【介護人材不足に一手】ロボット

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 2025年、介護人材は全国でおよそ38万人不足するー。

 2015年、厚生労働省が発表した推計では、2025年の介護人材の需要数を253万人、供給見込み数を215.2万人と予測した。

 多様な人材の参入促進、処遇の改善、外国人の受け入れ...。さまざまな対策がとられる中、「ロボット」への注目が高まっている。

 「人材不足の原因の一つが、高い離職率。中でも、介助で腰を痛めたなど身体的負担の大きさを理由に辞める人が多い。雇用環境の改善策の一つとして、ロボット導入を検討してもらえれば」と語るのは、佐賀県の長寿社会課担当者。

 県は6月1日、「介護ロボット普及センター」を佐賀大学医学部附属病院内に開設した。同大学に運営を委託。介護者の負担軽減や高齢者の自立支援を目的としたロボット6種類を設置し、普及を後押しする。

 展示しているのは、ベッド上の人の体の動きや離床動作をセンサーが検知し、ナースステーションなどに通知するシステムなど。普及センターには、コーディネーターが常駐し、見学や体験に応じている。

 さらに、現在5カ所の事業所にロボットを無料で貸し出し中。介護者の腰部への負荷を軽減するロボットや、ベッドから車いす、車いすからトイレなどの移乗をサポートするロボットを理学療法士の指導の下、2カ月間使用した上で、効果などを検証してもらう。今後も定期的にモデル事業所を募集・選定する計画だ。

 同県内には約1400の事業所があるが、現在、ロボットを導入しているのは37事業所にとどまる。担当者は「ロボットについて知り、効果を知ってもらうきっかけにしたい」と話している。

 一方、ロボット開発への取り組みも進んでいる。

 国立長寿医療研究センターの「健康長寿支援ロボットセンター」では高齢者の生活や活動を支えるさまざまな道具やロボットの開発、実証実験、普及を目指す。トヨタ自動車パートナーロボット部が開発し、同センターで実証実験をしたロボットが、「BEAR」と名付けられたバランス能力改善目的の訓練用ロボットだ。

 逆さまになった振り子が自立して立つ「倒立振子」のメカニズムを利用し、精密に制御BEARの上に乗った利用者が、前後左右に自然に体を動かす運動を1週間に2回、20分程度することで、足、臀部(でんぶ)の筋力、動的なバランス能力などを鍛える。

 前方に備えられたモニターを使って、ゲームをしながら体を動かすことで、リハビリに"遊び感覚"を取り入れたのも特徴だ。

 個人の能力に合わせて難易度を変えることも可能。「利用者の状態に即したリハビリをきめ細かにできる」(同センター)という。

 2012年3月から2014年3月までにフレイルの高齢者29人に対して実証実験を実施。それによると、「BEAR」によるリハビリは、ロボットを利用しない通常のリハビリよりも、足関節を底屈する力が5倍、動的なバランス能力は3倍向上することがわかった。

 さらに、ロボットでのリハビリ後の患者調査で、参加者の大多数が、「ロボットのリハビリが楽しく、通常のリハビリよりもロボットのリハビリをやりたい」と答えている。

 ロボットセンターの近藤和泉センター長は、GGI(国際老年学老年内科学雑誌)など国際的なジャーナルに実証実験について発表、効果に高い評価を得ているが、「今後も効果のエビデンスを積み上げる必要があり、あわせてコスト削減も課題」(近藤センター長)。数年以内には製品化し、販売につなげたい考えだ。

 開発する企業や大学と、利用する介護現場とをつなげる動きも始まった。

 福岡県では宗像医師会の女性会員でつくる「宗像女性医師の会」が2015年、「介護ロボットプロジェクト委員会」を設立。医師、介護福祉士、薬剤師、歯科医師、理学療法士がメンバーとなって、ロボットの開発や導入に携わり始めている。

 女性医師の会の塩谷眞子会長は「介護職の多くが女性。その女性たちの意見を集めて、企業や研究者に伝える、いわば仲立ちをするのが、私たちの役目」と説明。「ロボットにできることをしてもらい、空いた時間に温かい手を患者さん、利用者に当てる。手を抜くためのロボットではなく、これまでしたくてもできなかったことをできるようにするためのロボット活用や、より良いロボットのあり方を考えていきたい」と話している。


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