国立病院機構 大牟田病院 川崎 雅之 院長

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特色ある病院を目指す 軸を守り、新たな展開も

【かわさき・まさゆき】 福岡県立京都高校卒業 1986 広島大学医学部卒業 九州大学医学部呼吸器科(胸部研究疾患研究施設)入局 2000 九州大学医学部講師 北九州市立医療センター呼吸器科部長 2004 福岡東医療センター呼吸器科医長 2005 同センター呼吸器科部長2011 国立病院機構大牟田病院呼吸器科部長 2012 同病院統括診療部長 副院長 2017 同院長

 地域医療構想策定、地域包括ケアの推進、2018年に控える診療報酬・介護報酬改定...。病院運営は難しさを増している。

 4月、国立病院機構大牟田病院のトップに就いた川崎雅之院長が目指す病院像とそのための取り組みは。

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◎「ちょっと変わった病院」として生きる

 炭鉱で栄えた大牟田市の最盛期の人口は、1959年がおよそ21万人。今は12万人を切り、65歳以上の高齢者の割合は35.1%に上ります。

 病院数も多く、地域医療構想では大牟田市を含む有明二次医療圏は、急性期、慢性期を中心に約1000床過剰だと言われています。

 「普通」のことをしていても、この病院に未来はない。そこで、私たちは特色ある病院として生き残ろうとしています。「ちょっと変わった病院」を目指す、と言ってもいいと思います。

 当院の診療の柱は、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、結核などの呼吸器疾患と、神経難病、筋ジストロフィーといった難治性神経・筋疾患の専門的医療。さらに地域の認知症診療の中核的役割と、重症心身障害児(者)の専門的療育も担っています。

 病床数は、大牟田市内で最も多い402床。神経難病、筋ジストロフィー、重症心身障害といったセーフティーネット系医療の患者さんが3分の2ほど。3分の1を呼吸器疾患の患者さんが占めています。

 神経難病の患者さんは県下全域から、呼吸器はこの病院がある有明二次医療圏から来ます。神経難病の患者さんの数は少しずつ減少していますが、呼吸器疾患は、高齢化の影響もあり増加傾向です。

 この軸となる部分は守りながら、今、新たな分野も開拓しているところです。

◎膠原病外来と医療機器共同利用

 当院は2004年、国立病院等再編計画により、旧筑後病院と統合しました。

 2011年に福岡県認知症医療センターの指定を受け、2015年3月には感染症病床2床(第2種)を新設。同4月には膠原病内科外来を開始しています。

 膠原病内科外来を訪れる人はリウマチの患者さんが主。週2日の外来を非常勤医2人が1日ずつ担当しています。近隣で膠原病の診療をする医療機関が減ったこともあり、患者数が右肩上がりに増加しています。

 医療機器の共同利用も積極的に進めています。CT(64列)、MRI(3テスラ)、RIの3種の医療機器を揃え、開業医の先生から依頼があった患者さんを検査。画像データに検査報告書を付けて、原則、検査日に紹介元の先生にお渡ししています。

 機器の共同利用自体は、珍しいことではないでしょう。当院の強みは、読影医が2人いるため、見逃しのリスクが下がるということと、当日報告書が出せるという点です。

 MRIは、認知症の疑いがある方に対しての依頼が増えています。RI検査は、さまざまな種類の中で特に「骨シンチ」のオーダーが多く、前立腺がんの骨転移の有無を調べたい泌尿器科の先生からの依頼が中心。CT検査にはあらゆる診療科の先生から予約が入っています。

◎特化と機器整備で学べる環境に

 この病院は、医師が福岡市内から通いやすいという点で人材確保に有利です。

 九州新幹線「新大牟田」駅から約2km、西鉄「倉永」駅からも1km余り。駅からは自転車という人が多いですね。

 夜間は当直医対応で、呼び出しで疲弊することもない。勤務時間外の生活のクオリティーが維持できるという点でも、人気があるのだと思います。

 「特化している」というのも、医師にとって魅力でしょう。当院にいる20人余の医師のうち、10人が呼吸器内科医。結核を含むあらゆる呼吸器疾患を診ることができます。

 医療機器が充実しているのも特徴です。CT、MRI、超音波内視鏡...。気管支鏡にはナビゲーションシステムも取り入れました。

 医師など職員にとって勉強になる環境を整備することも意識しています。

◎2018年度電子カルテ導入へ

 夢は建て替えです。病院建物の中には、耐震基準はクリアしているものの築40年を超える病棟もあります。

 しかし、2020年の東京五輪を背景に建て替えの試算が通常時の1.5倍から2倍にまで高騰。2018年の診療報酬・介護報酬同時改定による影響も見通せない状況ということもあり、建て替えの話が進みません。

 ただ、2018年度に電子カルテを導入するめどは立ちました。今の若い医師は電子カルテに慣れていますし、電子カルテを希望する人も多い。情報共有のしやすさやバックアップの取りやすさという点だけでなく、人材確保という意味でも、電子カルテを入れる意味は大きいと思います。

◎最終的には「親切さ」

 この病院は大牟田市中心部に住む患者さんにとって通いにくい場所にあります。病院前のバス停に止まるバスの数が減らないように、院長になってすぐ、バス会社にあいさつにいきました。

 病院前の花壇やプランターの花は地元の高校生が整備してくれました。年に1回、秋に開催する病院祭にも高校生が来てブラスバンドの演奏などを披露してくれます。

 ここは500床を超えるような大規模病院ではありません。しっかりとした医療を提供し、信頼される病院であるとともに、地元の人に親しまれる、ほのぼのとした病院でもあり続けたい。職員には、「患者さんへの優しさ」という基本を、より追求してほしいと思っています。

独立行政法人 国立病院機構 大牟田病院
福岡県大牟田市橘1044-1
TEL:0944-58-1122(代表)
http://www.oomuta-h.com/


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