高松市民病院 和田 大助 院長

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来年度前半に新病院誕生「古い殻を破りたい」

【わだ・だいすけ】 徳島県立城南高校卒業 1980 徳島大学医学部卒業 同第一外科入局 1985 徳島市民病院 1988 徳島大学医学部第一外科助手 1995同講師 1996 徳島市民病院外科主任医長 2007 同総括部長 2011 高松市民病院院長

 新病院整備事業の基本構想策定から10年。高松市民病院が「高松市立みんなの病院」となって患者を迎え入れる日が少しずつ近づいている。2018年度前半の開院に向けて地域の期待感が高まる中、新天地・仏生山町で提供する医療の充実に向け、準備が進む。

◎明るく、身近に

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 2018年度前半にオープン予定の新病院「高松市立みんなの病院」は、ことでん琴平線・仏生山駅から徒歩1分程度。市の真ん中、「へそ」にあたる香川県農業試験場跡地の一画に建設中です。

 免震構造の地上6階建てで、全305床。駐車場は現在の2倍程度に相当する約650台分のスペースを確保します。現在、躯体部分はほぼ完成している段階です。

 新病院でも引き続き機能の中心は急性期医療に置きつつ、地域包括ケアシステムの推進を考えると「治す医療」に加えて「支える医療」の強化が必要だと考えました。

 そこで今年10月、開院後を見すえて地域包括ケア病棟40床を開設しました。病院では、44床で運用します。

 「高松市立みんなの病院」という病院名は、公募で決定しました。ほかに平仮名で「たかまつ」と表記したものや「仏生山」を含めた案など、やさしく、身近な印象を与えるネーミグが多かったように感じます。

 もともと当院は1903(明治36)年に「高松市立伝染病院」としてスタートしましたので、現在の立地は療養環境を重視した坂の上。空気が澄んでいて、病院からの眺めは美しいが、交通の便がよくない。アメニティーの面でも、時代に合っているとは言い難い。

 高松市民にとって、イメージ的にも少しばかり「距離を感じる病院」なのかもしれません。移転を機に新たなブランドとして、明るく、より開かれた病院に生まれ変わりたいと思っています。

 新病院1階の多目的ホールを利用して、市民向けの公開講座やコンサートなど、地域のみなさんと交流を深めることのできるイベントを企画します。また、これまではホテルで開いていた地域連携カンファレンスも、先生方を当院に招いて実施できるようになります。

 現在、職員からホールの愛称を募集しているところです。親しみのある存在として、地域に浸透してほしいですね。

◎4本の柱で運営

 新病院のコンセプトとして、四つの重点項目を掲げています。

 一つ目は「がん医療」の推進です。香川県では4施設目となるPET-CTを導入。予防と治療の両面において高度化を図ります。また、緩和ケア病床を4床設置し、歯科口腔外科を新設。香川県で初めての「がん診療連携推進病院」(がん診療連携拠点病院に準ずる医療機関)の指定を目指します。

 次に「救急医療」。救急科を新設して、まずは平日の日勤帯は断らない体制を築きたい。夜間を含めて8割超の受け入れが目標です。3階にはICUを整備します。

 今年4月に「脳卒中・神経センター」を開設し、7月に脳卒中、消化器、呼吸器の、三つのホットラインを設けました。今後、少しずつ対応できる診療科を増やしていく予定です。

 三つ目に、「災害時と感染症患者への医療の充実」を方針とします。

 南海トラフ地震が発生した場合のシミュレーションでは、四国にある四つの空港のうち、海に面している徳島阿波おどり空港、高知龍馬空港、松山空港は、大きな被害を受けることが想定されます。山間部にある高松空港だけが、機能を維持できる可能性がある。

 高松空港に最も近い総合病院が「高松市立みんなの病院」なのです。屋上にヘリポートを備えますので、有事には重要な役割を担うことになるでしょう。

 今年5月、念願だったDMATを1チーム編成することができ、定期的に災害時のトリアージの訓練も重ねています。ぜひ、新病院では災害拠点病院の指定を受けたいと思っています。

 また、当院は高松市で唯一の「第二種感染症指定医療機関」。現状の感染症病床6床を、新病院でも運用します。

 四つ目として「へき地医療」への取り組みがあります。香川県の面積は日本最小で、県内各地へのアクセス手段が整っています。そのため、高松市内の中心部付近に総合病院が集中する傾向にあったのですが、2014年に香川県立中央病院が移転し、私たちも引っ越しますので、基幹病院が少し分散する。

 医療機関の機能分化が進んでいく中で、新病院でも塩江病院(高松市塩江町)を活用した地域の支援体制を手厚くできたらと思っています。

◎職員の思いを集める

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 当院は「生きる力を応援します」をスローガンとしています。合言葉である「ファインチームワーク」をもっと意識していこうと、新病院名を印字した職員用のストラップを制作しました。職員発信のアイデアです。ちょっとした試みですが、開院に向けてモチベーションを高めるのに役立っているのではないかと思います。

 電子カルテシステム上に、職員が院長に提言できる機能を組み込んだところ、多様な意見が寄せられるようになりました。紹介率や逆紹介率といった各種目標値、当直日誌なども共有できますので、部署間、職員同士でも、活発に情報を交換しているようです。

 私からは、毎週の朝礼がわりにと思い、「院長のひとこと」を更新しています。多目的ホールの名称の募集や、働き方改革のこと、地域包括ケア病棟開設のねらいなど、タイムリーな話題を届けるよう努めています。私が考えていることを、少しでも職員に知ってもらえればと思い、昨年7月に始めました。

 多職種がどんどんかかわっていく組織を目指したいと思っています。がん診療推進室、医療安全管理室など、これまではそれぞれの部門が取り組んでいた業務も、段階的に集約化することで効率化を図りたい。

 毎年、医療面、経営面を含めて、いくつかの目標を定めています。達成できたものもあれば、一歩及ばなかったものもありますが、私が院長に就任して以降、ずっと掲げ続けている課題が医師の確保なのです。

 2015年、魅力ある研修プログラムをつくろうと、医師臨床研修の協力病院として沖縄県立八重山病院(石垣市)と提携しました。

 今のところ看護師の研修実績はありますが、まだ研修医の派遣はかなっていません。「石垣島の中核病院」という環境はプライマリケアなどを実践的に学ぶいい機会になると思いますので、新病院では実現にこぎつけたいところです。

 研修医たちが「ここで働いてみたい」と感じてくれる、活気あふれる職場にしたい。

 意欲のあるスタッフには国内外での学会発表のバックアップを用意していますし、女性が無理なく仕事と家庭を両立できるよう、短時間正規雇用制度も取り入れています。新病院では、院内保育所も整備します。

 新築移転で当院の歴史は一つの節目を迎えるわけですが、古い殻を破ってくれるのは、やはり若い力だと思うのです。

高松市民病院
高松市宮脇町2-36-1
TEL:087-834-2181
http://www.takamatsu-municipal-hospital.jp/


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