株式会社互恵会 大阪回生病院 佐藤 文平 病院長

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良質な医療を維持しつつ、特徴を打ち出す

【さとう・ぶんぺい】 大阪府立天王寺高校卒業 1981大阪医科大学卒業 同眼科研修医 1983 兵庫県立尼崎病院 1985 大阪医科大学眼科助手 1992南大阪病院眼科部長 1999 大阪医科大学眼科講師 2005 大阪回生病院眼科部長 2014 同副院長2016 同病院長

 大阪回生病院は1900(明治33)年、大阪市北区で創立。佐藤文平第11代病院長に病院の特徴などについて話を聞いた。

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◎地域の急性期医療を支えて

 今年で創立117年。大阪府の民間病院では最も歴史ある病院です。

 1966(昭和41)年に大阪市大淀区に移転。老朽化に伴い、2005年に現在の地(大阪市淀川区)に新築移転。

 JR、地下鉄御堂筋線の新大阪駅と歩道橋で直結し、徒歩3分と交通アクセスが抜群です。

 病床数は300床で淀川区内では最多。内訳は7対1一般病床254、地域包括ケア病床46です。外来の1日平均患者数は約800人です。

 もともと外来が混雑する病院で、1日当たり1000人を超えた時もありました。多すぎて、新規患者の受け入れが困難になってしまうと患者さんにご不便をおかけしてしまうことになります。

 そこで地域の診療所に逆紹介していった結果、現在の数に落ち着いたのです。まだ病院の規模からいうと多いかもしれません。睡眠センターや眼科、皮膚科といった当院の特色が大きいと思います。

 2015年に地域包括ケア病棟を設置し、ポストアキュートの患者さんを速やかに移すことで、一般病棟の平均在院日数は平均12日程度、時に10日を切る月もあります。地域包括ケア病棟の平均入院期間は35日です。

 ところが、新規入院患者の獲得が思うに任せない状態のため、一般病棟の利用率は75〜80%と低めです。病病連携、病診連携を強化し、救急体制を整えることが、当院が急性期病院の機能を維持するための喫緊の課題です。

◎QOLを高める医療

 当院周辺には500床以上の大病院が複数あります。特定病院では3月に大阪国際がんセンターがオープンしましたし、2年後にはJR岸辺駅の近くに国立循環器病研究センターが新築移転します。

 このような環境で当院のような規模の病院が生き残っていくためには、病院の特色を打ち出さなければなりません。

 急性期病院としては、消化器外科、泌尿器科、整形外科などの外科系診療と、消化器、循環器、呼吸器、糖尿病などの内科系診療が当院を支えてくれているわけですが、他にも多彩な診療科やセンターがあります。

 第一に睡眠医療センターの存在が挙げられます。1998年開設の同センターは、睡眠に関する診療の専門機関としては、日本で2番目、関西では初。これまで2万5000人余りの患者さんを診察しました。睡眠時無呼吸症候群をはじめ、ナルコレプシー、夢遊病などのさまざまな疾患に対応しています。

 睡眠検査技師による検査、睡眠診療を専門とする医師による診療はもちろん、一般市民向けの啓発活動や学会発表などにも積極的です。

 次に眼科診療が挙げられます。白内障、網膜硝子体手術も頑張ってきましたが、眼形成、眼窩(がんか)、涙道疾患治療が充実しています。眼瞼下垂、眼窩骨折、鼻涙管狭窄(きょうさく)などの代表的疾患から、悪性腫瘍、義眼台、顔面神経まひに至るまで、この領域に関わるすべてに対応しています。眼科の年間手術件数は病院全体の約半分の2千件にのぼります。

 当院は交通の便も良いため、山陰や北陸東海地域からも多くの患者さんが来院します。

 皮膚科は伝統的にアレルギー領域が強く、プリックテストやパッチテストによるアレルゲンの検索、アトピー性皮膚炎のナローバンドUVB治療などに力を入れています。

 形成外科や歯科口腔外科も強みです。形成外科はもちろん外傷や腫瘍などを対象とする急性期外科ですが、「心療外科」とも言われるようにQOL向上に寄与する診療科でもあります。

 歯科口腔外科では、総合病院の特性を生かし、他科と連携し口腔がんなどの手術、治療に取り組んでいます。また、周術期や化学療法時の口腔機能管理も担っています。

 泌尿器科も前立腺がん、腎臓がんなどの急性期診療のみならず、排尿障害や男性更年期障害などQOLの向上に関われるような診療を心がけています。

 今後も内科、外科のレベルを維持しながら、多彩な診療科の特徴を打ち出し、患者さんに良質な医療を提供していくつもりです。

◎和気あいあいとした雰囲気

 当院には、全国の大学医局から医師が来ていて、科によって出身大学が異なります。

 最も遠くは九州大学から来てもらっています。九州大学外科とは創成期からのお付き合いです。あとは大阪大、大阪市大、大阪医大、大阪歯大、神戸大、京都大、滋賀医大、奈良医大、鳥取大などです。

 一つの大学医局に偏っていないことと、学閥がない和気あいあいとした雰囲気が当院の特徴でしょうね。

◎経営改善に向けて

 新規入院患者さんの獲得が急務です。このため1月に「経営改善プロジェクト」を発足させました。

 「24時間365日入院を受け入れる体制を構築する」との目標を打ちだし、それを実現するための業務評価指標とアクションプランを立てて経営改善、勤務環境改善に取り組んでいます。

 職員に望むことは、全員が経営意識を持って日々の業務に臨むことです。医療の質を担保しつつ、支出を減らす。これを念頭に置いてもらいたいですね。

◎恩師の存在と教育の樹形図

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 私の眼科医としての礎(いしずえ)を築いてくれたのは、兵庫県立尼崎病院(現:兵庫県立尼崎総合医療センター)に勤務していた当時、眼科部長を務めていた先生です。もう亡くなられましたが、その先生のお陰で、眼科手術の基礎、医師としての心構えも学ぶことができました。

 その先生は眼科部長でありながら病院長も務めていました。眼科医が大きな公立病院の院長を務めるのは当時も今も極めて珍しいことです。しかも眼科の外来診療や手術も十二分に続けていましたし、部下の教育にも熱心で、スーパーマンのような方でしたね。

 一昨年、回生病院の院長に、と打診があった時は、すごく迷いました。しかし先生が天国から「引き受けたらいいやないか」と言ってくれたような気がして引き受けたのです。

 先生からは「丁寧な手術の重要性」を学びました。思えば私は不肖の弟子で、その後もあまり丁寧な術者ではなかったと思いますが、後輩への教育は先生の精神に従ったつもりです。

 60歳を過ぎてようやくその本当の意味がわかってきた気がします。

 患者さんの立場からすると、スピードは早いけど雑な手術よりも丁寧な手術をしてもらう方がいいと思うに決まっていると思いませんか。

 手術をさせてもらうということは、その患者さんと一期一会の出会いを持つということです。

 ある時、当院の眼科に入職した医師で、すごく丁寧な手術をする人がいました。感心した私は「誰に手術を習ったの?」と聞きました。すると、かつて私が指導した医師に教わっていたことがわかりました。

 不思議な縁を感じましたし、先生の教えが若い人たちに脈々と受け継がれていることを知り、うれしかったですね。

株式会社互恵会 大阪回生病院
大阪市淀川区宮原1-6-10
TEL:06-6393-6234(代表)
http://www.kaisei-hp.co.jp/


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