医療法人社団医仁会 ふくやま病院 譜久山 剛 理事長

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循環器疾患を中心に幅広い医療を提供

【ふくやま・つよし】 白陵高校卒業 1994 長崎大学医学部卒業 1995 神戸大学消化器外科 1999 医療法人社団医仁会ふくやま病院 2004 同院長 2017 医療法人社団医仁会理事長

 1974年に有床診療所として開設したふくやま病院。昨年11月に念願の移転、新築を果たした。

 建築前から、地域住民の意見を聞く場を設け、住民を病院づくりに積極的に巻き込んだ。その狙いや地域への思いを譜久山剛理事長に聞いた。

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―1年間、ワークショップなどの手法で、住民の意見を聞かれたそうですね。

 病院の移転、新築を決めたものの、旧病院から新病院までは直線距離で約10分、距離にして約3kmほど離れることになりました。

 最寄り駅もJR西明石駅から、山陽電鉄西新町駅に変わりました。これまでとは違うエリアを対象とすることになり、不安も感じていました。

 病院という業種は、その地域に根差して成り立つ業界です。もともと、地域の問題は、われわれ病院の課題でもあるのでは、と思っていました。地域住民の方は今、何に困っているかをまず知りたいと思ったのです。

 しかし、いざ住民に話を聞くといっても、どういった方法で進めていいのかがわかりません。

 そこで、思いついたのが外部の方からアドバイスをもらうこと。5〜6年前に、全日本病院会兵庫県支部の若手組織「ヤングフォーラム」のセミナーを通じて知り合った、コミュニティーデザイナーの山崎亮さんにお願いをしたいと思ったのです。

 山崎さんは、全国各地で、地域の抱える問題などを、行政や企業、そして地域住民を巻き込んで解決してきた方。第三者の立場として、われわれと、地域を結び付けてくれると思いました。

―具体的な進め方は。

 住民の話を聞く前に、病院職員全員に話を聞くことから始めました。

 われわれの病院の強みや弱点を知り、新しい地域でやりたいこと、やれることを職員同士が、まずは確認し合う。その上で、住民の意見を聞いた方が、具体的な話もできると思いました。

 職員からは、「足湯があったらいい」といった、ユニークな意見をはじめ、かかりつけ医としての機能強化、当時当院で増えつつあった「緩和医療に本格的に取り組みたい」といった声も聞かれました。管理者側の意見とは、大きくかい離することがなかったのは印象的でした。

 病院名の変更についての意見も出ました。移転、新築前は、漢字の「譜久山病院」でしたが、「読みにくい」「パソコン入力時1回で変換できない」「説明しづらい」といったいろんな意見があり、驚かされることもありました。

 私としては、それであれば、いっそ病院名の変更も検討すべきだと判断。家族の反対もありましたが、最終的には職員の投票に委ねることになりました。

 結果、85%が名前の存続に賛成。ただし、「ふくやま病院」と、平仮名での表記で進めていくことになりました。

―地域の方に対しては。

 町内会長などを通して住民のみなさんに声をかけていただき参加者を募りました。会場はコミュニティーセンターや公民館。住民を少人数の班に分け、ワークショップ形式で進めました。ワークショップには当院の職員も参加しました。

 このエリアには、これまで病院がなかったので、「どんな病院が欲しいか」「病院が地域のために何かお手伝いできないか」そんな質問を通じてヒアリングを進めました。

 すると、もともと明石川に近いという環境もあり地域住民の多くが、災害に対する不安を抱えていることが判明。「災害に強い病院」「災害時に助けてくれる病院」「数日間は病院でしのげないか」といった声が多くありました。

 これを受けて、耐震構造を取り入れた「潰れない病院」に。さらに災害時には多くの方が避難でき、日頃は住民が活用できるようにと「コミュニティホール」を設けました。

 今年8月、明石市内の企業など4、5カ所が、市と防災協定を結ぶことになり、当院もその一つに選ばれました。協定を結ぶと、備蓄品も市から提供されるようなので、住民の方も、より安心して暮らせると思います。

―今後どのような病院運営を目指しますか。

 104床のうち、緩和ケアが20床、58床が急性期です。年内に、介護療養型病床26床をどう転換するかが課題です。

 また、旧病院跡地では内科クリニックを開設。隣接地には通所リハ、訪問看護ステーションなど在宅サービスの提供の拠点も設けており、今後は在宅部門にも力を向けていきたいと考えています。

 当院のキャッチコピーは「『また来てね』と言える病院」。在宅部門は、「家が一番と言える在宅」です。

 どちらも、これまでのいわゆる病院や在宅への考え方には反するかもしれません。

 しかし、地域住民のみなさんが、具合が悪くなくても、図書コーナーにふらっと立ち寄ったり、トイレを借りてみたり、時には涼みに来たり。特別な時に利用するのではなく、日々の生活を支えるような、そんな病院を目指したいと思っています。

 普段から、気軽に立ち寄れる病院であれば、必要性がある時には、抵抗なく受診できると思います。

 「果物や野菜などが収穫できる、『食べられる庭』を作ろう」というアイデアも出しました。オリーブ、レモン、サツマイモ、トマト、バジルなど1階の敷地や屋上庭園にいろいろな植物を植えています。

 この秋、初めてサツマイモの収穫を迎えます。患者さんや地域の方と一緒に収穫を楽しみたいですね。

医療法人社団医仁会 ふくやま病院
兵庫県明石市硯町2-5-55
TEL:078-927-1514
http://www.fukuyama-hp.jp/


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