【眼科特集】高知大学医学部 眼科学講座 福島 敦樹 教授

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眼科アレルギー分野のメッカを目指す
4月に日本眼科アレルギー研究会理事長に就任

【ふくしま・あつき】 土佐高校卒業 1990 高知医科大学卒業 1993 米国国立眼研究所免疫学部門留学 1994 高知医科大学大学院修了 1996 同眼科学教室助手 1998 米国国立眼研究所免疫学部門留学 2000 米国ジョージア医科大学分子医学遺伝学研究所留学 2004 高知大学医学部眼科助教授 2007 同准教授 2008 同教授

 高知大学医学部眼科学講座は1981(昭和56)年、高知医科大学眼科学講座として開講。2003年の高知大学との統合を経て、現在に至っている。3代目教授の福島敦樹教授に話を聞いた。

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◎新専門医制度のスタートに向けて

 2004年に新医師臨床研修制度が導入され、それを境に眼科医が激減してしまいました。

 その要因の一つには眼科が初期研修の必修に入っていないことが挙げられます。

 この制度は、医師の地域偏在を招くことにもなりました。東京や大阪などの大都市に医師が集中してしまい、高知県のような地方都市には人が集まらなくなったのです。

 しかし、2、3年前から状況が好転しつつあります。徐々に初期研修で当科を選択してくれる人が増え、今年は10人。若手が増えて、医局も活気づいてきました。もう数年すれば、かつてのような勢いを取り戻せるのではないでしょうか。

 来年度から新専門医制度がスタートします。当初の予定では、日本専門医機構が専門医認定のイニシアチブを握ることになっていました。

 しかし、その後、1年実施が先延ばしされ、眼科専門医制度は従来と大差ない方針に変わりました。

 昨年度から、新専門医制度に合わせた研修カリキュラムを準備しています。一昨年度以降に入局してくれた人を対象に、そのプログラムに準じ、予行演習のような形で研修をしています。きっとスムーズに移行できると思います。

◎幅広い領域から選択が可能

 当教室は自由度が高い教室だと思います。ぶどう膜炎、アレルギー性結膜炎、網膜硝子体疾患、角膜疾患、白内障、緑内障などの各領域から、自分が興味ある分野を選択できます。

 また母体が小さいこともあり、数多くの手術を経験することもできます。

 広島県福山市にある三好眼科、兵庫県姫路市にあるツカザキ病院は、当院の連携施設です。眼科手術件数は三好眼科が年間約3200件、ツカザキ病院が約7500件と、とても多い病院です。希望すれば、それらの病院で研鑚(さん)を積むことも可能です。

 高知県内に目を向けると高知医療センターが連携施設です。(高知市)

◎地域医療に貢献

 高知市にある町田病院は、年間手術件数約5400件の症例数を誇る眼科専門病院です。

 私たちと町田病院が高知県の眼科医療の両翼を担っていると言っても差し支えありません。

 私たちは難治性眼科疾患と眼科の最先端医療、町田病院は白内障、網膜硝子体手術などを中心とした治療をしています。今後も町田病院と共存共栄してくことが高知県の眼科医療にとって大事だと思います。

 高知県は、医師の地域偏在が著しい県です。東西に長い高知県の西から東まで当教室から医師を派遣し、地域医療に貢献しています。

◎世界をリード

 4月に日本眼科アレルギー研究会の理事長に就任しました。

 同研究会は、5月に日本眼科学会に学会として認定していただきました。秋ごろには「日本眼科アレルギー学会」として活動を開始する予定です。

 当教室ではアレルギー・免疫の研究と臨床に力を入れていて、看板とも言える領域です。

 先日もフィンランドのヘルシンキで開催されたアレルギー関連の学会に当教室から医局員が参加しています。アレルギー・免疫関係の研究で、世界をリードしている存在だと胸をはって言えます。

 今後も国内外に情報を発信していきたいと考えています。いわば"眼科アレルギーのメッカ"のような存在になるのが目標ですし、そんな教室をつくっていくことが、私に与えられた使命だと思っています。

◎風通しの良い教室

 教室はアットホームな雰囲気ですね。何よりも大切にしていることは、個々人が思っていることを表に出せる環境をつくることです。

 たとえ、目上の人間であろうと教室員が意見を言いやすい風通しが良い教室運営を心がけています。

 決して教室員に無理強いするようなことはしていません。甘いと思われる方もいるかもしれませんが、とにかく自由闊達(かったつ)な雰囲気の教室でありたいと思っています。

◎医療に専念できる環境を

 2000年にアメリカのジョージア医科大学に留学しました。その時に欧米と日本では働き方に大きな違いがあることに気づかされました。

 日本では、長らく長時間労働が美徳だとされてきました。しかし、その考え方はアメリカ人からは「ナンセンスだ」と言われました。

 欧米では効率よく仕事をすることが評価され、実際、仕事ができる人ほど早く帰っていました。

 仕事がどうしても終わらずに早く帰れないこともあるかもしれません。しかし「仕事はないけど上司が残っているから残業する」などというのは、日本人ぐらいのものでしょう。

 ただ、アメリカの医師が早く帰宅できるのは、医師本来の仕事に専念できる環境が整備されていることも大きな要因です。

 日本も医療クラークを導入する病院が増えてきたとはいえ、まだまだ雑務をこなさなければなりません。雑務から解放され、医療に専念できるような環境が整備されれば、ミスが減り、医療のクオリティーも上がる。必然的に早く帰ることもできるようになるでしょう。

 そうなるためにはある程度の予算が必要です。しかし、医師が医療に専念でき、安心、安全で質の高い医療が提供できれば、その支出は決して高いものではないと思います。

◎眼科医療の魅力

 眼科医の最大の魅力は、治療することで患者さんのQOL向上に大きく関わることができ、患者さんからとても喜ばれる点だと思います。

 「見える」のと「見えない」のとでは雲泥(うんでい)の差があります。「見える」ことで患者さんに劇的に病気の改善を自覚してもらえるのです。

 ただし、全てがそういう病気ばかりだとは限りません。例えば、ぶどう膜炎は、原因がわからないことも多く、治療効果を患者さんに実感してもらいにくい疾患です。緑内障も徐々に悪くなる病気です。

 高齢社会に伴い、これからも眼科の患者さんは増え続けると予想されます。今後も眼科医の需要は高いでしょう。

 若者には新しいものを発想する力があります。その能力を、ぜひ眼科学領域で発揮して、これまで治せなかった病気を治せるようにしていただくことが私の願いですね。

高知大学医学部眼科学講座
高知県南国市岡豊町小蓮
TEL:088-866-5811(代表)
http://www.kochi-eye.jp/


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