公益社団法人益田市医師会立 益田地域医療センター医師会病院 狩野 稔久 病院長

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

地域の医療ニーズに応えるために

【かりの・としひさ】 島根県立松江北高校卒業 1979 自治医科大学卒業 島根県立中央病院医員 1985 島前町村組合立島前診療所所長 1991 益田地域医療センター医師会病院副院長 1997 同病院長

 島根県西部に位置する益田医療圏。高齢化率は2010年に29.1%に達し、2015年には37.1%となった。超高齢社会を10年先取りしていると言われる地域だ。

 県地域医療拠点病院の益田地域医療センター医師会病院は、2018年度、医師確保へ向け、新たな研修制度を取り入れようと準備を進める。その背景や思いを狩野稔久病院長に聞いた。

c5-1-1.jpg

◎地域のニーズに応えて機能を付加

 1980年代、全国各地で、多くの医師会立病院が誕生しました。

 当地でも、地域で不足していた入院施設をつくろうと、当時の益田市美濃郡医師会(現:益田市医師会)の先生方が尽力。出資をして、1986(昭和61)年、開設に至りました。

 医療機器も次々に登場していたことから、新たな機器や手術室を共同で利用したいという狙いもありました。

 開設後も、地域の医療ニーズに合わせて、さまざまな機能を付加してきました。高齢化に伴い、1996年、99床で隣接地に開設した市立の介護老人保健施設の運営を受託。介護保険制度が始まった2000年には、市の要請もあり、療養病床をつくり、その後、回復期リハビリテーション病棟も設けました。現在は、343床です。

 地域のみなさんの要望に応え、行政の方針を取り入れ、機能を拡張してきました。こうして、急性期から、慢性期、回復期、そして在宅まで対応しています。

 益田市には急性期に特化した益田赤十字病院があります。一方、当院は、いわゆる初期救急、そして、回復期、慢性期と、機能分担が確立されています。

◎地域の課題

 県内人口は減っており、将来的には高齢者も減少します。県内にある医療施設が現状と同じ機能で運営できるかというと、残念ながら難しい。

 今後、どういう規模で、どのような機能の施設を目指すかを当院も考えていかなければなりません。

 時代や社会が変われば病院も変わらなければなりません。ニーズにあった医療を提供し、さらにニーズを先取りする医療を目指すことがより求められます。

 しかし、地域の病床が減ることで「入院できない」「施設に入れない」といった高齢者が増えるのは大きな問題です。

 益田市の場合も、高齢者の独居、老老介護が増加しています。

 今後、高齢者をどうやって地域でサポートするのかを真剣に考えなければなりません。

◎病院全体でスキルアップ

 病院全体のスキルアップに力を入れています。

 特に、職員全員で、医療やサービスの質を継続的に向上させる、TQM(TotalQuality Management)活動に長年取り組んでいます。年ごとにテーマを決め具体的なQC(クオリティ・コントロール)活動を進めます。昨年は「診療報酬改定後の対応」、今年は「コスト・時間・情報のムダを省く」でした。

 TQM活動は、医療の質の向上と同時に、職員の育成につながっていると考えています。活動を通して、職員は経験を積んで達成感を味わい、それが自信にもつながっています。

 職員の意識をまとめるひとつのツールだと思います。

◎医師確保へ向け新プロジェクトに挑戦

c5-1-2.jpg

 当院の課題は、医師確保です。

 現在、若い医師の多くが急性期の病院で働きたい、研修したいと思っていますし、大学も医師を派遣する余裕はありません。

 当院には、13診療科がありますが、この5年間で16人いた常勤医が11人に減少しました。内科医は私1人です。

 そこで、2018年の春、「親父の背中プログラム」をスタートさせることにしました。

 これは、離島へき地医療を担う医師養成に取り組む「ゲネプロ」との共同企画です。同社を運営する救急医の斎藤学医師を取り上げた新聞記事を読み、大変興味を持ちました。今年5月にお会いしたところ協力いただけることになったのです。

 2年間の研修で、地域医療の医師としてのスキルを学んでもらう独自の研修プログラムを作成。地域の診療所や、当院で地域医療をしっかり学ぶことができる仕組みになっています。

 当医師会の会員である開業医10人が指導にあたります。開業医の診療科は内科、整形外科、耳鼻科、皮膚科などさまざまです。

 午前中は、開業医の下で研修をし、午後は、当院の総合内科で、入院患者の診療などにあたります。研修期間中の給与は、当院が負担することになっています。

 「こんな医者(オヤジ)になりたい」と若い人たちに思ってもらいたいと、「親父の背中プログラム」と名付けました。

 対象は初期研修医2年以上。「Uターンして地域に戻って医療に関わりたい」「開業医を目指したい」「診療科を超えて、幅広い知識やスキルを学びたい」などと考える若手医師です。

 現在、プログラムへの参加を希望する医師を募集中です。プログラムの概要を伝えるワークショップを9月23日(土)、24日(日)に開催します。

 ワークの定員は10人でしたが、反響があり、定員を超える18人が参加予定です。

 益田市匹見町でただ一人の医師として診療を続けている医師中村文春先生の講演や、「親父の背中プログラム」で指導にあたる開業医との座談会などを企画していますので、充実した2日間になると思います。

 今回のワークショップには参加が難しい場合でも、見学などに対応しますので、興味がある方は、ぜひ声をかけてほしいですね。

公益社団法人益田市医師会立 益田地域医療センター医師会病院
島根県益田市遠田町1917-2
TEL:0856-22-3611
http://hp.masuda-med.or.jp/


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

楽採で医師の採用を「楽」に!

博多水引×九州医事新報

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【草水 敏[原作] 恵 三朗[漫画]】
イメージ:今月の1冊 - 73.フラジャイル 病理医岸京一郎の所見
フラジャイル 病理医岸京一郎の所見

Twitter


ページ上部へ戻る