学校法人福岡学園 水田 祥代 理事長

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口腔医学の知識を持った看護専門職を育成する人材の育成を通して、健康長寿社会へ貢献

【すいた・さちよ】 長崎県立長崎東高校卒業 1966 九州大学医学部卒業 1968 英国リバプール大学附属小児病院医師 1989 九州大学医学部小児外科学講座教授 2004 九州大学病院長 2008 九州大学理事・副学長 2015 福岡学園理事長

 1973年設立の福岡歯科大学を中核とする学校法人福岡学園は、4月1日に福岡看護大学を開学した。

 口腔の健康から全身の健康へ―「口腔医学」を理念とする同学園は、口腔医学知識のバックボーンを持った看護専門職の育成を目指す。

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―4月1日に、福岡看護大学を開学されました。どのような理念のもとで、看護師を育成するのでしょうか。

 開学にあたっては「wellbeing」という理念を掲げました。これは、看護を受ける患者さん一人ひとりの尊厳を保ち、その人らしい最適な暮らしを支える看護という意味です。さらに、地域医療の質を向上させることと健康長寿社会の実現に貢献するという意味も込めています。

 改めてこういった理念を作ったのには、現代の医療者がとても忙しくなっているという背景があります。日々、ルーティンとしてやることが多くなりすぎていて、患者さん一人ひとりに寄り添う看護ができていないのではないか、そんな危惧があるのです。

 そんな問題意識のもと、本学の強みをいかすならば口腔医学の重要性を理解した看護師を養成することはもちろんですが、患者さんに対する優しい視線を持った看護師を育てたい、そんな思いがあります。

 福岡学園は今回の開学で、福岡歯科大学、福岡医療短期大学(歯科衛生士、介護福祉士養成)と合わせて三つの大学を持つことになります。

 加えて、福岡歯科大学医科歯科総合病院、口腔医療センターといった医療施設のほかに、介護老人保健施設「サンシャインシティ」を運営しており、関連施設として特別養護老人ホーム「サンシャインプラザ」「サンシャインセンター」なども有しているので、医療、保健、福祉などの多分野が連携していけることも、看護大学の特長といえるでしょう。

―第1回の入試について、受験者数などはいかがだったのでしょう。

 4月1日に開学し、同6日に入学式を行いました。2月と3月に実施された入試には424人の志願者があり、約3.5倍の競争を経て119人が入学しました。

 男子の応募が多かったのはうれしい誤算で、1学年10人程度入学してくれたらと考えていたのですが、60人の応募があり、16人が入学しました。

 入学者の出身地は主に県内、特に福岡市内が多いのですが、ほぼ九州全域から応募があったことは本学に対する期待の現れだろうと、身を引き締めています。

 大学建物の象徴は、自然光をふんだんに取り入れたエントランスホールです。ホールにつながる大階段の上には、「白衣の天使」ナイチンゲール像を描いたステンドグラスを設置しました。

 学生ホールに置かれた自動演奏装置付きのグランドピアノは、福岡歯科大学同窓会からの寄贈です。優雅なピアノ曲が流れる空間で、ナイチンゲールに見守られながら勉強をしたり友人と学生生活を送ったりする経験は、きっと良い思い出になるでしょう。

―看護大学創設に至った経緯は。

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ステンドグラスで表現されたナイチンゲールが見守る学生ホール。福岡歯科大学同窓会からは、自動演奏装置付きのグランドピアノが寄贈された

 2011年に、本学園の前理事長である田中健藏先生のもと、学園の「第2次中期構想」が定められました。そこでは現有の福岡医療短期大学の将来構想について議論が進められており、そのなかで歯科大学に看護学部を設置する構想が持ち上がったのです。

 しかし、歯科大学に付属する形で看護学部が設置されると、歯科衛生士養成のような性格を持った学部と誤ってイメージされるおそれがあり、看護師を目指す学生が集まらないのではないかという危惧もありました。

 それならば、看護全般に対応できる看護大学を設置しようという機運が高まり、2014年12月の理事会で4年制看護大学を新設するという方向性が決まったのです。

 本学園ではこれまでも、超高齢社会の到来を見据え「口腔の健康を通して全身の健康を守る」医療人や福祉関連の人材を育成してきました。看護大学の創設は、変化し続ける医療ニーズに的確に対応できる看護専門職を育成することが目的であり、それぞれの患者さんの「その人らしさ」を支えるという決意表明でもあります。

 また、これからの看護職は他職種と協調、協働する能力が求められており、国が進めている在宅医療にも対応できる看護実践能力を身に着けることも必要になります。口腔と全身の関連性を深く理解したうえで、疾病の早期発見や予防、QOLの向上に貢献できる看護専門職を育成することは、そういった時代の要請にも応えることだと考えています。

―今年、福岡歯科大学は創立45周年を迎えます。学園の今後について、どのようなビジョンをお持ちですか。

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 これまで、「第2次中期構想」(〜2016年度)のもと、口腔医学の推進や口腔医療センターの設置、看護大学の創設、第23回日本歯科医学会総会の主幹などに取り組んできました。今年4月に第3次中期構想が始まっており、その一環で8月には看護大学に隣接して「ぺんぎん保育園」を開園する予定です。地域の子どもさんもお預かりする計画です。

 今後取り組むべき大きな課題としては、福岡歯科大学医科歯科総合病院の建て替えがあげられます。地域の基幹病院として発展させるために診療・病棟部分の耐震化を図り、施設としての安全性を向上させながら、経営基盤の強化を推進したいですね。創立50周年までには実現できるよう、取り組んでいきたいと思います。

学校法人福岡学園
福岡市早良区田村2-15-1
TEL:092-801-0411(代表)
http://www.fdcnet.ac.jp/


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