医療法人爽神堂 七山病院 本多 義治 理事長・院長

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伝統をもとに新しい精神科医療に挑戦

【ほんだ・よしはる】 追手門学院高校卒業 1979 関西医科大学卒業 同精神神経科教室入局 1981 医療法人爽神堂七山病院 1984 同副院長 1995 同理事長1997 同院長

 精神病院として400年以上の歴史を持つ医療法人爽神堂七山病院。16代目の院長として、「自利利他(じりりた)」の病院理念を引き継ぎながら、地域の精神科医療に取り組む本多義治理事長・院長に話を聞いた。

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―歴史がありますね。

 関ケ原の合戦の前年の1599(慶長4)年に、初代の本多左内が浄見寺境内に爽神堂をつくり、精神を病んだ人々を漢方薬や鍼灸(しんきゅう)で治療したことが始まりです。

 左内は、徳川家康の側近の本多正信の弟で医業にも携わった義圓の子どもにあたり、親の意思を継いだようです。

 当院には、古文書や文献、江戸時代の鍼灸練習用の人形なども残っています。2001年に爽神堂400年史を制作した際は、資料の分析などを専門家の方に手伝ってもらいました。

 1871(明治4)年には日本で最初に精神科医業免許を取得しました。直系の子孫が代々引き継いで続いている精神病院としては国内でも最も古いかもしれません。

 周囲から、「いずれ病院を継ぐのだろう」と言われ反発した時期もありましたが、だんだんと精神科に興味を持つようになり、医師になりました。

―診療の特徴は。

 建物の老朽化もあり、2001年に本館を、2011年には北館を建設。それまでは7棟あった病棟を、2棟に集約しました。

 病床数は、最多だった1980(昭和55)年には712床ありましたが、病棟建て替え時に、病床機能の変更に合わせ減床。現在は640床で運営しています。

 2011年4月には、大阪南部唯一の精神科救急をスタート。48床のスーパー救急病棟を持ち、一般病院からリストカットした自殺願望がある人やBPSDが出た認知症の人などを、積極的に受け入れています。

 医師数は32人で24時間対応に必要な精神保健指定医は20人です。

 3年前からは、難治性統合失調症に対するクロザリルでの治療にも取り組んでいます。大阪府下でこの治療ができるのは、大学病院を除いて10カ所程度。治療効果が高い一方、白血球減少という副作用の可能性もあるため、内科医との連携などが使用の条件となっています。

 電気痙攣(けいれん)療法(ECT)を、早ければ9月に導入したいと考えています。向精神薬で効果が出ない重症のうつ病や統合失調症に対する治療として期待しています。

―認知症については。

 認知症の患者さんは、この地域でも増加しています。もの忘れ専門外来を2012年に開設、60床の認知症専門病棟も2病棟あります。

 2001年には、介護老人保健施設を病院に併設しました。急性期で症状が落ち着いたら移っていただくことも可能です。

 今年、熊取町から依頼を受け、認知症初期集中支援チームとして、認知症が疑われる患者さんのご自宅を訪問して診察につなげるなどの活動を始めています。

 救急に運ばれてくる認知症の人には、薬の影響も多く見受けられます。高齢者の場合、内科など複数の科にかかっているため、多数の薬を飲んで、せん妄状態になり、運ばれたりするのです。薬を整理し、一度、服薬を中断してみるだけで症状が落ち着くこともあります。

 認知症の治療薬による副作用も小さくありません。薬のせいで余計イライラしたり興奮したり攻撃的になったり。これも薬を見直すだけで改善する場合もあります。家族に暴力をふるう人もいますが、適切な治療で暴力が止み、穏やかになるのです。

 国の在宅への移行方針はありますが、認知症の人が一人暮らしだったり、家族が仕事をしていたりする場合は、簡単に自宅へ戻れません。

 認知症が進んだ状態の人を家族だけで介護するのにも無理があると思います。

 必要に応じて医療や福祉を活用してほしいですね。家族がつい、認知症の親を叱り、被害妄想を怒って自尊心を傷つけると、お互いがつらい思いをしてしまう。そうならないように、われわれができることを考えていきます。

 7月27日には、大学から認知症の専門家を講師として招き、地域の開業医の方向けの講演会を開く予定です。認知症への理解を深めていただくだけでなく、特に薬の使い方の情報を伝えていかなければならないと考えています。

―地域住民の方との関わりは。

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 毎年春に開く「爽神堂フェア」は、当法人最大の催しです。

 グラウンドに舞台を設け、地元の中学校や高校のブラスバンドの演奏、ダンスコンテストなどもあります。今年は地域の方約600人が訪れました。秋にはスポーツフェスタも開きます。

 精神科病院に対して、いまだに偏見もあります。それを取り除くためにも、まずは病院に来てもらうのが一番です。フェアや市民向け講演会などで認知症に関わる講演などもしますので、疾患に対する偏見をなくすことにもつながると考えます。

―職員に伝えていることは。

 爽神堂の理念は、「自利利他」。大乗仏教の言葉で、「他人を救うものは、自分をも救う」という意味です。

 患者さんや家族に心を込めて医療や介護を提供することは、われわれのやりがい、生きがいにつながると思います。

医療法人爽神堂 七山病院
大阪府泉南郡熊取町七山2-2-1
TEL:072-452-1231(代表)
http://7yama.or.jp/


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