社会医療法人 陽明会 小波瀬病院 山家 仁 理事長・院長

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DMATのさらなる充実を

【やまいえ・ひとし】 1987 鳥取大学医学部卒業 1988小波瀬病院 2006 同院長 2017 同理事長

 災害拠点病院でDMAT指定医療機関の小波瀬病院。9月にはDMATカーを導入した。

 救命救急科部長も兼任する山家仁理事長・院長に救急・災害医療への取り組みなどを聞いた。

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◎救急と訪問診療を

 1982(昭和57)年の開院から2006年に経営陣が変わって、現在に至るまで、急性期・救急医療の充実と地域住民の健康管理に力を注いできました。

 24時間、365日「断らない救急」を合言葉に救急車の受け入れ台数は年間約3000台、応需率は95%強です。

 現在、救命救急科は常勤医が私を含め2人、非常勤1人の3人体制ですが、来年からは常勤医が2人増えて5人体制になります。

 救急医が5人体制になると勤務状況に余裕ができます。そうなると訪問診療など、ほかの医療に充てられる時間が増えてくるでしょう。

 京築医療圏は高齢化率が30.1 % と全国平均(27.3%)より高く、独居世帯が多いのが特徴です。住み慣れた自宅で最期まで過ごしたいと願う高齢者が多いので、そうした医療ニーズに応えられるのではないかと思っています。

◎災害医療を通じた地域貢献

 DMATは現在、日本DMAT隊員が12人、福岡県DMAT隊員が5人在籍しています。

 昨年の熊本地震や7月の九州北部豪雨災害で当院のDMATが現地に向かい、被災地支援、診療などに従事しました。

 当院がなぜ、これほど災害医療に力を入れているかというと京築地域には生まれも育ちもこの地域、という人以外にも転勤されてきた方、嫁いで来られた方など転入してきた人がたくさんいらっしゃいます。逆に就職、進学などで、全国各地に転出された方もたくさんいらっしゃいます。

 全国各地にいるこの地域に関わりがある人たちに医療を届けたい。災害医療を通じて、地域貢献をしたいとの思いがあるのです。

 当院にも熊本県益城町出身の職員がいます。熊本地震の時、益城町に住む親戚から、その職員に連絡があり「あなたが勤めている病院がわざわざ益城まで来てくれた。ありがとう」と感謝されたそうです。そんな話を聞くと災害医療をやってきて良かったと感じますね。

 また同じく熊本地震の時、当院の看護スタッフが自主的に空きベッドを用意し、被災者を受け入れる用意をしてくれていました。

 職員全体に災害医療に対する心構えが浸透しているのを知り、私がこれまでやってきたことは間違いではなかったと確信できました。

◎DMATカー導入

 当院では9月にDMATカーを導入しました。被災地にはDMATカーと、救急医と看護師が乗るラピッドカーの2台体制で出動します。

 DMAT活動で災害現場に行くと隊員は地べたや床の上で寝るなど、過酷な状況を強いられることもしばしばあります。

 DMATカーの車内にはIP無線、衛星電話、テレビ、パソコンが設置されているのでスムーズな情報収集が可能です。

 またミニキッチン、電子レンジ、冷蔵庫、エアコン、シャワー室、最大6人まで休めるベッドなどがあります。

 現在、当院のDMATには業務調整員が5人在籍しており、うち2人はDMATインストラクターとして、全国のDMAT隊員の育成教育に携わっています。業務調整員はDMAT活動に関わる通信、移動手段、医薬品、生活手段の確保などコントロールタワーの役割を担っています。

 業務調整員とともに医師、看護師をもっと増やし、将来的には総勢20〜25人くらいのDMATを編成したいとの思いがあります。そうなると日本全国で長期間の活動が可能となります。

 当院のDMAT訓練では被災者のトリアージ、搬送、業務調整員と救急隊員などとの連携訓練をします。北九州や福岡などから多くの方が見学に来られます。参考になるような訓練ができている証拠だと思っています。

 今後もレベルアップのための努力を怠らず、他のDMAT隊から見本にされるようなチームにしていきたいですね。

◎ドクターヘリの有効利用を

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 ドクターヘリを有効利用することで救命率、蘇生率だけでなく社会復帰率を向上させることができます。

 退院後、寝たきりになるのではなく、自分の足で歩いて帰れる人を増やすことが救急医の務めだと思うのです。

 2016年度、国内で最もドクターヘリの出動回数が多かった兵庫県は2500回超、当院と同じ九州の鹿児島県で1000回弱です。福岡県は300回超。離島があるかどうかなど地理的条件が違うため単純に比較はできませんが、もう少し出動回数を増やす必要があると思います。

 救急隊員にもっとドクターヘリについて知ってほしいと思っています。福岡県のドクターヘリ拠点施設である久留米大学病院の高度救命救急センターから京築地区の救急隊への教育に来てもらうなどの啓発活動を進めています。

 この地域の救急隊員はドクターヘリについて、まだ「特別な存在だ」と考え、心理的な垣根があるようです。啓発活動を通じ、ドクターヘリが必要な状況か、救急車でも対応できる状況かを判断してもらえるようにして、1人でも多くの患者さんが退院の際に自分の足で帰れるようにするのが私の願いです。

社会医療法人 陽明会 小波瀬病院
福岡県京都郡苅田町新津1598
TEL:0930-24-5211(代表)
http://www.youmeikai.jp/obase-top/


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