西脇市立西脇病院 岩井 正秀 病院長

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住民と共に歩む

【いわい・まさひで】 土佐高校卒業 1982 神戸大学医学部卒業 同第二内科 1987城陽江尻病院 1989 書写病院 1990 西脇市立西脇病院 2014 同院長

 兵庫県のほぼ中央に位置し、人口およそ4万2000人を擁する西脇市。かつて西脇病院は、医師不足による病院存続の危機にも見舞われたという。解決の糸口は医師会や住民との連携だった。

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◎医師会の働きかけがきっかけに

 当院は1951(昭和26)年に国民健康保険町立西脇病院として開院。

 2009年には、新病院が完成し、現在は320床で、地域の中核病院の役割を果たしています。しかし、現在に至るまでには、医師不足による大きな危機もありました。

 きっかけは2004年に導入された、新医師臨床研修制度。特に地方都市の病院の医師不足を加速させました。

 西脇病院も同様で、特に内科系の医師は激減し、神戸大学からの医師派遣もストップ。約50人いた常勤の医師は37人にまで減りました。

 そんな当院の窮状を知り、「これ以上医者を減らしてはいかん」と、声を上げてくれたのが西脇医師会会員の皆さんでした。

 日曜日など休日の当直は、医師会の先生方が担当。医師会や住民による「小児医療を守る会」も設立されました。会は病院の状況を市民に伝え、「緊急でない受診は控えよう」と呼びかけてくれました。

 「どうも西脇病院は困っているようや」という危機感が芽生え、住民の病院に対する意識が変化。夜間の受診が減るなど、行動が変わりました。

 すると、不思議なものです。病院職員にも、住民の思いが伝わっていきました。「病院の存続のために自分たちも頑張ろう」という雰囲気が生まれました。

◎西脇市出身の医師がUターン

 2008年ごろから、「守る会」などの活動を通して、西脇市の実情を知った西脇市出身の医師2人が立て続けに戻って来てくれました。

 2人は医師になって7、8年。経験もある中堅どころです。「親の面倒を見たい」などの理由で戻って来たので、長く勤める意思があり、われわれにとっては願ってもない人材でした。

 彼らのような指導力のある中堅の世代の医師が増えたことが呼び水となり、ここ数年は、研修医も増えつつあります。今は、常勤医が60人近くにまで増えました。

 その中には、多くの地元出身者がいます。地域に根差した人に支えられている病院なのです。

 Uターンした医師にとって、地域住民のさまざまな活動が大きな支えとなっています。

 地方の医療は、限られた医療資源の中で、最大の効果を目指さなければなりません。そのためには、患者さんの理解が不可欠です。

 当市では、新病院を開設した2009年から毎年1月、医療や介護をテーマにした「地域医療市民フォーラム」を開いています。開催に向けた準備として、住民、医師会、行政、そして当院が一緒になって、毎月1回「地域医療検討会」ミーティングを開きます。

 ミーティングは、われわれ医療者にとっては、住民の声を直接聞く貴重な場ですし、住民にとっても、病院の現状を理解する場でもあります。

 大きな催しを、1年をかけて作り上げていくことで一体感も生まれます。今年のフォーラムには約400人が参加し、盛況に終わりました。

 また、西脇市内の四つの中学校の3年生を対象に、出前授業をしています。

 西脇病院職員や、医師会員、市民の方が講師となり、地域の医療の実情、病院の状況などについて50分程度話します。

 授業を受けた中学生たちから、「医師になって、西脇で働きたい」といった感想をもらうこともありますよ。若いうちから医療について考えてもらう貴重な機会ですので、今後も続けていきます。

◎病院の強みを大切に

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 2016年11月、47床の地域包括ケア病棟を開設しました。これまで当市には、急性期病院での治療を終えた人を受け入れられる病院がなく、患者さんは市外の病院に転院していました。地域包括ケア病棟ができてからは、当院で治療が完結できるようになりました。

 診療面の充実も図っています。

 内科では、これまで血液内科の専門医がいなかったため、神戸市などでの治療となり市民のみなさんに不便をかけていました。今では当院で治療できる症例が増えています。

 血液浄化センターは、17床。血液、腹膜透析療法のほか、血漿(しょう)交換などもできます。

 脳神経外科は、木村充副院長をはじめ6人体制。脳疾患の急性期の治療に力を入れ、血管内治療も得意としています。

 今年8月には、最新式の血管造影装置を導入。すでに、本格稼働しています。

 兵庫県「認知症疾患医療センター」の指定を2014年に受けました。当院の、精神科医、神経内科医が診断をして、その後は、地域包括支援センター、ケアマネジャー、開業医の先生と連携しています。

 地域がん診療連携拠点病院として、放射線治療も手がけるなど、がん治療にも力を入れています。日本乳癌(がん)学会の認定医もいますので、診断から手術まで当院で完結できます。

 整形外科では、高齢者の大腿骨頸部骨折の早期手術に力を入れており、実積を挙げています。

 今後、各診療科が力を付けることで、病院の総合力を、より高めていきたいと考えています。

西脇市立西脇病院
兵庫県西脇市下戸田652-1
TEL:0795-22-0111
http://nshp.jp/


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