一般社団法人 是真会 長崎リハビリテーション病院 栗原 正紀 理事長

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回復期=生活の再建・地域への準備期間

【くりはら・まさき】 1978 長崎大学医学部卒業 同附属病院脳神経外科学教室入局 1985 米国国立衛生研究所研究員1990 長崎大学脳神経外科講師 十善会病院脳神経外科部長 1995 同リハビリテーション科部長兼務 1999 同副院長2001 近森リハビリテーション病院院長 2006 一般社団法人是真会理事長 2008 長崎リハビリテーション病院院長

 一般社団法人是真会長崎リハビリテーション病院は今年で開院10周年。開院以来、急性期と在宅を結ぶ回復期リハビリテーションを提供している。

 栗原正紀理事長に今後の取り組みなどを聞いた。

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◎次の10年に向けて

 長崎リハビリテーション病院は開院して10年が経ちました。今後、これまでの10年を検証し、得た教訓を次の10年に、どう生かしていくかを考えていく必要があります。

 今から、この10年で医療の質が高められたかどうかの検証に取りかかる予定です。職員の知識、スキルは向上しているか、その結果、退院した人たちが、地域で充実した生活を送ることができているかの検証をしようと思っています。

◎急性期と在宅のかけはしに

 私たちが担っているのは急性期と在宅の間である「回復期」です。

 急性期治療を終えた患者さんに対して、多くの専門職がチームとなり、リハビリテーションを提供します。

 障害を克服して退院。在宅に戻ってからも介護施設や地域と連携を密にして患者さんが住み慣れた場所で安心して生活ができるための支援をしていきます。

 急性期と在宅生活期のかけ橋としての役割を果たし、地域医療に貢献することが、わたしたちに与えられた使命なのです。

◎医科歯科連携

 高齢者のQOLを保つためには、自分の口で食べ物を食べられるかどうかがとても重要です。

 入院患者さんの口腔ケア・口腔機能の向上を図るためには医科歯科連携が重要な鍵となるのですが、全国的にみても、まだまだ進んでいないのが現状です。

 当院では長崎市歯科医師会との間で歯科診療オープンシステムを構築しています。

 このシステムは、当院の歯科衛生士が患者さんの口腔内を評価。治療の必要があれば、歯科医師会の登録歯科医に訪問を依頼。診療・治療をしてもらうものです。

 口腔ケアを怠ってしまうと誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが増大してしまいます。高齢社会における医科歯科連携は今後、もっと必要になってくると言えるでしょう。

◎在宅医療にも関与

 2015年、病院敷地内に「通所リハビリテーション銀屋通り」を開設しました。

 それまで、当院の職員は院内の患者さんばかりに目が行きがちでした。退院した人の地域での生活を具体的にイメージすることは、ほとんどできていなかったのです。

 しかし通所リハビリテーション施設が併設されたことで、リハビリに通ってくる在宅の患者さんの様子が分かるようになりました。自分たちの仕事が患者さんの在宅での生活にどうつながっているかがイメージしやすくなったのではないでしょうか。

 今後は介護予防、訪問リハビリなどを積極的に提供していきたいと考えています。

◎回復期リハに注力

 当院はJR長崎駅から徒歩約20分という市街地にある病院です。周囲に数多くある高度急性期病院と連携することで、われわれは回復期リハビリテーションに専念できるという強みがあります。

 回復期リハビリテーション病棟の施設基準は13対1ですが、当院では10対1を敷いています。また病棟ごとに管理栄養士とメディカルソーシャルワーカーを2人配置、歯科衛生士は1人配置しています。

 「必要最低限の人員だけを配置すれば良いのに」と思う人もいるでしょう。しかし、これぐらいのマンパワーがないと、すべての患者さんに良質なリハビリテーションを提供できないのです。

 それを考えると、やはり急性期と回復期病院が、はっきりと機能分化することが地域にとって必要なことだと思うのです。

◎スムーズな在宅移行のために

 当院の患者さんは昼間、寝間着を着ません。また、医師は白衣を着ていません。町で日中、寝間着姿で歩いている人はいないし、町なかで白衣を着た医師を目にする機会もあまりないでしょう。

 あくまでも回復期は地域生活を再建する場なのです。スムーズに在宅に移行させるために当院では患者さんに「病院にいる」ということを意識させない工夫をしています。

◎合併症に配慮

 若い人と高齢者のリハビリは色合いが異なります。高齢者は合併症があることが多く、例えば心臓疾患のある人、慢性の呼吸器疾患の人などには強い負荷がかけられません。

 また当院では、患者さんを抑制しません。認知症の患者さんと看護師や介護福祉士が一緒に歩いているのは日常の光景です。

 これからは患者さんの障害のみに目を向けるのではなく、その裏にひそむ合併症を見逃さず、患者さんを全人的に診る総合診療医的な役割がわれわれには求められています。

◎JRATの活動

 私は大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(JRAT)の代表を務めています。

 JRATでは東日本大震災のリハビリテーション支援関連の13団体を統括しています。

 東日本大震災では、長い避難所生活で約3600人の方が災害関連死しています。それを防ぐためにJRATでは介護予防や早期自立支援を目指した災害リハビリテーションなどをしています。

 7月の九州北部豪雨災害では被害の大きかった大分県日田市で大分JRATが活動しました。

 災害というとDMATやJMATが頭に浮かぶ人が多いでしょう。しかし、超高齢社会において長い避難所生活で寝たきりになる人を生まないためにもJRATが存在する意義はとても大きいと言えます。

 JRATはまだ知名度が十分とは言えないかもしれません。存在を知ってもらうために、これからも地道に広報活動をしていかなければならないと考えています。

一般社団法人 是真会 長崎リハビリテーション病院
長崎市銀屋町4-11
TEL:095-818-2002
http://www.zeshinkai.or.jp/


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