JA静岡厚生連 静岡厚生病院 水野 伸一 病院長

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愛される病院を目指す

【みずの・しんいち】 東大寺学園高校卒業 1986 名古屋大学医学部卒業 1990 がん研有明病院 1992 名古屋大学第一外科研究員 1995 JA静岡厚生連静岡厚生病院2006 同副病院長 2017 同病院長

 JA静岡厚生連は、静岡県下で遠州病院、清水厚生病院、リハビリテーション中伊豆温泉病院、静岡厚生病院を運営。静岡市や志太、榛原地区をカバーするのは静岡厚生病院。今年4月から同病院を率いる水野伸一病院長に話を聞いた。

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◎歴史ある病院

 1933年に医療利用組合「更生病院」として静岡市鷹匠に開設され、1943年に「静岡厚生病院」と改称されました。その後、1946年に、現在の場所(同市北番町)に移転しました。

 今の建物は1998年に起工し、2003年に完成しています。敷地内での改築でしたので、5年、3期にわたって工事を進め、現在の形になりました。

 病床は、一般病床が170床、回復期病床が95床、全体で265床です。

◎市中心部唯一のケアミックス型

 清水市と静岡市が合併して現在の静岡市となっておりますが、このうちの旧静岡市内には公的病院が、静岡県立総合病院、静岡済生会総合病院、静岡赤十字病院、静岡市立静岡病院、そして当院と五つあります。

 当院以外はいずれも、500床から700床クラスの大型の急性期病院。一方、われわれの病院は265床で、五病院の中で一番病床数が少なくなっています。

 このような環境で、規模の小さい当院が地域でどのような役割を果たすべきかと考えました。その結果、急性期に特化せず、急性期と回復期を持つケアミックス型の病院を目指そうということになり、2007年に、急性期治療を終えた患者さんを受け入れるため、回復期リハビリテーション病棟を立ち上げました。

 ケアミックス型の病院は、当時も今も、静岡市内中心部の病院では当院だけです。

 私たちが、市内の住民や医療機関、介護施設から期待される点は、急性期医療と介護や在宅診療の間をつなぐ役割を果たすことだと考えており、それが、当院の一番の特徴でもあると思います。

 さらに当院の回復期病棟は、365日リハビリを実施。在宅復帰率が90%を超え、東海地区では常に上位の在宅復帰率となっている点も、強みと言えるでしょう。

 ケアミックス型の病院の良さはやはり、一般急性期病棟と回復期病棟の両方を持っていることだと思います。

 他の急性期病院から転院し、回復期リハ病棟に入院した患者さんの病状が急に悪化した場合、回復期病棟単独の病院では治療ができません。

 ケアミックス型ならば一般病棟に転棟して、しっかり治療をした上で、再度、回復期リハ病棟に戻り、リハビリを続けていくことが可能な場合も多々あります。転院せずに治療を続けられることになり、ご家族の負担も減り、患者さんの安心にもつながると思います。

 また、当院はJAの組合員さんの病院でもあります。組合員さんが、当院での急性期の治療を終えた後、引き続き安心してリハビリを受けるためにも、回復期を持つ必要があります。

◎標準医療を確実に提供したい

 診療面では、エビデンスに基づく標準医療を提供するという前院長からの基本方針があります。

 このため、学会発表も積極的にしています。自分のやっていることを発表し、評価をもらうことは適切な医療を提供することにつながります。

 「ワークライフバランス」だけではなく、「ワークライフスタディバランス」が重要だとする前院長からの方針を踏襲して、医師のみでなく全職員が研鑽を積むよう奨励しております。医療者は学ぶ時間を持たなければならないのです。

 急性期治療では、当院の整形外科は関節の手術が得意分野。特に股関節の手術では回転骨切り術や、人工関節の再置換術など困難な症例も積極的に治療しており、人工股関節置換術では静岡県下でも有数の実績を挙げています。

 また、婦人科では、市内では他の施設に先駆けて腹腔鏡下手術をとりいれ、現在も多数の腹腔鏡下手術を行っております。この5月にはFT(卵管鏡下卵管形成術)外来を開設しました。これは、内視鏡を膣から子宮、卵管に挿入し、ここからカテーテルを卵管内に誘導し、狭くなった卵管を拡げる術式です。

 切開をせずカテーテルを挿入するため、低侵襲です。卵管に問題がある女性が体外受精によらない妊娠を目指す方法として期待されています。

 検診等でみつかったがんの手術を当院で受けたいという患者さんからのニーズもあり、外科でもかなり難易度の高い、胆道系や食道の手術も手がけています。大学病院のように先進医療をやると

いうわけにはいきませんが、現在、標準とされる治療を提供できる体制を整え、今後もできるだけ応えていきたいと思います。

◎課題は医師確保と病診連携

 医師確保は、私の今後の課題です。もともと、静岡県は、10万人当たりの医師数は192.77人と全国平均(245.93人)より少ないのです。西は愛知県、東は東京都と都会のはざまにあり、どうしても若い医師がそちらの地域に行く傾向があります。

 それに加えて、当院は市内の公的病院の中で最少規模です。「ケアミックス型だからこそ幅広く学べる」といった具体的な良さを、研修医にもっとアピールしたいと思います。病診連携については、以前から私が担当してきました。特に、医師会とのつながりは大事にしており、顔の見える関係づくりを構築し続けたいと考えています。

◎理念の実現を目指していく

 当院の理念は、「愛される病院を目指します」。前院長を中心に、この理念に決めました。

 患者さん、地域住民、地域の開業医、そして、職員からも愛される病院でありたいという思いが込められています。

 1995年、当院に着任した当時、当院の建物はまだ建て替えられておらず、1970年代にできた建物は、市内で一番古く、お世辞にもきれいだとは言えませんでした。それなのに、たくさんの患者さんが受診されていました。

JA静岡厚生連 静岡厚生病院
静岡市葵区北番町23
TEL:054-271-7177(代表)
http://ja-shizuokakosei.jp/


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