社会医療法人頌徳会 社会福祉法人頌徳福祉会 日野 頌三 理事長

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住み慣れた街で自分らしい暮らしを

【ひの・しょうぞう】 城南高校卒業 1967 大阪大学医学部卒業 1972 大阪大学精神神経科助手 1979 日野診療所開設 1981 日野病院開設 1986 医療法人頌徳会(現:社会医療法人頌徳会)理事長 2004 社会福祉法人頌徳福祉会理事長

 「治療を施し癒すだけでなく患者を"支える"。残存機能を生かして家庭に復帰させることが大事なのです」と語る日野頌三理事長。今ある資源と変わりゆく国の方針を擦り合わせながら発展を続ける頌徳会グループの今後の展開を聞いた。

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―理念を教えてください。

 「社会医療法人頌徳会」と「社会福祉法人頌徳福祉会」から成る、頌徳会グループは「生命の花を咲かせます 生きる力を支えます 力を活(い)かして支えます」の理念の下、すべての患者さんが適切なサービスを受けられるよう、グループ内で保健、医療、福祉のサービスを切れ目なく提供できる体制を整えています。

 法人の中核である日野病院では治療を施すだけでなく「支える」。すなわち残存機能を生かし、自立し、元気になって家庭に復帰させることに重きを置いています。

 どんな力を引き出せそうか、何をすれば元気になるかは患者さんによって異なります。そのため、まずは患者さんをよく診て、特性を把握することから治療は始まります。

 大事なのは患者さんのモチベーションを高めて維持すること。

 例えば孫がかわいくてしょうがないという人がいれば、時々お見舞いに来てくれるようにお孫さんにお願いをしたりもします。そうしたちょっとしたことが、患者さんのリハビリに対するやる気や予後に良い影響を与えるのです。

 回復期リハビリテーションは「自分の力で良くなっていくための手段」であると私は解釈しています。生活領域を広げて前向きに生きる力につなげることが重要なのです。

 歩行については、何の障害もないところを歩けるようになることがゴールではありません。そのため、歩行訓練に使われる北棟の屋上庭園には階段を設置し、砂利を敷いています。

 入浴や着脱といった日常生活で欠かせない動作についても、介助されてできるのがゴールではありません。介助を要していたら、患者はいつまでも「迷惑をかけている」という負い目を持ってしまう。それでは完全に良くなったと言えません。

 自分の力で生活を営めるようになることをイメージしながらサポートしています。

―リハビリテーションスタッフの方がたくさんいらっしゃいますね。

 リハビリテーション室は従来からある南棟の約500平方㍍と広めの設計。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が計80人ほど在籍しています。

 入院時には運動機能の評価、家族面談、多職種のスタッフでのカンファレンスの三つを実施。そうして作成した入院診療計画書に基づき、患者さん一人ひとりに合わせた治療を提供していきます。

 最近は言語聴覚士による食べ物の摂取、嚥下(えんげ)リハビリテーションの役割が重要視されています。 当院ではデジタルX線TV装置による嚥下造影検査で物を飲み込む状態を観察した上で、嚥下訓練をして、摂食機能が不十分な人に起こりやすい誤嚥性肺炎の予防に役立てています。

 さらには週に1回、外部から歯科医や歯科衛生士、口腔ケアに詳しい看護師に来てもらい、病棟のなかでも摂食機能が低下した人の口腔ケアを実施。感染症の予防に力をいれています。

―2016年12月に病院をリニューアルしました。

 これまでは病床数の不足が深刻で、地域の病院を吸収合併しながら全104床をほぼ満床状態で稼働させてきました。

 そこで昨年12月、北棟を増築。回復期リハ病棟109床、地域包括ケア病床82床、一般病床8床、計199床に増床しました。特別室個室4床も用意。リハビリテーション室も増やし南棟と合わせて計900平方㍍となりました。

 1996年に開設した介護老人保健施設「ソルヴィラージュ」は耐用年数を迎え、現在新たな建物を建設中。来年2月にオープンする予定です。

 当施設の特徴は94床の認知症専門フロアを有し、ターミナルケアや看取り、生活の場として、病院や施設の機能を併せ持ち、中重度の要介護者に対応することが可能な点。今持つ資源を有効に活用しながら、変わりゆく情勢にも柔軟に対応していきたいと思います。

―今後の展開を教えてください。

 頌徳会グループでは在宅支援にも力を入れています。しかし、訪問看護の際に、患者さんが過剰な要求をしたり、看護業務が軽視されるなど、運営は容易ではありません。

 今後、国の方針が訪問診療・看護を重視する体系に移行していくでしょう。予算面あるいは税制面でも優遇され、訪問診療を受ける人は増えると思います。

 しかし需要はそれほどあるとは言えません。なぜなら、訪問診療は病院と自宅の距離が離れているほど交通にかかる必要経費は増え、負担が大きくなる。それに点在する家を一軒一軒回るのはとても非効率です。

 これは私の理想ですが、訪問診療を受ける人たちにある一定の地域に独立した家で住んでもらう集合形式を取れたら良いなと考えています。効率的に往診し、食事もわれわれがバランスのとれたものを提供することで栄養管理もする。物理的にも効率の良い方法を考える必要があると思います。

―春の叙勲で旭日中綬章を受章されました。

 日本医療法人協会での活動などが評価されての受章となりました。

 現在は名誉会長ですが、2015年まで6年間は会長として、「持ち分あり医療法人」から「持ち分なし医療法人」への移行を進めるための認定制度の整備のために奮闘していました。

 社会保険で成り立っている医療法人に私有財産という考えはなじまない。また、経営者に相続が発生した場合、相続税の支払いのために医業継続が困難になることはあってはなりません。

 そこで、国の新制度では、私有財産を放棄したり、そうすると宣言した医療法人には相続税の納税猶予といった税金の優遇措置などを実施。少しずつですが理解を示し、移行する医療機関が増えてきています。

―求める医師の理想像とは。

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 医者は誰もが「この医療に関して私は誰にも負けないです」と言いたい。だから「専門」という言葉をすぐ口にしてしまいます。しかし診療科目はあまり重要ではないと私は思うのです。

 「この症状はこの診療科で診ないといけない」という先入観を医療人が与えたことも、医師不足の要因といえるでしょう。それにより患者さんは診療科にこだわり、医師の専門を問いただす風潮が行きわたりました。ドクターショッピングによる医療費の無駄も解消すべき課題です。

 また、高齢者は複数の疾患があることが多く、相互に悪化させていることも珍しくありません。

 専門に特化し過ぎることは大きな的を見逃してしまうことにもなりかねない。医師免許を取得し、一定以上の知識と向上する力量があるならば、どんな患者さんの、どの疾患を診ても良いと思うのです。

社会医療法人頌徳会
大阪市堺市東区北野田626
TEL:072-235-0090(代表)
http://www.syo.or.jp/hospital/


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