医療法人順天堂 順天堂病院 福嶋 敬愛 院長

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重症度の高い患者を受け入れる

【ふくしま・たかなる】 久留米大学附設高校卒業2000 久留米大学医学部卒業 同外科学教室入局2004 聖マリア病院 2005 久留米大学医学部外科学教室助手 2006 標津町国民健康保険標津病院外科医長 2010 久留米大学医学部附属病院外科総合外来/乳腺外科外来外来医長 医療法人順天堂順天堂病院 2013 同院長

 70年にわたり、佐賀県南部医療圏の地域医療を支えている順天堂病院。同院の3代目、福嶋敬愛院長に話を聞いた。

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―沿革を。

 母方の祖父、溝上松次が1947(昭和22)年に開設したのが始まりです。

 1955(同30)年には49床の溝上病院とし、1980年には132床に増床。その後、1997年に父・博愛(ひろなる)が理事長に就任しました。

 1999年に病院名を順天堂病院に改め、当地に新築移転。敷地は約1万6000平方㍍、病院建物も玄関に吹き抜けを設けるなど、ゆとりを持った造りです。

 同じ年には高齢化を見据えて介護老人保健施設「敬松苑」、居宅介護支援事業所「順天堂ケアマネジメントセンター」を、隣接地に開設しました。

―地域の医療については。

 佐賀県は、五つの医療圏に分かれていて、当院があるのは南部医療圏。武雄市、嬉野市などを含み、医療圏の人口は約15万5000人です。高齢化率は30.4%(2015年)と全国平均を上回っています。

 南部医療圏の特徴はその病床数の多さです。人口10万人当たりの病床数は2141.63床。全国平均1215.0床を大きく上回っています。

 当院が運営している療養病床は人口10万人当たり660.6床。全国平均は252.28床ですから、かなり多い数です。

 かつてこの町には杵島炭鉱などがあり、人口が多かった1970年代に、病院が多数開業。病床数が一気に増えたと言われています。

―地域での役割を含めて病院の特徴は。

 現在、当院は115床で、すべて医療療養病床です。神経難病など重症度が高い患者さんを受け入れているのも特徴です。医療区分2、3に該当する、患者さんの比率は、95.9%(2017年7月現在)、病床稼働率は98・9%(同)となっています。

 また、人工呼吸器も41台稼働しています。患者さんのほとんどが、慢性呼吸不全や、パーキンソン病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)といった神経難病の方です。

 当地域には重症の患者さんを診る慢性期の病院がほとんどありません。当院が、役割を果たすことで、地域の急性期病院の病床も効率的に機能すると思います。

―慢性期の病院での医師としてのやりがいは。

 もともと、私は外科医です。患者さんを手術して元気に社会復帰させることが、医者の仕事だと思っていました。

 しかし、慢性期の重症患者さんに対する役割は違います。意識がない患者の小さな「反射」に喜びを感じる家族もいる。その思いに応えるのが仕事なのです。

 当院では、人工呼吸器の患者さんも、スタッフの工夫によって週2回の入浴が可能です。ご家族から、「久しぶりにきれいになった」と感動されることも多く、感染症の予防にもつながります。

 私自身が外科医として急性期に携わっている時に感じていたのが、急性期での治療を終えた重症患者を受け入れる医療機関が少ないということでした。

 実際、「順天堂があって助かっている」と、急性期病院の先生に言っていただくこともあります。外科医、脳外科医などがいるからこそできることだと思います。

 幸いにも、ご家族から、「ここに来て良かった」とよく言って頂きます。それが一番のやりがいにつながっているのかもしれません。

―医師として今感じていることは。

 ある先輩から聞いた「一番良い外科医は手術が嫌いで上手な先生」という言葉が心に残っています。

 患者さんにとって怖い手術を「嫌い」だと思う感覚を持ちながら外科医として一流の技術もある。「外科医は腕も大事だが、患者さんの気持ちを忘れないように」という戒めの言葉として心に留めています。

 治療には100%安全なものはありません。合併症のおそれも常にあります。

 「うまくいった」と思った治療にもかかわらず、合併症を起こしてしまう。逆に、厳しい局面を経ても回復する方もいます。

 その差は何かというと、やはり患者さんの生命力なのではないでしょうか。

 「医者はあくまで患者さんを支える存在」であることを基本に、真摯に医療に向き合っていきたいと思います。

―力を入れたいことは。

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 ここでは末期がんの患者の看取りをする機会も多くあります。

 そのため、がんの早期発見や生活習慣病の予防の大切さを感じるようになりました。検診に積極的に取り組むことは国全体の医療費を下げることにもつながります。

 当院には、2人の検診マンモグラフィ撮影認定放射線技師がいますので、乳がんの診断、検診には力を入れていきます。

 十分な設備投資、雇用の促進にも力を尽くしたいと思います。地域への貢献、当院の提供する医療の充実にもつながっていくと信じています。

 人材育成も大切にしたいですね。今後も、看護師には研修や勉強会への参加を積極的に勧めます。

 何か一つでも自信が生まれれば、その人の可能性は広がると思います。たとえ、別の病院に移っても、「順天堂病院から来た人は良いね」と言われるようになってほしいですね。

 社会や医療が抱えるさまざまな問題に、自分なりの意見や危機感を持てるような医療人に成長してほしいと願っています。

医療法人順天堂 順天堂病院
佐賀県杵島郡大町町福母707-2
TEL:0952-82-3161
http://juntendo.or.jp/


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