医療法人誠和会 和田病院 和田 徹也 理事長・院長

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地域への恩返しを

【わだ・てつや】 1973 鹿児島大学医学部卒業伊敷病院麻酔科研修 1975 鹿児島大学医学部第二外科 博士号取得 1982 宮崎医科大学 1984 医療法人誠和会和田病院 1987同院長 1992 同理事長

 和田病院は1949(昭和24)年の開設以来、地域密着の医療を展開。現在まで救急・急性医療から回復期・療養まで地域の患者さんに配慮した医療を提供している。

 力を入れているリハビリテーションについて、さらに老健や、また地域医療にかける思いについて聞いた。

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◎リハビリテーションのさらなる充実を

 急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、療養病棟を備えていることが医療資源の密度が低いこの地域での当院の役割だと感じています。

 それもあって、当院では外来リハビリ、訪問リハビリ、また併設の老健施設での入所、通所リハビリを提供していて急性期から在宅までシームレスに対応できる体制が整っていると言えます。

 入院中は集中的なリハビリはもちろん、退院前の自宅での動作確認や住宅改修の指導をご家族やケアマネジャー、改修業者など同席のもとで実施しています。

 退院直前には自主訓練や屋外路上歩行訓練などの指導もして、より退院後の在宅生活に円滑に移行できるように配慮しています。

 回復期リハビリテーション病棟では専従医師の管理下で、退院前カンファレンスとして、ご家族やケアマネジャーだけでなく、退院後に利用予定のサービス事業所の職員にも同席してもらい、必要に応じて介助法の指導などもしています。

 また、宮崎県より地域リハ広域支援センターの指定を受け、2003年10月から2016年3月までの12年半、日向入郷圏域でのリハビリテーションに関する支援をしてきました。その関係でケアマネジャーや施設からの相談を受ける機会も多いので、その対応をしています。

 そのほか日向市の地域ケア会議への専門職派遣や地域包括支援センター運営協議会、地域密着型サービス運営委員会、日向保健所の難病対策地域協議会などにも出席し、関係機関との連携も図っています。

◎連携強化のために

 現在のリハビリ・メディカルスタッフ数は計50人です。内訳は理学療法士27人(産休中2人を含む)、作業療法士16人、言語聴覚士6人(助手1人)です。

 当院では、なるべく早く在宅復帰してもらうためのリハビリを提供。各病棟スタッフとの連携強化のために病棟担当制をとり、円滑な情報交換、共有を図っています。

 ここ数年で若いスタッフが大幅増員。経験をより一層深めたいという意欲を持つ若い理学療法士が半数以上を占めるようになりました。

 今後は人材育成とリハビリの質の向上を課題とし、若いスタッフが、より成長することに期待しています。

 地域におけるリハビリテーション拠点施設を目指して、入院および入所の際に、より短期間で最大限の結果を出せる体制構築を目指しています。

 受け皿となる在宅への支援として通所リハビリの機能向上を図りつつ、人員増を含む訪問リハビリの事業拡大によって、適時対応可能な体制を整えていかなければなりません。

◎老人保健施設への期待

 当院敷地内にある介護老人保健施設「メディケア盛年館」は入所者一人ひとりに合わせた目標と支援計画を立て、必要な医療、看護や介護、リハビリテーションを提供しています。また在宅強化型老健に指定されていて平均在所日数は131.6日です。

 現在の入所者数が40で通所者数98。個々の入所・利用者さんに入所・利用開始日から6カ月は月に1度、それ以降は3カ月に1度、リハビリ会議を開きます。

 会議ではリハビリの進捗状況、体調、精神面、自宅環境などについてご本人・家族とスタッフ間で綿密に話し合い、ご本人や、そのご家族の満足度向上、身体機能向上、身体機能理解につなげています。また担当ケアマネジャーや関係事業所との連携にも力を入れています。

 メディケア盛年館は定期的に介護教室を開いています。テーマはリハビリ、栄養、歯科、介護、看護、薬剤など多岐に渡っています。

 今後も地域住民向けの教室などを開いていきたいですね。

◎地域へ寄せる感謝と思い

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 開設当初はまだ医療保険制度がなく、誰もがすぐに医療を受けることができる時代ではありませんでした。

 それでも、毎日「先生に診てほしい」と、たくさんの患者さんがやってきました。

 幼い私でも、患者さんたちの様子から父が地域で信頼され、全身全霊をかたむけて働いていると感じたものです。

 2人の兄は病気がち、病院には夜中でも熊本県境の椎葉などからも急患が来る、救急では家族までも一緒に起こされる。そんな環境で育ったので将来、医師になるのは自分の使命だと感じていました。

 子どものころから野口英世や二宮金次郎などの伝記に関心を持っていました。小学校のころは将来医師になるためにと自宅から60km離れた国立大の附属中学校に進みたいと考えました。

 自ら希望し放課後、小学校の担任の家に行き、毎夜、近道のために怖い墓場をすり抜け受験勉強を続けました。それもこれも医者になりたいとの一心から取った行動だったのです。

 私は1984(昭和59)年、37歳の時に当時、父が院長を務めていた当院に帰ってきました。

 幼いころは父母が医業に専念していたため、私たち子どもの相手になれる状況ではなく「家族で出かけた」といった友人たちの話を聞いて、寂しい思いをしたものです。

 その分、地域の方々にはたいへんお世話になりました。近所の人たちからは竹を切り、水鉄砲や箸をつくるなど、生活の知恵を学びました。

 それらを通じて生き物の生や生活の営みの厳しさを知りました。地域で学び、育てられたと感じているので地域への恩も人一倍あると思っています。そんな思いがあったからこそ当院に戻ってきたのです。

 自分が納得する地域医療の提供と病院の収益増を両立するのは難しいことですが、私は患者さんはもちろんのこと、250人を超える職員とそのご家族の生活もしっかりと支えなければとの思いがあります。

 今後もスタッフとともに地域医療への貢献を続けていくことが私に課せられた使命だと思っています。

医療法人誠和会 和田病院
宮崎県日向市向江町1-196-1
TEL:0982-52-0011
http://www.fc.wada-hosp.or.jp/


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