「参加者17人から約200人に」
福岡大学病院(福岡市)は、9月9日、第100回「がんセミナー」を福大メディカルホールで開いた。がんに対する最新治療や医療政策などをテーマに月1回程度開催。これまで延べ約5000人が聴講した。
200人余りが参加した100回目の記念セミナーでは、高松泰・腫瘍センター長が「がん治療の未来―抗がん剤治療のこれから」と題して、記念講演。
がんの診断を受けた時点から始める緩和ケアの重要性を紹介。転移がある肺がん患者に抗がん剤治療と同時に緩和ケアを施した結果、抗がん剤治療だけの場合に比べてQOLが高く、生存期間も長くなったとするアメリカでの臨床試験の結果を伝えた。
同病院のがんセミナーは、2007年、同院に腫瘍センターが設立されたのを機にスタート。市民にがん治療に関する正しい情報を伝える狙いで「講演内容は幅広く、分かりやすく」(同大腫瘍センター)を心がけてきたという。
セミナーを担当する腫瘍・血液・感染症内科学の田中俊裕副診療部長は、「第1回は、2007年に施行されたがん対策基本法がテーマで、参加者は17人。10年かけてここまできました」と振り返った。