【連載⑤】「大人と話したい」という言葉の裏に産後の妻たちの本音

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

k22-1-1.jpg

Logista 株式会社共同代表
長廣 百合子、長廣 遥

k22-1-3.jpg

夫婦会議を体感できる「両親学級 世帯経営セミナー」

 産後1年未満の母親たちから寄せられるお悩みの中に「大人と話したい」という声があります。

 多くの母親が経験することですが、産後数カ月は外出を控え、家で育児をしながら過ごす日々が続きます。赤ちゃんに話しかけることはあっても、「会話として成立するような応答」は期待できず、代わりに、隣近所にも聞こえるほどの泣き声の対応に追われるなど、誰ともまともに話せない毎日に虚無感を募らせる人は少なくありません。

 米メリーランド大学の研究結果に、人が1日に発する単語数は、男性が平均で7000語であるのに対し、女性は平均2万語、という報告があります。

 女性はこの内6000語以下しか話せないとストレスを感じるそう。"共感の生き物"と言われることからも、女性は独り言ではなく、人とのコミュニケーションを通じて言葉を発することが特に大切になってくるようです。

 その意味で、ママ友同士の集まりや子連れで参加する地域の集まりは、話し相手と出会える貴重な場。ストレス解消にも効果的といえます。

 一方で、話題は子どものことに終始するなど、自分自身について語る場面が少なく、当たり障りのないやりとりの中でアイデンティティーを見失う感覚に陥る人もいます。

 夫や夫の勤め先に対する愚痴大会に発展し、かえって疲労感をため込んでしまうこともあるそうです。「大人と話したい」とは言っても、誰でも良いわけでもなければ、話題も何でも良いわけではないということですね。

 では、産後の妻たちは一体誰と話したいのか。

 これまでに弊社で開催しているイベントやセミナーの場を通して見えてきたのは「夫と話したい妻の姿」。それも、おしゃべりがしたいわけではなく、普段の家事・育児のこと、仕事のこと、住まい環境のことなど、「こうしていこう、ああしていこう」と、前向きな気持ちで現実を話し合いたい希望が強いということでした。

 慣れない育児に悪戦苦闘し、時に落ち込むこともある産後の時期にこそ、人生を共に歩むと決めたパートナーとの間で希望が持てる未来を想像する時間が必要なのだと思います。

 こうした声や、私たち夫婦の経験を交えながら、弊社では妊娠期から産後にかけてのご夫婦のパートナーシップづくりを支援する事業を進めています。

 中でも力を入れているのが、よそのご夫婦と一緒に夫婦会議(夫婦の対話)を体感できる「両親学級 世帯経営セミナー」の開催。ワークショップやディスカッションを通して、「誰にでも起こりうる産後の危機」を乗り越えるためのヒントを参加ご夫婦それぞれにつかんでいただいています。

 最近では、自宅でふたりのペースで夫婦会議を始めることができる「夫婦で産後をデザインする 世帯経営ノート」をご利用いただく機会も増えてきました。

 「子育てをしながら働くことへの罪悪感が無くなった(30代・妻)」「家事や育児を"手伝う"という感覚がなくなった( 30代・夫)」など、男女を問わずうれしい感想が届いています。

 産後の苦しい時期はもちろん、楽しいこともうれしいことも夫婦で共有し合えるように。わが子に幸せな家庭環境を創り出していこう!と協力し合えるご夫婦が一組でも増えていくよう、これからも取り組みを進めていきます。

今月のQ&A

子どもが1歳になるころ職場復帰する医療従事者の女性もいます。復帰する女性を迎え入れる職場が確認しておくべき事項、共有しておいたほうがいい情報にはどんなものがありますか?

 職場復帰に向けた面談では、就業規則に基づいた勤務形態の確認や、本人のキャリアステップに対する希望の確認などを中心に行うことが多いようですが、それらに加えて「暮らしに寄り添ったヒアリング」を行うことも大切。子どもの預け先に関することはもちろん、夫の働き方、普段の家事・育児への夫婦間での協力体制など、実際に復帰後に大変さを一人で抱えずに働き続けられるように、本人が不安に感じている要素すべてに耳を澄ました面談をすることをお勧めします。

 特に、子どもが生まれる前後では、働き方に対する価値観が変わりやすくなるもの。フルタイムでの復帰を望んでいた人が短時間勤務に切り替えたり、キャリアアップを志していた人が、退職を申し出るなど、想定外のことが起こるのがこの時期の特徴です。

 そうした中で、できるだけスムーズに復帰をしてもらうためには、表に出て来ないような「家庭内での不安や悩み」にも耳を傾けることが大事。本当はフルタイムで復帰したいけど夫に反対をされていて...。義理の母に仕事を辞めるように言われていて...。など、プライベートな問題にも寄り添っていくことで、本人の復帰に対するモチベーションは上がりやすくなります。「ぜひ戻ってきてほしい」「働き続けたい意思がある限り、職場は全力で応援する」。そうしたポジティブなメッセージを、上司はもちろん共に働く職場の仲間一人ひとりが発信してあげられるようになることが、何より大切です。

夫婦で産後をデザインする『世帯経営ノート』2160円(B5版 約70ページ)

k22-1-2.jpg

 子育て期の夫婦が、夫婦・家族の明るい未来に向けて「夫婦会議」を進める際に役立つ書き込み式のノートブック「世帯経営ノート」。

 産後も仲良し夫婦でいるために何を話し合えば良いか。幸せな家庭づくりに向けて、どのように協力し合っていけば良いか。家事、子育て、仕事、お金、住まい、セックス、余暇時間、美容・健康、祖父母との関係など、テーマごとに設定された質問に夫婦で回答、対話を重ねるうちに、夫婦のパートナーシップが強まり、大切なことを前向きな気持ちで話し合える関係性がつくられていきます。

 産婦人科のクリニックや病院への提供も開始。両親学級を開催する際の補助ツール、出産お祝い品などとして使われ始めています。患者さん夫婦、親子の絆を強くする一冊。ぜひ一度、問い合わせを。

問い合わせ先:
Logista 株式会社
TEL:092-776-5578
※「産後夫婦ナビ」からの購入も可能

Logista 株式会社
未来を担う子どもたちのために、誰もが子育ての当事者になれる社会づくりに向け、「家庭・職場・地域」の3方向で事業を展開。産前産後の夫婦のパートナーシップ強化を目的とした「両親学級 世帯経営セミナー」の開催や、Webサイト「妊娠期からの夫婦のパートナーシップを応援!産後夫婦ナビ」(https://www.3522navi.com)の運営などを行っている。


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州初の地下鉄駅直結タワー|Brillia Tower西新 来場予約受付中

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【今月の1冊, 今月の一冊】
イメージ:今月の1冊 - 88. AI vs. 教科書が読めない 子どもたち

Twitter


ページ上部へ戻る