西宮市立中央病院 根津 理一郎 院長

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県立西宮病院との統合により地域完結型医療の構築を目指す

【ねづ・りいちろう】 1978 大阪大学医学部卒業 1983 同附属病院シニア非常勤医員(小児外科) 1986 大阪刑務所医務部医員(法務技官) 1989 米国オハイオ州クリ-ブランド・クリニック外科 1990 大阪大学医学部助手(第一外科) 1997 同講師 1998 英国バーミンガム大学外科 日生病院外科部長 2002 大阪労災病院外科部長 2010 同副院長2013 西宮市立中央病院院長

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◎新築移転の"白紙撤回"

 当院は1921(大正10)年、西宮町立診療所として開設。1960(昭和35)年に西宮市立中央病院へと改称しました。現在の場所に移転してきたのが1975(同50)年。病院の建物は今年で築42年と老朽化しています。

 そこで2013年には、アサヒビール西宮工場跡地(西宮市津門大塚町)の一部を購入し、移転整備する新病院基本計画を策定しました。

 ところが2014年4月の市長選挙で、それまで移転・整備計画を進めてきた市長が落選。単独での移転整備計画を白紙撤回し、兵庫県立西宮病院との統合を公約とする候補者が新市長となりました。翌月には病院移転プロジェクトが白紙になってしまったのです。

 私が当院の院長に就任したのは2013年。4年後の移転に向けて準備を進めていた矢先でしたので、とても困惑したことを覚えています。

◎県立西宮病院との統合

 2014年4月1日に病院事業管理者となったばかりだった南都伸介先生と私は、新市長とのヒアリングで現施設の老朽化の問題やマンパワー、とくに研修医をはじめとする若い医師が不足している窮状を訴え、県立病院との早期統合による総合病院としての医療の充実の必要性を訴えました。

 400床の県立西宮病院と257床の当院が統合することで、高齢化による救急患者の増加など、将来の医療ニーズに応えられるようになることが考えられます。また両病院を存続させる場合と比較して運営コストを抑えることが可能です。

 昨年4月には外部の医療関係者を主なメンバーとする「兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院のあり方委員会」を兵庫県と西宮市で共同設置。会合を重ね、今年3月に「『両病院を統合し、新用地に新病院を整備する』ことが最も望ましい」とする報告書をいただきました。

◎最先端の機器を購入

 県立西宮病院との統合はまだ具体的に決まったものではなく、早くても6、7年後です。それまでは現在の地で診療を続けていかなければなりません。

 当初の新病院基本計画では、今秋に単独移転をする予定でしたので、新しい機器の購入を控えていました。

 しかし、この地で、少なくともあと6、7年は診療をするわけですから、市にお願いして機器の更新や施設・設備の老朽化対策の予算を組んでいただきました。

 その予算で最先端の3テスラMRIを購入し、HCU(高度治療室)を設置しました。手術支援ロボット「ダビンチ」も今年度中には導入予定です。

 新しい機器を購入することで病院の魅力が高まります。すると職員のモチベーションが上がって、医療の質が向上し、患者さんが増える。そういう良い循環になると考えられます。

 統合までの日々を緊縮した状態で過ごしていると、職員のモチベーションが下がり、経営が悪化することが予想されます。そんな状態で統合しては意味がないでしょう。県立西宮病院も小規模ながらエネルギッシュな病院と統合したいと思っているはずです。

◎大病院にも負けないクオリティー

 事業管理者は心臓カテーテル治療の権威だと言われています。循環器内科ではこれまで、急性期対応がほとんどできていなかったのですが、事業管理者が赴任してからは症例数も右肩上がりです。

 患者さんには高齢者が多く、複数の疾患を合併している人が多くいます。とくに循環器疾患を併存する例は多く、そういう患者さんに対応できるように昨年、最先端の心臓カテーテルの器具を購入しました。

 また当院は昔から外科、泌尿器科では腹腔鏡手術を数多く実施してきた実績があります。手術のクオリティーは、決して大病院に負けないという自負があります。

◎早期の統合実現を

 統合新病院の建設候補地として、アサヒビール西宮工場跡地の一部(2万6千㎡)を市の外郭団体が購入していますが、2020年までに病院統合にむけた具体的な進展がなければ売主である不動産会社は買い戻すことができることになっています。

 西宮市としては、兵庫県に対し、できるだけ早く統合の意思表示をしていただき、統合に向けた具体的な動きを始めたいと考えています。

◎優秀な人材の派遣に期待

 当院も県立西宮病院も内科、外科を中心とした多くの診療科が大阪大学に関連している病院ですが、人員に余裕があるわけではありません。二つの関連病院が統合して一つになると大学としても助かると思います。

 大学からいい人材を派遣してもらうには、病院の規模や地域での評価や研修医の評判などが大きく関係してくると思われます。統合することで、病院の機能が高まり、今まで以上に多くの優秀な人材を派遣していただけることに期待しています。

◎病病、病診連携の強化

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 公立病院の院長として、大学との折衝、行政との話し合い、議会への出席、それに加えて診療もする。

 幸い、現在は事業管理者との2人体制です。大学との交渉をはじめとした会合には共に参加するようにしています。

 西宮市の人口は約48万人。今でも若い世代が増え続けている全国的にも珍しい都市です。神戸からも大阪からも近い立地が関係しているのかもしれません。

 西宮市には963床の兵庫医科大学病院や多くの優れた民間病院があります。

 統合後も連携する各大学の講座との絆を大事にしつつ、市内にたくさんある民間病院や診療所との連携を、これまで以上に深めていかなければなりません。そして公立病院として、市民の視点に立った地域完結型医療を構築していかなければならないと考えています。

西宮市立中央病院
兵庫県西宮市林田町8-24
TEL:0798-64-1515
http://www.hospital-nishinomiya.jp/


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