熊本大学大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野教授 会長 岩瀬 弘敬

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【7月 福岡市】第25回日本乳癌学会学術総会 新たなる一歩 ライフサイエンス研究の進歩

【いわせ・ひろたか】 名古屋市立桜台高校卒業 1979 名古屋市立大学医学部卒業 名古屋市立大学第二外科入局 1993 ロンドン・ガイズ病院留学1996 名古屋市立大学医学部講師 1999 同助教授(准教授) 2004 熊本大学大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野教授

 年間9万人がり患し、14000人が亡くなると推計される乳がん。その最新の研究や治療が学べる「第25回日本乳癌(がん)学会学術総会」が、7月13日(木)〜15日(土)、福岡市のマリンメッセ福岡と福岡国際会議場で開かれる。

 会長は熊本大学大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科学分野の岩瀬弘敬教授。学術総会の特徴や見どころを聞いた。

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◎乳がん診療は生命科学の時代へ

 テーマは「新たなる一歩―ライフサイエンス研究の進歩」としました。

 今、乳がんの研究や治療は外科学、薬理学といった「医学」の分野に収まりません。

 医学、生物学、化学、物理学...それぞれの枠を取り払い、生命をあらゆる角度から総合的に見る。つまり「ライフサイエンス=生命科学」としてとらえないと、治療に発展していかない時代に入っているのです。

 診断においては、病理組織学的診断だけでなく、分子生物学、免疫学などを基盤とする生物学的診断が必要です。

 画像診断でも、物理学的、生物学的、双方のイメージングが重要になっています。

 治療も手術療法、化学療法、内分泌療法、分子標的療法という分類にとどまりません。腫瘍学、内分泌学、腫瘍免疫学が複雑に絡み合い、まさに「ライフサイエンス」へと進歩しています。

 今回の学会は、その研究の新たな一歩を学べる機会にしたいと思います。

◎必須の持ち物スマホとイヤホン

 今回の学会は6000人規模になると予想しています。これだけの人数が集まることができる施設が熊本にはないこと、九州・沖縄全体で、この学術総会を盛り上げたいという思いから、福岡市での開催を決めました。

 参加者全員で、乳がんの研究、治療に関わるすべての情報を共有したい。そして、参加者の移動の負担を軽減したいという思いから、4000人収容のマリンメッセ福岡1階アリーナを第1会場にし、主なシンポジウムはすべてここで実施します。

 第1会場内にはスクリーンを九つ設置し、発表時のスライドを投影。どの席に座っても、よく見えるようにしています。

 300mほど離れた国際会議場で開かれるランチョンセミナーの様子を、第1会場内のスクリーンに映し出し、イヤホンで音声を聞けるようにもしました。

 複数あるスクリーンそれぞれに、違うランチョンセミナー会場の様子を投影します。参加者は、専用アプリをダウンロードしたスマートフォンやタブレット端末とイヤホンを使えば、見たいセミナーがスクリーンの前で学べるという仕組みです。

 「違うセミナーを聞きたい」と思った時には、同じ会場内にある違うスクリーンの前に行き、アプリのチャンネルを変えるだけ。

 外国からの招待演者の講演につける同時通訳も、イヤホンを通して聞くことができます。

 今回の学会はスマートフォンかタブレット端末、そしてイヤホン持参で参加していただきたいですね。持っていない方のために、会場にもイヤホンなどを準備して、お待ちしたいと思います。

◎充実のポスター白熱した議論に期待

 シンポジウムを除いた厳選口演は109題。厳選ポスターが200題、ポスター討議が455題、ポスター掲示が1274題を予定しています。

 今回は、ポスターでの発表を充実させたのも特徴です。ポスター発表には、ポスターを見ながら細かい議論ができる点や、じっくり見ることができる点など、さまざまなメリットがあります。

 1日目と2日目の夕刻には、熊本や博多の名物を味わいながらポスターを前に討論する「ワイン&チーズ」も予定しています。お酒が入ることで、議論が一層熱を帯び、楽しいものになる。そんな効果も期待しています。

◎キーワードは「ゲノム」

 特別講演は、アメリカの乳がん診療のリーダー、マシュー・エリス先生にお願いしました。

 テーマは「プレシジョン・メディシン」。患者本人や腫瘍が持つゲノム情報を解析し、治療薬の開発、治療につなげるという医療です。現在言われている「個別化治療」の一段階先をいく治療の現状や今後を、お聞きできる予定です。

 シンポジウムの一つ「免疫腫瘍学による新たな乳癌治療」は、治験段階の免疫チェックポイント阻害薬治療について討論します。

 海外からの招待演者も複数参加するパネルディスカッションは、「ER陽性HER2陰性乳癌の新たな治療戦略〜これからのプラクティスへ」。ER陽性HER2陰性乳がんは、ホルモン治療がよく効くがんですが、治療を続けていくと、だんだんと効果が出なくなってきてしまいます。治療が奏功する期間を、いかに長くするか。そのための新たな方法を検討します。

◎欧米を意識開催方法もモデルに

 この学術総会は、欧米の学会を参考にして企画しました。中身ももちろんですが、開催方法としてもモデルになれば、うれしいですね。

 総会の3日目早朝には、博多の街で、博多祇園山笠の「追い山」もあります。昨年は、熊本地震で全国の先生方から多くのご配慮をいただきました。まだ復興の途中ではありますが、九州の元気をお見せすることで、感謝の気持ちを伝えられたらと思っています。

プログラム

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【特別講演 7月13日(木)午後2時10分~同3時】
「Precision Medicine」 座長:野口眞三郎 演者:Matthew J Ellis

【シンポジウム1  7月13日(木)午前9時~同10時40分】
「免疫腫瘍学による新たな乳癌治療」
座長:伊藤良則、戸井雅和
演者:Debu Tripathy、Bianchini Giampaolo、森谷卓也、杉江知治

【パネルディスカッション 7月13日(木)午後3時10分~同4時50分】
「ER陽性HER2陰性乳癌の新たな治療戦略~これからのプラクティスへ」
座長:岩田広治、佐治重衡
パネリスト:大野真司、戸井雅和、渡辺亨、Hiroyuki Abe、FabriceAndré、Jason Carroll、Matthew J Ellis、Bianchini Giampaolo、Kelly K.Hunt、Sibylle Loibl、Emiel J Rutgers、Kazuaki Takabe、Debu Tripathy

第25回日本乳癌学会学術総会 7月13日(木)~15日(土)
マリンメッセ福岡/福岡国際会議場

総会事務局:熊本大学大学院生命科学研究部 乳腺・内分泌外科学分野運営事務局:日本コンベンションサービス
TEL:092-712-6201 FAX:092-712-32332
メールアドレス:25jbcs@convention.co.jp


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