鳥取大学医学部 廣岡 保明 医学部長

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地域医療を守り世界を見据えた研究に注力

【ひろおか・やすあき】 六甲高校卒業 1983 鳥取大学医学部卒業 1992同第一外科助手 1996 米国ピッツバーグ大学移植外科 2007 鳥取大学医学部保健学科病態検査学講座教授 2017 同医学部長

 1945年に設立された官立米子医学専門学校を前身に持つ鳥取大学医学部は、70余年の歴史を持つ伝統校だ。

 医学科、生命科学科、保健学科の3学科を擁し、医師をはじめとした医療専門職の養成のほか、鳥取県のみならず山陰地方の医療を支える。4月に就任した廣岡保明医学部長に、抱負などを聞いた。

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―就任から半年です。

 本学医学部は「生命の尊厳を重んじるとともに、創造性に富む医療人や生命科学者を養成する」を理念に掲げています。

 私の今のミッションを挙げると、一つ目は地域を守る医療人を育てること。これは、大学としても未来永劫(えいごう)、変わることはありません。二つ目は、本学で手掛ける研究を実用化、製品化し、世界に発信するための支援。三つ目は、臨床や研究を頑張っているさまざまな人に、もっとスポットを当て、モチベーションを喚起すること。それらが、私の存在意義だと思っています。

―貴学の特徴などを。

 本学医学部の特徴の一つとして挙げられるのが、生命科学科があることです。他の国立大学にはほとんどありません。

 医学科は医師を養成し、保健学科は看護師と臨床検査技師を養成しています。生命科学科は、研究者を養成する学科。基礎研究を中心に取り組み、それらの実用化に向けて作業を進めています。

 また、生命科学科から発展した研究所「染色体工学研究センター」を持っていることも強みとなっています。

 センターには、日本で唯一の「人工染色体」をつくる技術があり、神経難病などに対する創薬の研究も進んでいます。商品化されるまでは、治験の期間を考えると2年ほどかかると予想されていますが、実現に向けて大いに期待されています。

―附属病院との連携もあるようですね。

 病院内に研究を実用化につなげようという「臨床研究支援部門」がありますので、ここに医学部の研究力も結集しています。

 研究成果が製品につながるきっかけは、病院の臨床現場での「困った」「こんなものがあったら」という小さな気付き。それらを現場の責任者が吸い上げて、研究者に伝え、多くの研究が製品化、販売されています。

 例えば、形成外科と開発した「漏れにくい紙オムツ」、栄養管理部と開発した「病院食用の丼」などさまざまです。

 丼は「病院食でもつくりたての食感を提供したい」と考え、丼本体とふたの間に皿を入れた二層構造にしています。ご飯と具、あるいは麺と汁を別盛りで配膳できるので、食材が混ざらず「麺が伸びていない」「具の食感がそのまま」と好評です。

 また、気管内挿管や内視鏡(胃カメラ)といったさまざまな手技を練習する人型の医療用シミュレーターは、医療関係者から高い評価を得ています。胃カメラの場合、人形の鼻や口から、カメラを胃まで入れます。われわれの開発した医療用シミュレーターは、スコープが間違った所に当たると「おえっ」とむせるような、人間にそっくりの動きをします。

 これらの開発に関わっているのは、多くが鳥取県内の企業です。本学の研究が、地域創生とイノベーションにつながっていることにも、大きな意義があると思います。

―教育面で力を入れていることは。

 知識や技術も大事ですが、それ以上に大事にしているのが「いたわりの心」を持つ医療人の育成。あわせて、きちんとコミュニケーションをとることができる人間になってほしいと考えています。

 このため、医学部のカリキュラムには、手話教育を取り入れています。患者さんには、耳が不自由な方もいます。手話で会話ができれば診療もスムーズでしょう。それだけではありません。手話を通して、社会にはさまざまな障害がある人がいるということを学んでほしいのです。

―課題は。

 卒業生が鳥取県に定着する比率を高めていくことです。

 看護学専攻の場合は、県内や山陰出身者のほとんどが県内に残ります。医学科の場合は、地域枠の入学生がいますので絶対数としては少しずつ増えてはいるのですが、最近は3割程度にとどまっています。

 かつては医学科も定員の半数近くが卒業後も医局に残っていました。最近は県外からの入学者が増えているため減っているのだと思います。とにかく医局に人を残さないと医学部の発展、地域医療も守れません。地道に、本学の魅力を発信していきます。

 卒業生が、本学や他大学の教授になっていくことも、学生が医局に残った場合の、自分たちの将来像を描くモデルになります。これに伴い、大学院の組織力を高めるため、組織改革にも着手しています。

―新たな取り組みは。

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 来年度の開設へ向けて、特定看護師の「指定研修機関」の申請の準備を進めています。実現すれば、今のところ中四国の国立大学では初の養成機関となります。

 特定看護師は、研修を受けることで、38項目のうちの特定の医療行為を実施できます。特定看護師が増えることで、医師の負担減にもつながると思いますし、キャリアアップを目指す看護師にとっても取得は意義があります。鳥取県の場合、特に高齢化も進んでいますが、訪問診療の分野でも役立つので、地域にも貢献できると考えています。

国立大学法人鳥取大学医学部
鳥取県米子市西町86
TEL:0859-33-1111(代表)
http://www.med.tottori-u.ac.jp/


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