特定医療法人竹下会 竹下病院 竹下 篤範 理事長

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時代を読み、求められる医療を提供する|竹下病院が6月に新築移転

【たけした・あつのり】 土佐高校卒業 1965 日本医科大学卒業 1966 岡山大学医学部第一外科入局 1974 竹下病院副院長 1983 竹下病院院長 1992 社団医療法人竹下会設立 理事長兼院長 2009 社団医療法人竹下会理事長専任 2012 特定医療法人竹下会認可設立 理事長就任

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―6月5日に新築移転されました。

 旧病院建物は1973年に建てられたものでした。建築から44年たってかなり老朽化が進んだことと、建築当時より診療科が増えて手狭になったことが、新築移転決断の決め手になりました。

 また、高い確率で高知市内が被害にあうと予測されている、南海トラフ地震に備えるという意味もありました。旧建物は耐震基準を満たしていなかったのです。

 新病院は、耐震性を向上させながら病床面積も拡大しました。旧病院はかつての医療法に沿った病床面積でしたので、1床当たりの占有面積が狭かったのです。

 現代医療はさまざまな医療機器が場所をとるようになりましたし、人の流れ(動線)も複雑になったために患者さんの要望に十分応えられていないこともありました。

 新病院の機能面では、電子カルテを導入することもあって、省エネ対策にも力を入れています。LED照明を全館に導入し、規模は小さいものの屋上に太陽光発電装置を設置しました。

 この地域は南海トラフ地震でライフラインが被害を受けるおそれがあるため、災害時の水を確保するために井戸を掘りました。当院は透析施設でもあり、なんとしても水を確保したいという思いが通じたのか、かなり良質の水脈を掘り当てることができました。水質も素晴らしく、生活用水も含めてすべて井水を使用する予定です。

 当院は大規模災害時の救護病院に指定されています。井水を確保できていれば、水道設備が被害を受けた際に地域住民に水を供給することもできます。

―高知県内の医療施設では南海トラフ地震への対策が進んでいます。

 この地域は浸水地域とされていて、2m以上の浸水が長期間続くと予測されています。仮に浸水が何カ月も続くことになれば、新病院であっても機能を十分に発揮できなくなるでしょう。

 私が5、6歳だった1946年に起きた昭和南海地震では、この地域が浸水していなかったことを覚えています。南海トラフ地震はさらに大きな規模のものになるといわれています。この辺りが浸水することになれば、高知市内はすべて浸水するでしょう。

―浸水対策として、たとえば医療機器を上層階に設置するなどの対策はされていますか。

 いろいろ試行錯誤した結果、上層階への設置は断念しました。というのも、上層階に置いた重量物が建物に与える影響はかなり大きく、構造上、無視できない結果になったのです。

 それに持ちこたえられるだけの基礎造りをするのは難しく、CT機器などは1階にしか置けないことがわかりました。高床式にしたらどうかという案もありましたが、それだと不安定な構造になるため、結果的に浸水対策は徹底できませんでした。もっとも、大きな揺れに耐えうるだけの耐震性を持った建物になりますので、災害時の救護病院としての機能は十分に維持できるだろうと考えています。

―災害時の人工透析について、どのような備えを。

 当院は1985年に透析を導入しています。今回の新築移転にあたって、これまで30床だった透析病床を50床に増床しました。

 災害時には、原則として日本透析医学会のネットワークを使って透析患者さんを受け入れることになります。当院の透析室長は県の災害時透析コーディネーターを兼ねていますので、そういう意味では果たすべき役割も大きいと思います。

 他の透析施設が機能不全に陥った場合には当院で透析患者さんを受け入れることになっており、その意味でも良い水脈が見つかったのは幸運でした。

 透析医療で一番大事なのは、情熱を持って取り組んでくれる良い医師を確保することです。現在の院長に来ていただいてからは透析患者さんが増え、その結果、透析施設であることが市民の方々に認知されるようになりました。透析医会でも徐々に認めていただけるようになり、一朝一夕にはいかなかったものの、現在の地位を確立することができました。

 経営的にみても非常に大きな意味があり、透析医療への方向転換がなかったら、今の竹下病院はなかっただろうと思います。

―高齢者の増加、国の医療費抑制方針など、新病院が直面する課題は多いですね。

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 地域医療構想が策定され、高知県は人口当たりのベッド数が全国最多であるため、どれだけ削減されるかが注目されています。こんな状況下で建物に多大な費用をかけてよいものか、最後まで迷いましたが、病院として生き残るためには基盤となる建物がどうしても必要だという結論に達しました。

 私は、後継者に対して具体的に「〜な病院として発展させてくれ」などと要求することはしません。私がそれを言ってしまえば後継者は縛られるだろうし、激動の時代においては足枷(かせ)になって判断を誤ることもあるでしょう。

 まずは時代が求めるものが何かを考えてほしいと思います。それに合わせて、建物を自由に活用すればいい。形を決めておくよりは、柔軟な姿勢でいるほうが生き残りやすいでしょう。

 医師として活躍できる期間は、長いようで短い。およそ30年から35年が限界だと思います。その間にできることって、実はそれほど多くないんです。私自身は周りの人に恵まれたために、思い描いたことがかなり実現できました。

 次世代を担う者にも、目指すべきものをできるだけ早く見つけて、それに向かって一心に打ち込んでほしい。土台はできましたので、あとは中身をどう充実させるかが勝負だと思います。

特定医療法人竹下会 竹下病院
高知市与力町3-8
TEL:088-822-2371(代表)
http://www.takeshita-hp.jp/


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