医療法人 恵生会 恵生会病院 宮川 潤一郎 病院長

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地域に密着し専門性の高い医療を

【みやがわ・じゅんいちろう】 鳥取県立米子東高校卒業 1977 英国シェフィールド大学医学部留学 1979 広島大学医学部卒業 同解剖学第二講座助手 1980 大阪大学医学部解剖学第三講座助手2000 同大学院医学系研究科(分子制御内科学講座)講師 内分泌代謝研究室チーフ 分子制御内科医局長 内分泌・代謝内科診療局長2005 兵庫医科大学内科学糖尿病科助教授 2013 兵庫医科大学内科学糖尿病・内分泌・代謝科教授 2016 医療法人恵生会理事 同恵生会病院病院長 兵庫医科大学特別招聘教授

 東大阪地区で分娩(ぶんべん)を多数取り扱い、健診事業も展開する民間総合病院として、地域密着型の医療を提供してきた医療法人恵生会恵生会病院。

 昨年4月に就任以降、新たに認定された「糖尿病学会認定教育施設Ⅰ」として、糖尿病治療でも専門性の高い医療を目指し、尽力してきた同院の宮川潤一郎病院長に話を聞いた。

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◎東大阪市の糖尿病治療の課題

 東大阪市の人口は約50万人。日本人の5人に1人は糖尿病と言われる現状と照らし合わせると、市内には潜在患者を含め約10万人の患者さんが存在すると推測されます。

 昨年、当院が糖尿病学会認定教育施設となるまで、市内には同認定教育施設が1施設(市立東大阪医療センター)しかありませんでした。人口に対して糖尿病の専門医が極めて少ないという問題もあります。

 この地域では、高齢の患者さんに加え、40〜50代の働きざかりの患者さんも増えています。健康診断で糖尿病と判明しても、仕事に追われて受診・受療される方が少ないのです。

 早期に治療を始めれば病気の進行をくい止められますが、未受療状態が続くと、将来的には合併症が進行します。患者さんの中には無理をして遠方まで通院されている方もいるようです。

 わざわざ遠方に行かなくても地元で専門性の高い治療を受けられるようにしたい。糖尿病をきちんと診ることができる専門医を育成し、増やしていきたいと考えています。

◎糖尿病の専門病院

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糖尿病フットケア外来の様子

 当院は1981(昭和56)年、産婦人科の病院として開設。小児科、内科、健診部の充実を図りながら運営してきました。

 私は、大阪大学、兵庫医科大学を経て昨年4月、病院長に就任。以降、私の専門でもある糖尿病治療にも力を入れています。

 着任後すぐに「KDST(Keiseikai hosp. DMSupport Team)- 7」という糖尿病療養サポートチームを結成し、療養活動を始めました。これは、医師、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師、作業療法士、医事科の七つの職種で構成される糖尿病療養チームです。

 糖尿病・内分泌・代謝内科の外来診療、フットケア外来、透析予防指導、糖尿病教育入院での各種指導、糖尿病教室などを実施し、患者さんが住み慣れた地域で、安心して暮らしていけるようにサポートしています。

 また、週末3泊4日の短期集中型糖尿病教育入院を展開。産婦人科と連携して妊娠糖尿病(GDM)の患者さんや糖尿病合併妊婦の血糖管理を行う体制も整えました。現在は、常勤の専門医が2人、兵庫医科大学からの非常勤の専門医が4人、計6人で診療にあたっています。

 糖尿病は長く付き合っていかなければならない病気です。私が担当する患者さんの中には、30年来の付き合いになる方も数人いらっしゃいます。医者も患者さんも人間なので、友だちのように仲良く、協力しながら病気に立ち向かうという意識を忘れず、今後も糖尿病の専門病院としての機能をさらに充実させていきたいと思います。

◎糖尿病予防の啓発活動

 当院は以前から毎月1回、患者さんを対象に糖尿病教室を開いてきました。これを、昨年4月からは一般公開にして、患者さんのご家族や近隣住民の方々も無料で参加できるようにしました。私が話をすることもありますが、KDST―7のメンバーが交代で担当しています。

 参加される方たちは、もともと意欲的な人が多く、積極的に勉強され、治療に取り組まれています。しかし、問題は病気や治療に関心がない患者さんです。潜在患者も含め、こうした方たちに興味を持ってもらい、糖尿病教室に参加してもらうことが大事です。

 糖尿病教室の詳細については、ホームページに掲載したり、月刊のパンフレット「糖尿病通信」に載せたりしています。

 「糖尿病通信」には、最新の糖尿病治療の説明や災害発生時の対応の仕方などを掲載し、外来で配布しています。次回からは部数を増やし、医師会の先生方全体にも配布させていただく予定です。

 この地域は糖尿病専門医が少ないため、専門ではない先生方にも糖尿病を診ていただいているという現状があります。患者さんだけでなく、現場の先生方にも広く糖尿病治療についてご理解いただければ幸いです。

 今から15年ほど前、大阪大学が関西の糖尿病専門医を集めて「大阪糖尿病アカデミー(ODA)」をつくりました。専門医の方だけでなく、非専門医の方にも参加してもらい、糖尿病の勉強をする会です。当時、私が事務局長をしていたこともあり、現在ではこの地域の世話人をしています。これからも、このような仕組みも利用しながら、この地域の糖尿病医療の発展に貢献していくつもりです。

◎今後の展望

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 当面の課題は、当院の体制の充実を図ることと地域の医療施設との連携を強化することです。今年中に電子カルテ化をして病院のシステムを最新のものにアップデートし、マンパワーの充実にも努めます。また、兵庫医科大学、大阪大学との連携を強め、専門性の高い医療を提供できる病院にしたいと考えています。

 また、恵生会病院は市立東大阪医療センターと地域連携協定を結び、さまざまな患者さんのニーズに応じた即応性の高い診療活動ができるように努力しています。

 診療体制の充実化の一環として、昨年11月には、糖尿病の患者さんが合併しやすい整形外科疾患の診療体制の強化につながる、整形外科の常勤医を新たに招請しました。植田整形外科部長は肥満を伴う糖尿病患者さんに多い股関節や膝関節の疾患のスペシャリストで、口コミで患者さんがどんどん増えています。

 来年度以降は兵庫医科大学の外科、消化器内科などとの連携もさらに強化していく予定です。

 当院は産婦人科から始まりました。健診部門も有することから、昔から地域に密着した病院としての責務を担っています。これからも、そのスタンスはそのままに、幅広い分野の医療レベルを向上させていきたいですね。

 地域の皆さんに「この病院に行けば何とかしてもらえる」と思っていただけるような病院を目指して、これからも病院全体で取り組んでいきたいと思います。

医療法人 恵生会 恵生会病院
大阪府東大阪市鷹殿町20-29
TEL:072-982-5101(代表)
http://www.keiseikai.or.jp/


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