大阪大学大学院医学研究科救急医学教室 教授 大阪大学医学部附属病院高度救命救急センター センター長 会長 嶋津 岳士

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【10月大阪市】第45回日本救急医学会総会・学術集会 LOVE EM (Emergency Medicine)
―救急への想い―

【しまづ・たけし】 六甲高校卒業 1980 大阪大学医学部卒業 同大学院医学研究科(博士課程)救急医学入学 1981 済生会神奈川県病院医員(外科)1982 大阪大学医学部附属病院(特殊救急部) 1984 米国陸軍外科学研究所(熱傷センター)研究員 1987 大阪大学大学院医学研究科(博士課程)単位取得 大阪大学医学部助手(救急医学) 1989 関西労災病院医長(重症治療部) 1992 大阪大学医学部附属病院医員(特殊救急部) 同医学部助手(救急医学) 1993 同講師(救急医学) 1997 同助教授(救急医学) 2008近畿大学医学部附属病院教授(救急診療部《ER部》) 2010 大阪大学大学院医学系研究科教授(救急医学) 同医学部附属病院高度救命救急センター長

 大阪大学医学部附属病院は1967(昭和42)年、重症救急の専門施設「特殊救急部」を日本で初めて開設。以降「救急医療のパイオニア」としての役割を担ってきた。

 高度救命救急センターセンター長でもある同医学部救急医学教室の嶋津岳士教授に、会長を務める「第45回日本救急医学会総会・学術集会」について聞いた。

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―第45回日本救急医学会総会・学術集会の会長を務めますね。

 10月24日(火)から26日(木)の3日間、リーガロイヤルホテル大阪と大阪国際会議場で開催します。テーマは「LOVE EM(EmergencyMedicine)―救急への想い―」です。

 救急は「きつい」「汚い」「危険」な「3K職場」だと思われがちですし、実際にそういう側面があることは否めません。しかし、生命の危機にひんしている人を助けられるなど、それを補って余りある魅力が救急にはあります。その魅力を若手医師に伝えられるような学会にしたいと思っています。

 魅力を知ってもらうための取り組みとして「救急への想いシリーズ」というプログラムを用意しました。

 これまでの学会では学問的側面からアプローチした演題が多く「救急への想い」といったようなことを発表する機会がありませんでした。

 自分の想いをぶつける場所を求めていた人が多かったのかもしれません。応募者の皆さんの救急に対する熱い想いがこもった抄録を読むと、ついついこちらの方も引き込まれ、熱中してしまいます。

 このプログラムでは「心に残る一例・一言」「若手医師へのメッセージ」「女性救急医の想い」「救急医のアイデンティティー」などについての発表を救急医の皆さんにしてもらいます。

―その他に特徴あるプログラムはありますか。

 1970(昭和45)年は、交通事故によって年間約1万7千人が亡くなりました。

 当時は、国民のニーズとして、交通事故や労災事故による重症多発外傷への対応が求められていたのです。

 しかし2016年の交通事故死亡者数は4000人弱と1970年の4分の1以下にまで減少。労災事故の件数も1961(昭和36)年の48万件強から2009年には10万件にまで減少しています。

 一方で近年増加してきたのが、事故以外の理由で搬送される比較的軽症の患者さんです。

 そのニーズに対応すると目されるのがいわゆる北米型のER救急です。

 現在、救急医療システムの中心となっている救命救急センターは、主に重症の3次救急患者に対応しています。

 これに対してER型救急は重症度、傷病の種類、年齢によらず、すべての救急患者を救急医が診療します。また米国のERでは救急医はERでの診療のみをし、入院診療を担当しないなどの特徴があります。

 今回の学会ではアメリカから5人の救急医をお招きし、北米型のER救急について講演してもらいます。

―ER救急のメリットはどのような点でしょう。

 メリットはいくつかありますが、強調したいのは、臨床教育という点から見てERは非常に優れた環境だということです。

 集中治療型救急システムだと、患者は、重症の方ばかりです。学生や研修医にとっては、ハードルが高いといえるでしょう。しかし、ERでは軽症の人も含めて診療します。

 患者さんの症状から重大な異常を見つけ出す、目の前で倒れた人に適切な処置をする、といった総合的な診療能力を習得できます。

 これらは、どの診療科の医師になるとしても、必要な能力なのではないでしょうか。

―日本型ER構築のために必要なことはありますか。

 これまで、救急医のトレーニングは重症者対象の外科系トレーニングが中心でした。

 しかしERでは軽症の人を含めた幅広い症状の患者さんを診なければなりません。時間的制約を考慮しつつ、幅広い領域に対応できる臨床能力が求められるのです。

 また臨床能力を身につけるとともに、プレホスピタル、ER、外科的治療、集中治療などを包含した学問としての救急医学の体系を習得しなければなりません。臨床能力の向上に理論的な裏づけは必要不可欠なのです。

―ポスターデザインが目を引きます。

 大西光雄講師がアイデアを出してくれました。ポスター左上にドクターヘリ、右下にドクターカーなどのプレホスピタルを担う領域が描かれています。左下には初療室、右上には40年ぐらい前の人工呼吸器が描かれています。

 昔の人工呼吸器は人の顔みたいで面白いですよね。当時の医療界で注目を集めた機械で救急医療の中の集中治療・全身管理の象徴として載せています。

―開催にあたり工夫された点は何でしょう。

 昨年11月に開催された「第44回日本救急医学会総会・学術集会」の会長を務めた日本医科大学の横田裕行教授にアドバイスを求めました。

 横田教授からは「前回は託児所が足りなかったので、多めに用意した方が良い」と言われました。今は男女問わず学会に子連れで参加する人が増えているそうです。子どもさんを安心して預けられる環境が整っていますので、多くの人に来てもらいたいですね。

―最後に会長としての意気込みを聞かせてください。

 当学術集会の初代会長は阪大の恩地裕先生が務めました。私は阪大から4人目の会長ということになります。

 私たちには「大阪こそが救急の発祥地である」という自負があります。この学術集会が日本の救急をより良くするきっかけになればと思っています。

 大阪で始まったものだからこそ変革するのも私たちの役目です。先達の成し遂げてきたことにただ追従するだけでなく、後輩の私たちが救急を変えていく。そうすることが先輩方への恩返しになると思うのです。

第45回日本救急医学会総会・学術集会

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【プログラム】

10月24日 13:10~14:10
特別講演1 厖(ぼう)大化する医療費と救急医療の将来
司会:横田順一朗 演者:印南一路

10月25日 14:10~15:10
特別講演2 疫学研究の醍醐味:ウィルス考古学から洞察する先史モンゴロイドの移動
司会:杉本壽 演者:田島和雄

10月26日 13:10~14:10
特別講演3 人工知能で脳を操作する 司会:横田裕行  演者:川人光男

10月24日 13:10~14:10 招待講演1 演者:Kirkman Emrys
10月25日 13:40~14:40 招待講演2 演者:Tsokos George
13:40~14:40 招待講演3 演者:Vincent Jean-Louis
10月26日 13:10~14:10 招待講演4 演者:Macway-Jones Kevin

10月24日 17:15~17:45 教育講演1 演者:Herveling Harry E.
17:45~18:15 教育講演2 演者:Alfano Joseph
10月25日 11:25~12:15 教育講演3 演者:Fong Tiffany C
14:40~15:10 教育講演4 演者:Hibino Seikei
15:10~15:40 教育講演5 演者:Norii Tatsuya

会期:10月24日(火)~26日(木)
会場:リーガロイヤルホテル大阪、大阪国際会議場
学会HP:http://www2.convention.co.jp/45jaam/
学術集会事務局:大阪大学大学院医学研究科救急医学教室
※救急への想いシリーズは3日間、同一会場で開催。
※教育講演は各30~40分で、合計50講演。 ※託児所は事前に要予約。


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