地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター 太田 三徳 院長

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4月に病院名変更
地域医療へのさらなる貢献を

【おおた・みつのり】 1982 大阪大学医学部卒業 同附属病院研修医 1983 大阪厚生年金病院外科医員 1986 大阪府立羽曳野病院外科医員 1988香川医科大学助手 1990 国立療養所刀根山病院外科医員 1999 大阪大学医学部(外科学第一)2004 同呼吸器外科科長 国立病院機構近畿中央胸部疾患センター呼吸器外科医長 2006 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター呼吸器外科医長2008 同副院長 2015 同院長 2017 大阪はびきの医療センター院長

 大阪はびきの医療センターは、「大阪府立結核療養所羽曳野病院」として、1952(昭和27)年に開院。

 結核患者の減少に伴い、1976(同51)年に「大阪府立羽曳野病院」に改称。「大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター」という名称を経て、今年4月に現在の「大阪はびきの医療センター」となった。

 太田三徳院長にセンターの特徴について聞いた。

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◎医療ニーズの変化に伴い

 他県は、県立病院が基本的に一つだけで、そこが地域の総合病院の役割を担っています。

 しかし、大阪府には「大阪急性期・総合医療センター」「大阪精神医療センター」「大阪国際がんセンター」「大阪母子医療センター」、そして当センターという五つの府立病院があり、総合病院的な機能は大阪府急性期・総合医療センターが有し、他センターは、それぞれ専門に特化してきました。

 当センターは320床の結核療養所としてスタートし、その後、結核病床は800床まで増加しましたが、結核患者の減少に伴い、徐々に一般病床へと病床機能を転換してきたという経緯があります。しかし、いまだに大阪府の結核患者数は多く、薬剤耐性結核も少なくはないので、感染症内科の病床数は60床と2病棟を使っています。

 この度「呼吸器・アレルギー医療センター」から名称を変更したからといって、この領域の診療をやめるわけではありません。ただ呼吸器・アレルギー医療センターというと、どうしても、その領域に特化した病院だと受け取られがちです。

 しかし、私たちは呼吸器疾患とアレルギー疾患以外に、地域医療として一般内科、外科、産婦人科も担っているので、今回の名称変更は、それを世間に広く知ってもらうという意味合いが多分にあるのです。

◎重症呼吸器疾患のケア

 呼吸器内科では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎などの、びまん性肺疾患、肺感染症、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな呼吸器疾患の診断と治療をしています。

 また病態に応じて呼吸リハビリテーションから、在宅酸素療法、在宅人工呼吸器療法、呼吸器集中中治療まで、多数の患者さんに幅広い呼吸管理を実施しています。

◎最先端の内視鏡を導入

 肺がん診療ではCT、MRI、気管支鏡などが診断に用いられています。

 特に気管支鏡検査では、蛍光気管支内視鏡により通常の気管支内視鏡では診断しにくい肺がんでも、患部の特定と診断が可能になっています。

 治療では、抗がん剤、放射線、手術を組み合わせた集学的な治療を実施しています。6月には最新の放射線治療装置(リニアック)が稼働をはじめたので、さらに精密で負担の少ない治療が可能になっています。

 呼吸器外科では肺機能が低下している患者さんが多いために、肺機能を温存する外科的治療をしています。年間に肺がん、感染性肺疾患、気胸、縦隔腫瘍など300例以上の手術のうち約70%に対し内視鏡手術を適用しています。肺がん手術は昨年度162例実施しました。

◎アレルギー疾患についての正しい知識を

 これまでは重症の気管支ぜんそくの患者さんが多かったのですが、最近増えているのは食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の患者さんです。

 小児科では、食物アレルギーの原因食物の特定と食べられる量、症状をはっきりさせるために、日帰りで食物チャレンジテスト(経口負荷試験)を実施、原因食物の除去量を決定しています。

 さらに当センターでは除去食療法だけでなく、原因食物を少量ずつ摂取してもらい、アレルギーへの耐性をつける経口免疫療法という治療をしています。また保護者を対象に、管理栄養士による調理実習、試食などの教室を年に5回開催しています。

 皮膚科では、特にアトピー性皮膚炎の治療に力を入れています。

 アトピー性皮膚炎治療においては患者教育が不可欠です。当センターでは、乳幼児の保護者には外来でアトピー教室を開いています。

 小中学生には夏休み期間中に2週間入院する「アトピーサマースクール」を、高校生以上には「アトピーカレッジ」という取り組みで治療と教育をし、アトピー性皮膚炎について正しく理解していただくと共に、外用薬の使用法を指導して、退院後も良い状態で過ごせるようにしています。

◎耳鼻咽喉科を開設

 この春、病院名を変更したのと時を同じくして、耳鼻咽喉科を開設しました。

 耳鼻咽喉科領域におけるアレルギー疾患を専門的に治療しています。特に好酸球性副鼻腔炎に対してナビゲーションを使用した副鼻腔内視鏡手術を多数施行。その他、副鼻腔炎、中耳炎、難聴、めまい、扁桃炎など、耳、鼻、のどの診断、治療、 手術を実施しています。

 当医療圏には、これまで耳鼻咽喉科の手術ができる施設が近畿大学医学部附属病院しかありませんでした。地域に不足している診療科を開設することで、医療機関との地域連携に貢献し、府民の要望に応えることができたと考えています。

◎啓発活動の成果が

 女性の疾患にも力を入れています。当院の乳腺センターは、2013年に開設。以来、乳がん検診の啓発活動に力を注いできました。日本乳癌(がん)学会の認定施設で、昨年度は約70例の乳がん手術を実施しました。

 婦人科腫瘍では悪性、良性を問わず、年間約200例の内視鏡下手術をしています。

 また、この医療圏にはお産ができる施設が少なく、当院が地域の産科医療も担っています。最近では年間約1000例の分娩(ぶんべん)を手がけています。

 循環器内科では虚血性心疾患をはじめとする心臓疾患にカテーテル治療を施行しているほか、心不全や肺循環を含めた循環器疾患全般の診療をしています。

 「息が苦しい」と言って呼吸器内科に来られる患者さんが、実は心臓の病気だったということがあるので、循環器内科の存在は重要なのです。

 また小児科では人工呼吸器を装着した重症心身障害児のレスパイト入院を実施しています。利用者の要望に応じて、1泊〜1週間の入院を受け入れています。

◎花粉症緩和のために

 当院の臨床研究センターでは、診療科・検査科・感染対策チームと連携し「医学と医療の進歩への貢献」を目標とした活動をしています。

 昨年から花粉症の方を対象にした「スギ花粉症緩和米の臨床研究」を開始しました。農林水産省が開発した「スギ花粉症緩和米」を一定期間食べていただき、花粉アレルギーへの耐性をつくり、症状を緩和させることが狙いです。本研究によって花粉症で悩む人が少しでも減ることを願っています。

◎地域住民の健康増進に貢献したい

 2カ月に1回、地域の方々に向けた市民公開講座「羽曳野からだ塾」を当センターの会議室で開催しています。7月には「白内障手術について」をテーマに、当センター眼科医長などに講演をしてもらいました。参加者は80人を超えて、盛況でした。

 また市との共催で、毎年2月に開催するはびきの健康フォーラムでは健康や病気についての講演会を開催。今年は「市民のための食育」をテーマに200人以上の市民が参加しました。

 また毎年10月には「羽曳野市ふれあい健康まつり」に参加しています。

 今後も情報発信を続け、地域の方々の健康増進に寄与していきたいですね。

地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター
大阪府羽曳野市はびきの3-7-1
TEL:072-957-2121(代表)
http://www.ra.opho.jp/


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