兵庫医科大学 ささやま医療センター 片山 覚 病院長

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地域医療を担う人材育成の拠点に

【かたやま・さとる】 兵庫県立杜高校卒業 1979 兵庫医科大学医学部卒業 2001鳥取大学医学部内科学非常勤講師 2003 兵庫医科大学臨床教育教授(学外臨床実習指導) 2008 公立八鹿病院副院長兼総合診療部長 兵庫医科大学臨床教育教授(学外臨床実習指導) 鳥取大学臨床教授(学外臨床実習指導) 2010 柏原赤十字病院院長 2017 兵庫医科大学ささやま医療センター病院長

 兵庫医科大学ささやま医療センターは、兵庫県中部に位置する丹波医療圏・篠山市地域の基幹病院。4月に着任した片山覚病院長に今後の取り組みなどについて聞いた。

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◎篠山キャンパスの役割

 兵庫医科大学は1972年開設。当院の前身、兵庫医科大学篠山病院は1997年、旧国立篠山病院の運営を承継して開院しました。

 2010年には、新病院を建設し、ささやま医療センター(篠山キャンパス)に改称。2017年10月に開院から20年を迎えます。

 大学としては2007年に姉妹校の兵庫医療大学を開学。薬学部、看護学部、リハビリテーション学部を擁し、医療専門職を養成、学校法人兵庫医科大学は医療系総合大学となりました。当センターのある篠山キャンパスは、地域でチーム医療の実践を学ぶフィールドとしての役割を担っています。

 当院は、180床で患者さんが紹介状なく受診できる特徴を生かし、身近な疾患を診療できる医師の養成に取り組んでいます。篠山キャンパスには当院のほかに、リハビリテーションセンター、老人保健施設、訪問看護ステーションなどの施設があり、市内で唯一、定期巡回・随時対応型訪問介護にも取り組んでいます。

 医療、介護における多職種協働を卒前卒後の一貫性を持って現場で学ぶことができる体制で、地域包括ケアの篠山モデルを目ざしています。

 篠山キャンパスには、年間200人程度の学生が、延べで800日、それぞれ臨床(臨地)実習に訪れています。

 大学病院は通常、超急性期病院で、規模の小さい大学病院は精神科やリハビリなどの病院が一般的です。当院は、市民の病院として地域包括ケアを担っていく中核的な病院として、医師会とも連携をしていきます。

 紹介状が必要ない外来では、受診する患者さんは疫学的に偏りが少ないので、地域のありのままの幅広い疾患が診られるのです。総合診療を学ぶには適した環境といえます。

 医学に必要なものは、「経験」です。座って学べるものでは決してありません。若い医療者たちが実践し、経験できる場を提供し、超高齢社会に向けて優秀な人材を養成するのが、当キャンパスの役割です。私自身、この4月から新たなスタートを切ったような気持ちです。

◎地域医療を担う医師を養成

 県内では、都市部とそれ以外の地域で確保できる医師数と医療の質に差があります。この地域偏在を解決するために注目しているのが、1972年から続く「兵庫県養成医師制度」による研修医です。

 へき地などで勤務する医師を確保するため、県が医学生へ修学資金を援助。卒業後、9年間指定の医療機関で勤務すると、援助された金額の返済が免除される仕組みです。

 ただ、義務年限の9年を過ぎると、県外に出ていく医師も少なくありません。せっかく兵庫県養成医師制度で入学した医師なのですから、彼らの定着に力を入れたいと考えています。

 対象大学は、自治医大と兵庫医大、神戸大学など5大学。私自身もその2期生として兵庫医大に入学し、県内のへき地に勤務するなど地域医療に長く携わってきました。

 私が考える、彼らが地域に定着しない理由は、ロールモデルがなく、10年後、20年後に自分たちがどういう医者になるのかをイメージできるキャリアパスを、医療現場が提供できていないということです。

 当院では、地域に求められ、また若い人がなりたいと思うような「総合診療専門医」を養成したいと考えています。それはスペシャリティーを持ったジェネラリストだと思います。新専門医制度によるプログラムが明確になれば、兵庫医科大学として、具体的なキャリアパスを提示していきます。

 医師が地域医療を、やりがいがあり、誇りを持てる仕事だと感じて定着してくれれば、その背中を見て、若い人も、その後を引き継いでいこうと思ってくれるでしょう。そんな循環を作るのが、私の当院での役割になると思います。

 隣接する丹波市では、2019年度、兵庫県立柏原病院と柏原赤十字病院が統合し、新しい県立病院に生まれ変わります。新病院と連携しつつ、切磋琢磨(せっさたくま)しながら、この篠山・丹波を兵庫県の総合診療を学ぶ拠点にしたいと考えています。

◎主役は住民と開業医

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 地域包括ケアの主役は、あくまでも住民と地域の医院や診療所の先生方です。それを支えるのが、われわれ地域の病院の役割でもあります。

 診療所の先生方が単独で24時間診療に対応するのは不可能です。篠山モデルでは地域の医療機関がひとつになって地域包括ケアで求められる24時間体制を実現していきます。

 地域住民のための情報提供や、健康に対する意識改革も当院の役割の一つです。病気を治すだけではなく、住民を支える医療を担うことが必要です。

 私たちが今直面している多くの病気は、生活スタイルを変えた私たち自身が作りあげた病気でもあります。個人の習慣としてだけではなく、地域が、日々の過ごし方や、食事の大切さ、運動の重要性など生活文化を変えなければならない時かもしれません。

 「地域を診る」「地域の健康文化を考える」「自らも研究に取り組む」「エビデンスに基づきながら患者さんに寄り添う医療を実践する」。そんな医師を育てていきたいですね。

兵庫医科大学 ささやま医療センター
兵庫県篠山市黒岡5
TEL:079-552-1181
http://www.sasayama.hyo-med.ac.jp/


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