浜松赤十字病院 鈴鹿 知直 副院長

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医療を支えるチームワーク

【すずか・ともなお】 東京都立豊多摩高校卒業 1981 名古屋市立大学医学部卒業 同脳神経外科 1988 社会保険浜松病院脳神経外科部長2003 同副院長 2008 日本赤十字社浜松赤十字病院脳神経外科部長兼副院長

 開設から間もなく80年を迎える浜松赤十字病院。2007年に現在地に新築、移転し、2013年には災害拠点病院となった。地域での役割などについて鈴鹿知直副院長に話を聞いた。

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―特徴を。

 2007年に、浜松市北部の現在地に移転して10年。浜北区を中心に北は天竜区、東は磐田市からも患者さんが来ます。地域のみなさんもようやく今の場所に当院があることに慣れてきたようです。

 院内は柔らかい色合いで統一し、廊下を広めに しています。病院というと、それだけで構えてしまいますが、ゆったりした造りにすることで雰囲気も和らぎます。

 赤十字病院であり、災害拠点病院でもありま すが、平常時は一般的な急性期病院です。

 昨年9月には地域包括ケア病棟を開設。浜北 医師会と協力しながら、 患者さんが安心して在宅に戻れるシステム作りに、これまで以上に関 わっていこうと、試行錯誤しています。

 当院は、区内の7病院 や医師会、歯科医師会、 域地包括ケアセンター、薬局、訪問看護ステーショ ン、行政、介護支援専門協 議会が参加する「浜北区 多職種連携推進協議会 病院部会」の事務局をし ています。

 これは在宅で過ごす 患者さんが、安心して日 常生活をおくるために 必要な連携です。勉強会 などを通じ、医療のレベ ルを上げ、患者さんに還 元していきたいと考えて います。

―災害拠点病院となりました。

 赤十字病院ですので、被災地に応援救護に行くことは当たり前のことです。逆に自分たちが被災したときに全国から多くの日赤救護班がくるなか、組織的に病院や周辺地域の状況を把握して人的分配などができるであろうかという不安がいつもありました。災害拠点病院になろうと考えた最大の理由は、この点だったと思います。

 東海地震発生が予想がされるなか各地で災害が多発し、実際に災害救護に派遣されると、いかに受ける側の準備が大切かを感じるようになりました。それまでの体制では、対応するのは無理だと考え、拠点病院を目指すことで、病院の知識や体制も上がり、その結果、認定につながったと思います。

 ちょうど、2月末に総合防災訓練をしたばかりでした。南海トラフ地震発生、震度6強で、遠州灘では津波も発生。市内には重症患者2万人という想定でした。

 もちろん、これまでも訓練はしていましたが、拠点病院となり、浜松市職員、医師会、自治会、消防隊などの見学も多数ありました。訓練で一番変わったのは「本部」機能の訓練が加わったことです。

 各現場の情報が、すべて本部に集約されますが、この情報をどう発信し、どこにつなげていくのか。指揮命令系統の確認や、トリアージしたものの患者さんを診られない場合はどうするのかなど、拠点病院になって初めて考えるきっかけになりました。

 訓練は、みんなをばたばたさせることが目的ではないので、不明なことが出たら、途中で動きを止めてチームリビルディングもしました。

 日々の仕事の合間に部門ごとの訓練も進めてきました。しかし、実際に動いてみてわかることも多くあり、やればやるほど足りないものがあると感じました。

―熊本地震の際には鈴鹿副院長も現地に赴かれたとか。

 熊本地震では、17日に車で出発しました。現地で足がなくては活動ができないと考えたからです。人選も、避難所や救護所での対応を想定し、助産師、薬剤師を加えました。

 静岡から熊本まで14時間。交替で運転しながら現地にたどり着き、その後も、疲労を感じる中、互いを気遣いながら活動を行いました。チームワークの重要性を改めて感じました。

 また、赤十字病院の使命は、災害時の救援活動ということはわれわれにとって当たり前。そのことも自覚させてもらう機会でした。

 ただ、われわれは現地に出ていく人だけが活動をしているとは考えていません。現地に出るということは、現場に穴が空いているということ。それを残った職員で支え合っているという意識もしっかり持っています。

 災害は、決して起こってほしくはありませんが、訓練も含めて、職員同士のチームワークはより強まっています。

―ご専門は脳神経外科です。やりがいは。

 当時の脳外科は、手術に顕微鏡が導入されたばかりで、未開の部分も多く、それにひかれました。

 実際には、24時間気が抜けず大変ですが、患者さんが良くなって、笑顔になって送り出せることは何よりうれしいですよ。

 医療は不安定なものですから、リスク管理については特に配慮が必要です。

 信州大学や名古屋大学で脳神経外科の教授を務められた杉田虔一郎先生は、手術や治療は「一部のエキスパートの特技である間はサイエンスじゃない。誰がやっても同じようにできて初めてサイエンスなのだ」とおっしゃっていました。そのためにわれわれは技術を磨き知識を深めるのでしょう。

 あらゆる最悪の想定をして、それを回避するために創造していく。しかもそれを1人だけでなく、チームでやっていく。そこが脳神経外科の魅力でもあります。これは、災害時におけるチームワークにも通じています。

―医師を目指す方に伝えたいことは。

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 当たり前ですが、病気は時間を選ばないということです。

 最近では、不規則ということで、外科系が敬遠されているようですが、病気がいつ起こるかわからないのは、医療をやっていく上での根本です。そこから逃げるようでは、病気そのものと向き合う気持ちがあるのか、と思ってしまいます。

 6年間の間に、知識を詰め込むだけでなく、さまざまな経験を通して心を育ててほしいですね。

日本赤十字社 浜松赤十字病院
静岡県浜松市浜北区小林1088-1
TEL:053-401-1111(代表)
http://www.hamamatsu.jrc.or.jp/


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