京都山城総合医療センター 中井 一郎 院長

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全職員が一致団結
「山城魂」で地域のニーズに応える

【なかい・いちろう】 京都府立福知山高校卒業 1980 京都府立医科大学卒業 同附属病院研修医(第二外科) 1982 愛生会山科病院医員(外科) 1984 京都府立医科大学附属病院修練医 同助手(第二外科) 1988 米国ミネソタ大学外科Researchfellow~Visiting prof.  1991 京都府立医科大学医学部助手(第二外科) 1998 同講師(第二外科) 2000 医療法人大澤病院副院長 2004 公立山城病院(現:京都山城総合医療センター)乳腺内分泌外科部長 2007 同副院長 2013 同院長

 京都山城総合医療センターは京都南部地域の中核病院で、急性期医療を担っている。

 中井一郎院長に今後の展望を聞いた。

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◎医療圏の現状

 当院がある山城南医療圏は京都府の最南端に位置しています。

 西部は宅地開発により人口が増加中ですが、東部は高齢化が進んでいます。

 西部の木津川市の高齢化率が23.1%、精華町は20.8%。一方、東部の笠置町の高齢化率は44.6%、南山城村は40.6%(2015年3月末現在)です。

 このように同一医療圏内に高齢化率が高い地区と低い地区が併存しているので、高齢者医療から小児、産婦人科まで、幅広い世代を対象にした医療を提供する必要があります。

◎地域の急性期を担う

 厚生労働省は地域包括ケアシステムの構築を進めています。昨年の診療報酬改定では7対1一般病棟の重症度、医療・介護必要度に該当する患者割合15%から25%に引き上げられました。それにより多くの病院で病床稼働率が低下。急性期病棟からの転換を余儀なくされた病院も数多くあります。

 当院は重症患者割合30%を維持して今後も急性期病院としての機能を維持・拡大していく予定です。

◎現状に即した地域包括ケアシステムの構築を

 今後、急性期病院としての機能を充実させていこうと考えた時、地域の医療ニーズをくみとり、それに応えていくことが必須になるでしょう。

 そこで、この地域の地域包括ケアシステムにおいて当センターが果たすべき役割について、地域の医療・介護施設だけでなく、社会福祉法人、民間事業者、地域包括支援センター、行政などから意見を聞いています。

 そこで得られた意見、ニーズを基に、当センターの役割を再確認。また、この地域ならではの地域包括ケアシステム「山城モデル」構築のための参考資料にしています。

◎選ばれる病院に

 患者さんから選ばれる病院になるためには他の病院に負けない良質な医療を提供しなければなりません。そうは言っても全診療科にトップクラスの医師をそろえることは事実上、不可能です。そこで当センターでは、京都府立医科大学などから医師を派遣してもらい、手術を執刀してもらっています。

 私たちが持っているコネクションをフル活用し、そのシチュエーションにおいて最良だと思われる医師に来てもらっています。地域のみなさまに良質な急性期医療を提供できていると思います。

◎管理型臨床研修指定病院に

 2004年の新医師臨床研修制度の導入当初、研修医が1、2人しか集まらなかった苦い過去があります。

 しかし、ここ数年は6人の定員に対し、フルマッチが続いています。また今年、管理型臨床研修病院に指定されましたので、研修医の枠が2人増えて8人になりました。

 来年度には新専門医制度がスタートします。当センターは日本内科学会から基幹施設にも指定されています。

 当センターは、ほかの病院より実践的な研修をしているのが特徴です。年間約3000台の救急車を受け入れている救急医療では、1次〜2次救急を経験できます。また気管挿管や中心静脈栄養(IVH)なども経験できます。

 優れた表現能力、研究能力を有する医師を養成するため、学会、研究会に積極的に参加し、発表をしてもらってもいます。

 優秀な医師とそうでない医師との最大の違いは、表現力の差だと思います。医師とは人を相手にする職業です。看護師や患者さんにいかに分かりやすい説明ができるか、いかに自分の思いを相手に伝えられるか。それが医師にとって非常に大事なスキルなのです。

◎あいさつの意味

 当院の7月の目標は「あいさつ」です。あいさつとは単に相手に「おはよう」ということだと、捉えている人が実に多い。しかし、そこに込められた意味を考えなければなりません。

 「おはよう」とあいさつを交わしあうことは職員同士が「業務で何か困ったらことがあったら相談してくれ。協力する」という条約を締結することと同義だと私は考えます。

 朝「おはよう」とあいさつしたにも関わらず相談をしにくい、または相談にのらない。そんなあいさつは形だけのもので何の意味も持たないのではないでしょうか。

◎気持ちを一つに

 スローガンは「和気あいあいと、より良き医療を目指そう」です。職員同士の仲が良く、チームワークが良好だと患者さんも病院にいて心地良い気分になってくれると思うのです。それが治療成績にも影響するかもしれません。

 だから患者さんの前で先輩職員が後輩職員を叱るようなことをしてはいけない。患者さんがいない場所でしなさいと言っています。

 病院の主役は、あくまでも患者さんです。患者さんを不快な気持ちにさせるような行為をしてはなりません。

 各部署にはゆっくり仕事をする人、てきぱき仕事をする人、有能だが家庭の事情や子育てに時間を費やさなければならない人など、さまざまな人がいます。お互いの立場や事情を理解し「和気あいあい」とした雰囲気の職場にすることが目標です。

 今では職員から「和気あいあいとがんばりましょう」と声をかけられることもしばしばですね。

◎山城魂

 当院を象徴する言葉に「山城魂」があります。困難なことがあった時、この病院の全職員が一致団結して苦難を乗り越えていく様子から、私が名付けました。

 山城魂の具体例を紹介しましょう。ある日の朝、病院が停電になりました。すると職員全員に当たる約250人が、患者さんの朝食約300食分をバケツリレー方式で厨房から各病室まで運んだのです。すごい結束力でしょう。

 別のエピソードもあります。中庭が見える病室に入院していた患者さんがいました。その方が、意識を失ってしまったのです。

 患者さんは後日、無事に意識を取り戻しました。私たちは、その方のために医療以外で何かできることはないかと考えました。そこで、ふと患者さんの病室から外を見ると、中庭の草が生い茂っていたではありませんか。私は「意識が戻った時に、この状態だと申しわけない」と感じ、就業時間後に草むしりをすることを提案しました。

 私が中庭に出向いたとき、そこには100人余りの職員が集まっていて草むしりを手伝ってくれたのです。とても印象深かったですね。

 組織や集団が心を一つにするための方策に標語の設定があります。当センターも「山城魂」のもと、全職員の心を一つにして着実に前進していきたいと考えています。

京都山城総合医療センター
京都府木津川市木津川駅前1-27
TEL:0774-72-0235(代表)
http://www.yamashiro-hp.jp/


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