第35回日本骨代謝学会学術集会 骨の謎に迫る 骨の病気に挑む
~学際的な架け橋を目指して~
「第35回日本骨代謝学会学術集会」が、7月27日(木)〜29日(土)、ホテル日航福岡(福岡市博多区)で開かれる。
1967(昭和42)年に同学会の前身となる第1回日本骨代謝研究会が開催されてから50年。学会長を務める産業医科大学医学部第一内科学講座の田中良哉教授に意気込みなどを聞いた。
―日本骨代謝学会について教えてください。
本学会は、骨だけでなく骨格系や、ミネラルの研究などの代謝系を中心とした特徴的な領域をカバーしています。
基礎医学、内科学、整形外科学、歯学、薬学、理工学など幅広い分野の研究者が参加する他にはあまり例のない学際的な学会です。
学術集会のテーマは「骨の謎に迫る 骨の病気に挑む」。サブテーマを「学際的な架け橋を目指して」としました。50周年という節目の年を記念した「50周年シンポジウム」も用意しています。
50周年シンポジウムは、骨代謝に多大な貢献をした先人たちの偉業を、後進である教授陣に語っていただきます。
ビタミンDの研究と治療への応用に取り組んだ尾形悦郎先生、骨粗しょう症治療薬につながったRANKを発見した須田立雄先生、軟骨代謝研究の開祖である鈴木不二男先生らについて、松本俊夫・徳島大学名誉教授、高橋直之・松本歯科大学教授、米田俊之・大阪大学名誉教授にお話をお願いしました。
若い研究者たちに、「今取り組んでいる研究が、いずれ実を結び、医学に貢献する日がやってくる」というエールを送ることができる企画にしたいと思っています。
また、サブテーマに掲げた「学際的な架け橋を目指して」の言葉通り、いろいろな観点から骨や代謝についてのサイエンスを、参加者とともに語り合いたいと願っています。
200を超える演題が予定され、ポスター発表はなく、すべて口演形式です。みなさんのモチベーションも上がると思います。
―今回の学術集会の特徴や見どころなどを教えてください。
7月27日(木):午前8時~(受付同7時半~)
・50周年記念シンポジウム:午後4時30分~同6時
演者/松本俊夫徳島大学名誉教授ほか
7月28日(金):午前7時30分~(受付同7時~)
7月29日(土):午前8時30分~(受付同8時~)
会場:ホテル日航福岡(福岡市博多区)
学会ホームページ:http://35jsbmr.com/index.html
会期中に開催される全11のシンポジウムは、いずれも他の学会との共催です。
共催学会は、①日本骨免疫学会 ②日本リウマチ学会③日本骨形態計測学会・日本整形外科学会 ④日本腎臓学会 ⑤日本内分泌学会⑥歯科基礎医学会 ⑦日本栄養・食料学会 ⑧日本歯科口腔外科学会 ⑨日本炎症再生医学会です。また、海外の⑩国際筋骨格研究学会(IFМRS) ⑪韓国骨代謝学会とも共催します。
他の学会との共催でこれだけの数のシンポジウムを開くことはなかなかめずらしいと思います。
また、共催ということは、各演者は学会を代表して出てきていただくのでその議論は深く、レベルの高いものになると期待されます。それによって、新たな問題点や課題も見つかり、次の進歩につながるものと思います。
―この学会が九州で開かれるのは25年ぶりだとお聞きしました。
久しぶりの九州開催ということもあり、多くの九州の研究者に参加してほしいと思います。
今回は「女性研究者セッション」を設けました。長崎大学の伊藤昌子副学長を中心に、進めていただきます。医学部の学生も、女性の比率が増加しています。今後、女性医師のサポートをどのように進めていけば良いのかなど、議論を深めてほしいと考えています。
最終日には、最近のトピックでもある「がんと骨転移」について議論します。ランチタイムを含む2時間半のセッションを予定しています。
―講座のトピックは。
専門である膠原(こうげん)病やリウマチの治療は、生物学的製剤などの登場によって、近年、画期的に進歩しました。
従来のステロイド治療は骨の変形を防ぐことが困難でした。今は骨を変形させずに寛解させることを目指して治療を進めています。
今後も、講座では、治療薬の開発、治験などにも積極的に取り組んでいきます。
一人でも多くの患者さんを救いたい。その思いをモチベーションに、患者さん一人ひとりの立場になって「心を込めた医療」ができる医師を育て続けたいと考えています。
学会事務局:産業医科大学医学部第一内科学講座
〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ケ丘1-1
TEL:093-603-1611 FAX:093-691-9334
メールアドレス:info@35jsbmr.com