一人一人が力を発揮できなければ、患者さんが必要な医療を受けることができなくなる。

 電子カルテシステムの採用や病棟クラークを取り入れることで業務効率を高めてきました。日々ミーティングやカンファレンスを重ね、ベッドコントロールにも細かく気を配っています。

 熊本県では、いわゆる「顔の見える連携」に対して、医療機関の意欲が高い。私は上益城郡医師会の理事でもあります。ひとたび医療機関の先生方が集まれば、超高齢社会への対応や、医師の確保など、地域医療のあり方や課題について熱心に話をしています。

 患者さんと医療機関の両方から「頼りになる病院」だと思ってもらえる存在になりたい。上益城郡の中核病院として認めてもらえるよう、もっと力をつけていきたいと考えています。

医療法人回生会 リハビリテーションセンター 熊本回生会病院
熊本県上益城郡嘉島町鯰1880
TEL:096-237-1133
http://www.reha-kaiseikai.or.jp/


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