医療法人創起会 くまもと森都総合病院 藤山 重俊 理事長・院長

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職員のモチベーションを高めて病院のパワーアップを

【ふじやま・しげとし】 熊本県立熊本高校卒業 1970 熊本大学医学部卒業 1976 同大学院医学研究科修了(医学博士)熊本大学医学部第3内科助手1980 同講師 1995 同助教授2003 同大学院医学薬学研究部(現:生命科学研究部)消化器内科学助教授 2004 NTT西日本九州病院副院長・内科部長 2008 同院長 2011 医療法人創起会NTT西日本九州病院理事長・院長 2012 医療法人創起会 くまもと森都総合病院理事長・院長

 1922(大正11)年に熊本逓信診療所として開設され、まもなく95周年を迎える「くまもと森都総合病院」。2011年、NTT西日本の系列病院の中で最初に独立。2017年4月1日には新たな病院に生まれ変わった。新病院の運営について藤山重俊理事長・院長に聞いた。

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―新築移転し、新年度と同時に新たなスタートを切られました。

 4月1日土曜日、入院している患者さんは朝食をとった後、旧病院から新病院へと移動しました。私も職員も初めてのことで心配でしたが、スムーズな引っ越しとなり、患者さん全員に新病院で昼食を提供することができました。外来は4月3日月曜日に開始しています。

 旧病院の西棟は、日本武道館や京都タワーなどを設計された著名な建築家、山田守氏が手掛けた斬新なデザインでしたが、1956(昭和31)年から1973(昭和48)年に建築されたもので、老朽化が進んでいました。

 建て替えの話はかなり以前から出ていたようですが、遅々として進みませんでした。具体的に動き出したのは2010年です。

 NTT西日本が業績不振もあって病院運営から撤退する方針を提示。当院を含めた系列病院は、売却か独立かという選択を迫られました。

 旧病院の建物は、機能上の制約も多くありました。当院にとっての「独立」は赤字体質からの脱却と新病院棟の建て替えとをセットで考える必要があったのです。

 旧病院跡地の面積では、新病院をスクラップアンドビルドすることは難しいと判断。紆余(うよ)曲折の末、旧病院から約500mと近い場所にあった、日本たばこ産業(JT)熊本工場跡地約7万㎡の一部、1万5537㎡を確保することができました。

 2011年には医療法人創起会として独立。作家の夏目漱石が五高(現:熊本大学)英語教師として熊本に赴任した際、その第一印象を「森の都だなあ」と表したという逸話と、熊本市が1972(昭和47)年に「森の都宣言」をしていることから「森都(しんと)」とし、平仮名の「くまもと」を入れることで柔らかさを加えました。

―新病院の方針は。

 熊本市内は、国立病院機構熊本医療センター、熊本赤十字病院、済生会熊本病院、熊本大学医学部附属病院などがあり、競争が大変激しい地域でもあります。

 2025年問題も含めた将来を見据え、生き残りを図る策が必要です。そこで、2013年にそれまで203床あった病床を思い切って4床減らして199床としました。

 200床未満であれば、紹介状は必要ありません。もともと収入面で比較的比重が高かった外来を患者さんがより受診しやすくすること、在宅療養支援病院を受けることが目的でした。

 診療は、一般急性期医療が中心です。新病院では診療機能のさらなる充実を図り、より高度な医療を提供します。県指定のがん診療連携拠点病院でもありますので、がんに対する診療にも力を入れています。

 2015年4月、熊本市民病院の乳腺外科の主力メンバーが、当院に移ってきました。乳がん手術の症例数は九州でも上位を占めています。今後は、婦人科腫瘍を含めた女性健診にも対応したいと考えています。

 新病院の周辺には、マンションなども多数あり、高齢のご夫婦も多く住んでいます。そこで、従来の機能に加えて総合病院機能を持つ在宅療養支援病院として、高齢者をサポートしたいと考えています。高齢の夫が妻の、または妻が夫の面倒を見ているケースもあります。介護しているご家族のサポートとして、レスパイト入院も受け入れています。

 皮膚科の往診もしています。寝たきりで褥瘡(じょくそう)などの治療が必要な患者さんには大変好評です。

 2月に30床を地域包括ケア病棟に転換しました。また、15床の緩和ケア病棟も5月にスタートし、患者さんやご家族の意思を尊重しながら、温かく思いやりのある医療を提供します。

―NTTから独立しての運営はいかがですか。

 経営母体がNTTだったころは、赤字でもNTT西日本の別事業の黒字分によって相殺されていました。

 独立後は、自分たちだけで、運営していく必要があります。厳しい状況ではありますが、その認識を職員全員が持つよう日頃から伝えています。

 半面、自由度が高まりましたので、チャンスでもあります。みんなのモチベーションを高めて、病院全体がパワーアップすることを期待しています。

 当院は熊本市の中心部に位置しています。忙しくても楽しい職場環境のもとに全職員が一緒に頑張って、「地域のニーズに応え、明るく親しみやすい、地域とともに成長する病院」を目指しています。

―医師の教育について。

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薄暮に映える新病院

 熊本県は、医学部が熊大だけということもあり、大学と県内の関連病院との連携も密接です。

 県内の初期研修医は最近増加傾向ですが熊本市内が中心で、天草、阿蘇、人吉などの医師確保は難しいのが現実です。

 われわれの時代とは違い、医局人事だからと言って、有無を言わせずへき地へ医師を派遣することは難しい。従来の医局制度の悪いところばかり言われますが、それがへき地の医療を支えていた面もあります。

 医者の世界だけではありませんが、今は若い人の価値観が変わりました。管理者がこれまでのような考えでは、若い医師は病院からいなくなってしまいます。ただ、医者になったら「少なくとも数年間は自分の生活を犠牲にする」くらいの考えも、長い医者人生においては大切な気がします。

くまもと森都総合病院沿革
1922(大正11)年:熊本逓信診療所開設 逓信省(現:総務省)管轄
1942(昭和17)年:熊本逓信病院(昇格)
1956(昭和31)年から3期にわたり旧病院建設
1981(昭和56)年:保険医療機関として一般開放
1989(平成元)年:NTT九州病院に改称
1999(平成11)年:NTT西日本九州病院に改称
2011(平成23)年:医療法人創起会に経営を移管
2012(平成24)年:くまもと森都総合病院に改称
2017(平成29)年:新築移転

医療法人創起会 くまもと森都総合病院
熊本市中央区大江3-2-65
TEL:096-364-6000(代表)
http://www.k-shinto.or.jp/


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