社会医療法人 生長会 阪南市民病院 藤本 尚 院長

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長期的な視点に立った人材育成を

【ふじもと・ひさし】 和歌山県立橋本高校卒業 1983 和歌山県立医科大学卒業 同附属病院内科 1986 和歌山県立医科大学分院内科学講座助手 1996 国立療養所和歌山病院呼吸器科厚生技官 1997 和歌山県立医科大学分院内科学講座助手 2002 国立療養所和歌山病院呼吸器科厚生技官 2003 和歌山県立医科大学救急・集中治療部講師 2005 府中病院内科(副院長) 2011 社会医療法人生長会阪南市民病院内科(院長)

 阪南市民病院は2011年に指定管理者制度を導入。新たなスタートをきり、6年が経った。

 藤本尚院長に今後の展望を聞いた。

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◎総合診療医の重要性

 地方の病院には、都市部の病院のような臓器別・疾患別の高度先進医療よりも「1人の患者さんを全人的かつ効率的に診る」ことが求められます。

 患者さんやそのご家族に大勢の専門医が関わるのではなく、できるだけ1人の医師がマンツーマンで真摯(しんし)に対応することが大事なのではないでしょうか。

 当院には総合診療科があります。高齢者は複数の疾患を合併しているケースが多々あります。「どの診療科にかかればよいか分からない」と訴える患者さんの初期診療に関わり、その後、専門の診療科にバトンタッチする、いわばコントロールタワーの役割を担うのが総合診療科なのです。

◎学びの場を提供

 総合診療科では私を含めた4人の医師で診療にあたっています。しかし、これからの医療ニーズを鑑みると、もっと多くの総合診療医が必要だと考えています。

 外部から医師を招けば短期的にはマンパワー不足が解消されるでしょう。しかし長期的な視点に立った場合、内部で人材育成をしないと病院の発展にはつながらないと思うのです。今後は、若い総合診療医の育成に力を入れなければなりません。

 そんな当院の姿勢に共感していただいた群星沖縄臨床研修センター(沖縄県浦添市)の徳田安春先生をお招きして、学生対象の講演会「闘魂外来」を年に数回開催しています。

 当院には研修医がいません。若い医師がいない病院は、どうしても活気がなくなってしまいます。臨床研修病院の指定が受けられるまでは、若い人が学べる場を提供していきたいとの思いで、このような取り組みをしているのです。

◎熱いハートを持つ医師に来てもらいたい

 堺市を境界線とした大阪府北部と南部では、医師確保に関して明確な違いが存在します。

 大阪府北部には大阪大学医学部附属病院、大阪医科大学附属病院、関西医科大学附属病院、大阪市立大学医学部附属病院という多くの大学病院があります。一方、南部には近畿大学医学部附属病院しかありません。そんな状況下では医局からの派遣が、北部に偏ってしまうのは致し方ないでしょう。

 また、お子さんがいる医師は教育面を考えた場合、交通の便がいい北部の阪急電鉄沿線地域に住みたいと思うのが当然だと思うのです。

 今の若い医師は熱意を持った志が高い人が多いように思います。当院はたくさんの医師に来てほしいわけではありません。若く、熱いハートを持つ医師に来ていただきたいですね。

◎楽しんで働ける病院に

 目標は職員が楽しんで働ける病院にすることです。経営改善について言うばかりではモチベーションが上がらないと思うのです。

 当院の職員は300人強、地元の職員が多いのが特徴です。300人くらいだと名前はわからなくても全員の顔と部署は一致します。これが300床、400床規模の病院だとそうはいかないでしょう。

 病院全体でチーム医療を構築するには、これくらいの規模がちょうどよいのではないでしょうか。

 職場の人間関係が、ギクシャクするのは絶対に避けなければなりません。和気あいあいとしていてチームワークが良いのが当院の強みだと思います。

 職員が「病院の将来は明るい。楽しんで働こう」と思うようになれば、それがやりがいにもつながるのではないでしょうか。

 山あり谷ありでも一歩一歩前進していき、気が付いたら高みに到達していた。そんな病院にしていきたいですね。

◎自由に意見が言える環境

 職員と医師は対等な関係で、私に対しても遠慮なく率直な意見を言ってきてくれます。何も意見を言わないのは何も考えていないのと同じ。何も変わりません。これからもどんどん意見してほしいですね。自由に意見が言える環境こそが大事だと思います

◎柔軟な働き方が可能

 女性医師が働きやすい環境が整っていると思います。託児所もありますし、病児保育、時短勤務も可能です。家庭やお子さんを優先した働き方ができるように最大限の配慮をしています。

 これまで女性医師から、処遇に関しての苦情や注文が出たことはありません。2人目、3人目のお子さんが生まれても勤務を続けていただいているということは、多分、今のやり方が正しいということなのではないでしょうか。

◎倫理観を伝える

 医療者のみなさんに大事にしてほしいのは、「この人を助けよう、助けたい」と思う「倫理観」です。医療者は知識があるだけに、助けられない理由が先に頭に浮かびがちなんです。

 院長として医療倫理をいかに伝えていくかが今後の課題だと思っています。それが病院全体に浸透すれば、本当の意味で地域に信頼される病院になれると確信しています。

◎地域のニーズに応える

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 現在の当院を100点満点で採点すると50〜60点です。これを70〜80点にまで高めていくのが当面の目標です。

 経営母体が変わったとはいえ市民病院の役割は地域のニーズに応えることです。地域の方に「病院がリニューアルして良かった」と言ってもらえるように、これからも努力していくつもりです。

社会医療法人 生長会 阪南市民病院
大阪府阪南市下出17
TEL:072-471-3321
http://www.seichokai.or.jp/hannan/


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