宇和島徳洲会病院 池田 佳広 院長

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患者さんと家族に寄り添う医療を提供  地域に密着した病院へ

【いけだ・よしひろ】 1999 札幌医科大学医学部卒業 同附属病院第二内科 2000 旭川日赤病院循環器内科 2001 札幌医科大学附属病院第二内科 2002函館五稜郭病院循環器内科 2003 札幌医科大学附属病院第二内科 帯広協会病院循環器内科 2004 札幌医科大学附属病院第二内科 2005 道央病院 2006 北海道立江差病院循環器内科 2008 新日鐵室蘭病院循環器内科 2011 東大宮総合病院循環器内科 2014 宇和島徳洲会病院院長 取得資格:内科認定医、循環器専門医、h-MBAなど

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―h‐MBA(医療経営学修士)を取得されていますが、病院経営にどう生かされていますか。

◎AKBを徹底

 院長に就任後、職員のみなさんにお願いしたのは「AKB」です。Aは「当たり前のことを」、Kは「きちんと」、Bは「ばかにせずやる」です。

 漫然と日々の医療を提供していると、気付かぬうちに医療の質が落ちてしまうものです。

 院長に就任して、最初に取り組んだことは「自分たちはやっているつもりのことが、客観的にみるとできていない」「当たり前だと思っていることが、実はそうではない」の2点を職員のみなさんに理解してもらうことでした。

 当たり前のことをしっかり、真摯(しんし)にやることで自ずと結果は出てくるものです。良質な医療を提供し続けていけば、患者さんは増えます。患者さんが増えれば経営が上向く。至ってシンプルな原理なのです。

 おかげさまで院長就任後、病院の税引き前利益は年計で2倍以上。当院の月別医業利益率順位は徳洲会グループ71病院の中で常にトップクラスになりました。

◎「稼ぐ」ことと「もうける」ことは違う

 経営における私のモットーは「良質な医療を継続するためには、順調な経営が必須」です。

 人材を獲得するにしても機械や薬剤を購入するにしても、利益を出さなければなりません。

 「稼ぐ」ことと「もうける」ことは意味合いがまったく異なります。「稼ぐ」ことは良い医療を継続するために必須の手段です。

 私たちは良い医療を提供するために「稼ぎ」、利益を出し、その利益を病院のために投資しているのです。

◎業務の効率化

 院長就任当時、看護師の離職率は30%弱でした。仕事がハードで、辞めていく。外からも仕事がきついイメージを持たれ、新しい看護師がなかなか入ってくれないという悪循環に陥っていたのです。

 そこで、その仕事は本当にしなければならないのか、仕事のやり方に問題はないのかを検証しました。

 その結果、残業が減り、離職率も低下。新しい人も入ってくれるという好循環になったのです。

◎赤字改善のために

 一般企業では赤字改善のためにコストカットを徹底しがちです。しかし、病院でそれをやると、うまくいかないケースが多々あります。

 医療従事者にコスト削減を求めすぎるとモチベーションが下がってしまいます。職員のモチベーションが低いと患者さんはそれを敏感に察知するものです。それで患者さんが減ってしまっては本末転倒でしょう。

 かつて経営危機に瀕していた日産で、カルロス・ゴーンが取った手法が医療機関においては必ずしも正しいとは限らないのです。

 私は長期的なスパンに立った目標設定をしました。収益を上げるためには「単価を上げる」「新患を増やす」「在院日数を減らす」「検査・手術を増やす」ことが必要です。

 まずは職員に自分が働いている病院で何の加算を取っているか、それは何%なのかを自覚してもらいました。それから具体的な目標を設定したのです。

 その結果、職員にも経営への意識が根付き、自然にコストが減り、経営が上向いてきたのです。

◎顔の見える連携を構築

 院長就任前、地域連携室の職員は、月に30ほどの施設や診療所しか回れていませんでした。今は職員を増員し、月に約100の施設や診療所を訪問して顔の見える連携の構築に努めています。

 また賀詞交換会、納涼会、勉強会なども定期的に開くようにしています。その結果、紹介患者が右肩上がりに増えましたね。

―院長に求められる資質とは何でしょう。

 院長は一般企業で言うところの社長です。もちろん院長であっても患者さんを診ることは必要です。しかし、経営者としての感覚がなければ病院運営はできません。医師と院長職は、別物、と考える必要があるでしょう。

 今後、病院を取り巻く状況は、一層厳しくなることが予想されます。院長には経営者としての資質がこれまで以上に求められてくるのではないでしょうか。

 私は徳洲会グループ内外の病院で、経営についての講演会もしています。私の持つ知識や経験を少しずつでもいいので広めていきたいですね。

―今後、力を入れていく取り組みは何でしょう。

 今の時代、何らかの分野で地域ナンバー1でなければ、患者さんは集まりません。

 この地域の急性期は市立宇和島病院が担っています。当院が同じ土俵に立っても、太刀打ちできないでしょう。

 私たちはリハビリテーションや在宅医療、認知症治療などに力を入れて「地域密着型病院」としてナンバーワンを目指しています。

 認知症治療は前院長で、現総長の貞島博通先生が力を入れていて、当院の物忘れ外来には、とても多くの患者さんが来てくれています。

―この地域には高齢者が多いのでしょうか。

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 宇和島地区の高齢化率は36%を越えています。日本全国の高齢化率が36% を超えるのは2040年だと言われているので、すでに25年先を行っているわけです。いわば将来の日本の縮図だといえ、当院は総合診療、認知症医療を学ぶには、うってつけの場所だと思います。

 大学病院や都会の病院は専門化が進んでいます。しかし、地方ではそれだけでは通用しません。幅広い領域を診られる医師が必要なのです。

 将来、開業を考えている若手、中堅医師には病院経営についてのアドバイスもできます。地域医療と医療経営が学べるのが、当院の特徴だと言えるでしょう。

 医師の受け入れ体制は整っています。一人でも多くの医師が当院に興味を持ってくれれば、これほどうれしいことはないですね。

 「患者さんと家族に寄り添う医療」の提供が目標です。当院は急性期から在宅までに関われる地域唯一の病院です。「地域密着型病院」として、これからも、地域の医療に貢献していきたいですね。

医療法人沖縄徳洲会 宇和島徳洲会病院
愛媛県宇和島市住吉町2-6-24
TEL:0895-22-2811(代表)
http://www.uwatoku.org/


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