社会医療法人榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所 吉田 泰久 理事長・院長

  • はてなブックマークに追加
  • Google Bookmarks に追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • del.icio.us に登録
  • ライブドアクリップに追加
  • RSS
  • この記事についてTwitterでつぶやく

シームレスな脳疾患医療を提供

【よしだ・やすひさ】 1986 神戸大学医学部卒業 1992 同大学院医学研究科卒業(医学博士) 同附属病院脳神経外科医員 日本脳神経外科学会専門医 1993 医療法人榮昌会吉田病院 2000 同副院長 2009 同院長 2015 同理事長(院長兼務)

 吉田病院は1952(昭和27)年に整形外科病院として開院。その後、1968(同43)年に脳神経外科を開設した。

 現在、吉田病院の脳卒中の患者数は年間約900人と神戸市で最多。今年の1月には社会医療法人化した。

 脳卒中を中心とした脳神経外科救急医療のパイオニアとも言える同院の吉田泰久院長に話を聞いた。

ka6-1-1.jpg

◎超急性期から在宅まで

 当院は神戸市の二次救急病院群の基幹病院として24時間365日、脳神経疾患の救急医療を提供しています。

 脳卒中専門医9人、脳神経外科専門医9人、脳神経血管内治療専門医6人が常勤で勤務し、1.5テスラMRI、血管内手術専用撮影装置など最先端の機器をそろえているので、いつでも高度な医療の提供が可能です。

 リハビリテーション部ではリハビリテーション臨床認定医と理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がチームとなり、発症当日または翌日から超急性期脳卒中リハビリテーションを実施しています。

 その後、急性期を脱した患者さんは院内の回復期リハビリテーション病棟に移って在宅復帰、復職に向けて継続的にリハビリをします。

 当院のリハビリテーション部では、促通反復療法(川平法)を採用しており、毎年、川平先生に研修会をお願いして、正確な方法で訓練ができるようにしています。それにロボットを用いた上肢訓練、電気刺激療法などを併用して効果をあげています。

 超急性期から回復期までシームレスなリハを同一病院内で提供することで、患者さんの予後向上に寄与できているのではないでしょうか。

 今は社会生活に戻るための訪問リハ部門設立を計画中です。家に帰ると、病院にいる時ほど熱心にリハビリをしなくなることが多く、人によっては家に閉じこもりがちになってしまいます。

 私は継続的なリハにより、自宅内での日常生活動作だけではなく、電車やバスに乗って外出できるようになるまで回復させて、社会生活を営めるようにすることが、本当の意味での訪問リハだと思っているのです。

◎人にやさしく

 運営理念は「人にやさしい病院」です。ここでは三つの「人」を想定しています。

 一つ目は「患者さん」です。患者さんに真摯(しんし)に接し、良質な医療を提供することで、信頼される医療機関であり続けたいとの思いを込めています。

 二つ目は「地域の医療人、介護にかかわる人」です。脳卒中は再発率が高い病気です。再発しても、早期に当院に運んでもらうなどベストな対応ができるよう、地域の病院や介護施設との連携を密にしておく必要があります。

 三つ目は「職員」です。職員みんながプロ意識を持つ。そして密にコミュニケーションをとり、楽しく仕事をすることを心がけています。

 職員のみなさんにプロ意識を持ってもらうために研修費は惜しみなく出しています。学会に行きたい人がいれば快く送り出していますし、資格を取りたい人がいれば支援をしています。

 幸いなことに当院の職員はみんな自身のスキルアップにとても熱心です。熱意をもって仕事に取り組んでくれているので、頼もしい限りですね。

◎患者さんに敬意を払ってほしい

 患者さんは高齢者が多く、認知症を合併している人もたくさんいます。そうした患者さんに対して、医療従事者は、「おじいちゃん、おばあちゃん」と呼ぶなど、なれなれしく接しがちです。

 しかし、高齢の患者さんは人生の大先輩でもあるわけです。常に敬意を払ってくださいと繰り返し言っています。

◎DPC機能評価係数ランキングで上位に

 DPC機能評価係数Ⅱランキング(2014年度)で、当院は全国1585病院中で86位、兵庫県で3位でした。脳疾患救急に対する取り組みが、高く評価されたと思っています。

 救急車の年間受け入れ台数は約1700台です。現在は、兵庫区、長田区からの受け入れが大半です。今後は須磨区・垂水区・西区など、より広い地域から患者さんを受け入れていきたいと考えています。

 そのために救急隊や地域の医療機関への情報発信など広報活動に力を入れていかなければならないと考えています。

 脳神経外科医は充足していますが、それ以外の科の医師が不足しています。意識障害が出た場合、救急隊は、まずは脳卒中などの脳疾患を疑い、当院に搬送してきます。しかし、調べると別の病気であることが多々あります。そうなると他の病院に搬送せざるを得ないケースがあるのです。

 救急隊とのコミュニケーションを深めて、応需率を上げていくことが今後の課題だと言えるでしょう。

◎専門医が充実

ka6-1-2.jpg

 当院は日本脳神経血管内治療学会の指導医が2人、専門医が4人いて、血管内治療が得意な病院です。指導体制が充実しているので脳疾患について学びたい若い先生にとって最高の環境だと思います。

 脳血管疾患の患者さんは、いつ運ばれてくるか分かりません。ほとんどの病院は専門医が1人か2人しかいないので、専門医不在時は手術ができません。

 その点、当院は毎日専門医がいるので、いつでも手術ができます。当番制をとっているので、夜中に呼び出されることもなく、ワークライフバランスを保った働き方も可能です。

◎開設65周年

 今年で開院65周年を迎えました。これからも脳疾患に特化した基幹病院として、神戸市内で確固たる地位を築いていきたいですね。

社会医療法人榮昌会 吉田病院 附属脳血管研究所
神戸市兵庫区大開通9-2-6
TEL:078-576-2773
http://www.yoshida-hp.or.jp/


九州医事新報社ではライター(編集職)を募集しています

九州初の地下鉄駅直結タワー|Brillia Tower西新 来場予約受付中

九州医事新報社ブログ

読者アンケートにご協力ください

バングラデシュに看護学校を建てるプロジェクト

人体にも環境にも優しい天然素材で作られた枕で快適な眠りを。100%天然素材のラテックス枕NEMCA

暮らし継がれる家|三井ホーム

一般社団法人メディワーククリエイト

日本赤十字社

全国骨髄バンク推進連絡協議会

今月の1冊

編集担当者が毎月オススメの書籍を紹介していくコーナーです。

【今月の1冊, 今月の一冊】
イメージ:今月の1冊 - 88. AI vs. 教科書が読めない 子どもたち

Twitter


ページ上部へ戻る