岡山赤十字病院 辻 尚志 院長

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100周年を目指して 赤十字らしさを大切に

【つじ・ひさし】 山口県立徳山高校卒業 1979 岡山大学医学部第2外科 岡山赤十字病院 1981 倉敷市立児島市民病院 1986 岡山赤十字病院 2000同第1外科部長 2006 同外科診療部長、乳腺・内分泌外科部長 2010 同副院長(兼務) 2017 同院長

 岡山赤十字病院は5月に創立90周年を迎えた。

 災害医療、救急医療を支えるほか、がん診療連携拠点病院として、がん治療にも力を入れる。今年4月に就任した辻 尚志院長に話を聞いた。
※正しくは一点之繞になります。

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―4月に院長に就任されました。

 この病院に勤めて31年。副院長を7年務めていました。今回、院長に就任し、これまでとは、仕事の質が違うと改めて感じています。

 グループや病院の方針に従って、それを達成するだけでなく、戦略を作りあげる中心の立場です。

 目標があって、それに向かって、しっかり働く、「ビジョンアンドワークハード」に加えて、戦略や作戦、つまり「ストラテジー」を立て実現させていく。作戦の正否の見極めも求められます。

―病院の理念を。

 もともと「信頼され、親しまれる病院に。」という理念があります。前院長が、これに「マザーホスピタル」という新たな言葉を加えました。

 この言葉には、患者さんだけでなく、地域の開業医の先生方、そして、当院の職員に対しても、母なる存在となることを目指していこうという思いが込められています。

 前提には、医療人としての基本である「ちゃんと診て、ちゃんと治す」ことがあります。また「優しく、わかりやすく」情報を伝えていくことも重要です。

 当院は急性期の病院ですが、従来のような「ここでの治療が終わったらそれでいい」という考え方を変える必要があります。

 病気になっても、それは患者さんの生活の一部です。病気を抱えた状況でも、また、治った後も生活を維持するためにはどうすればいいのかを考えなければいけないと思っています。

 このために当院だけで治療を完結させるのではなく、地域の診療所や福祉施設といった、病院以外の人的な連携を大切にしながら、その中核となる役割を担っていきたいと考えています。

―赤十字病院らしさとは。

 赤十字には、人間の命と健康と尊厳を守るという考え方が根底にあります。その人の背景にある、生活環境も守るということです。

 赤十字病院というと、災害救護・救急のイメージが強いと思います。もちろん当院も、基幹災害拠点病院ですし、救命救急センターもあります。

 これに加えて、当院はがん治療にも早くから、力を入れています。特徴的なのは、がんの診断と治療だけではなく、がん患者さんの、最期までどう関わっていくか、その関わり方です。

 がんは、再発の可能性もありますし、どこかの時点で治療を諦める選択をしなければいけないこともあります。

 最期まで関わると考えたとき、病棟も医療スタッフも、急性期の延長線では難しいと考えました。時間の流れ自体が、少し違いますし、スタッフ側も「治す」という考え方から、「寄り添う」という考えに視点を変える必要があるのです。

 このため2016年に、緩和ケア病棟(20床)を造りました。病院敷地内にはありますが、本館棟などとは完全に別棟です。

 建物全体に広くゆとりを持たせ、室内は落ち着いた色調です。すべての病室から、中庭の緑を見ることができるような工夫もしました。

 レスパイト入院を受け入れたり、がんの治療で副作用のコントロールが必要な時などに、一時的に入院してもらったりすることもできます。

 赤十字の精神である、その人の生活環境だけでなく、考え方も守る。その精神が、緩和ケア病棟には大きく反映されていると思います。

―今後、取り組んでいきたいことは。

 今は引き継いだばかりなので、これまでやってきたことを継続しながら、その中で見えてくる課題に取り組んでいきます。その先に、100周年があるということになるでしょう。

 当院のある岡山市北区には、岡山大学病院、国立病院機構岡山医療センター、岡山労災病院、岡山市民病院、済生会岡山病院、川崎医科大学総合医療センターと、500床前後の病院が集中しています。

 このような環境下で、市内の将来的な医療状況にどう対応するかというのも課題の一つだと考えています。良い意味で他病院と切磋琢磨(せっさたくま)できればいいですね。

 さらに、市内にとどまらず、県内全体の医療も考えなければいけない段階に来ていると思います。

 当院は診療科が36あり、いろいろな疾患に対応できます。病院経営という意味ではもっと特化する方向に焦点を当てたほうがいいのかもしれませんが、今は、総合力で頑張っていきたいですね。

―バスケットボールを続けているそうですね。

 中学生の時から約50年続けています。病院の内外でチームをつくってプレーしているんです。ドクターだけの全国大会も開かれていて、今年で26回目になります。私にとって、バスケはガソリンと同じ"生きる源"です。

 私は、プレーヤーであり、監督でもあります。またユニフォームの洗濯などをする世話役の立場になることもあります。

 ですから、フロア全体を見る大切さや、試合中に、この場面でどう判断するのかという瞬発力の必要性も実感しています。そういった意味では、バスケの経験が、チーム医療、病院経営にも役立っているかもしれません。

日本赤十字社 岡山赤十字病院
岡山市北区青江2-1-1
TEL:086-222-8811
http://www.okayama-med.jrc.or.jp/


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