【連載②】求められる"夫婦の学び場" 両親学級で産後の準備

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Logista 株式会社
共同代表 長廣 百合子、長廣 遥

 2012年にNHKの番組で提唱された「産後クライシス」という現象。産後2年以内に夫婦(特に女性側)の愛情が急速に冷え込むというもので、産後の妻のホルモンバランスの乱れや、夫の育児や家事への関わり方に妻が大きな不満を持つことが引き金になると言われています。実際にベネッセ次世代育成研究室が288組の妊娠中のカップルを対象に4年間追跡した「配偶者への愛」に関する調査結果でも、全体の74%の夫婦が、妊娠当初は「本当に愛している」と答えていたにも関わらず、子どもが2歳になる頃には夫が51%、妻が34%という結果に。特に妻の夫に対する愛情は子どもが0歳の時点で30%近く落ち込むなど、産後1年足らずで「愛情が急激に冷めていく」という状況が報告されており、最も互いを信頼し協力し合わねばならない時期に危機を迎える夫婦は少なくないというのが現状です。

 こうした情報を目にする機会が増えていることもあってか、子育て期のご夫婦向けに、夫婦のパートナーシップを強くする「夫婦会議」の手法を体感いただく場として開催している弊社の「両親学級 世帯経営セミナー」にも、妊娠中や子育て中のご夫婦のほかに、妊活中のご夫婦や婚約中のカップルからのお問い合わせが増えています。

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はじめての子どもを出産後の夫婦の愛情の変化(2006年~2009年 縦断調査)
※同じ夫婦の追跡調査

 参加者ご夫婦の感想は「育児に関することだけでなく、家族のあり方について考える機会がつくれた」「このまま夫婦生活を続けていたら、離婚していたかもしれません」などさまざまですが、みなさん口をそろえておっしゃるのが「夫婦で一緒に学び、話し合う機会が持てて良かった」ということ。

 セミナーでは「誰にでも起こりうる産前産後の危機を乗り越えていける夫婦になるためのキッカケ」をつかんでいただくために"産後クライシス"を乗り越えてきた私たち夫婦の経験談を交えつつ、ワークショップやディスカッションを取り入れているのですが、その中で自然と「妊娠から産後にかけての生活を夫婦で一緒に考える時間」がつくれているのが好評なようです。

 実際にワークの中では「つわりの時の食事の準備や水回りの掃除がつらい。主体的に動いてほしい」という声や「早く帰りたいけど、仕事が終わらない。子育てに理解がある職場でもない」など、さまざまな不安や課題が語られますが、こうした「パートナーの本音」を初めて知ったというご夫婦がほとんど。それぞれが仕事や家事・育児に一生懸命取り組む日々の中、対話をする時間をつくれていないのが現状です。

 だからこそ、妊娠出産によって妻の心と体がどのように変化し、どのような不安や葛藤を抱くようになるのか?対する夫はどんなことに悩みがちか?他にも、家事や育児はどう配分するのが良いか、仕事内容や働き方を見直す必要はないか。住まいは今のままで良いか、祖父母との付き合い方や、保育園などの養育環境をどう考えるかなど。挙げればきりがない「現実」に対して、妻だけでなく夫も一緒に向き合う場をつくることが大切です。

 産後うつ、DV、虐待、育児放棄などの「母子の命に関わる危機」や、産後クライシス、セックスレスなど「離婚につながる危機」を未然に防ぐこと、「夫婦のパートナーシップを強くすること」を、親になる夫婦の大切な役目の一つと考え、わが子に幸せな家庭環境を創り出していける夫婦が一組でも増えていくよう、これからも働きかけていきたいと思います。

妊娠期からの夫婦のパートナーシップを応援!
「産後夫婦ナビ」グランドオープン!

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世帯経営ノート

 子どもを授かって幸せいっぱいに見える"普通の家庭"においても、共働きか専業かに関係なく、妊娠期から産後の時期は、家事や育児、働き方のことなど、日常のあらゆる場面で夫婦間の考え方や行動にすれ違いが生じがちです。そこから、産後うつ、DV、虐待、育児放棄などの「母子の命に関わる危機」や、産後クライシス、セックスレスなど「離婚につながる危機」に発展することもあるだけに、危機を未然に防ぐ、あるいは、危機を乗り越えていける夫婦関係を築いていくことが課題となっています。

 こうした中、当社では、世帯経営("わたし"だけでなく"わたしたち"で未来を創っていく)という考え方を子育て期のご夫婦に提案。誰にでも起こりうる産後の危機を乗り越え、わが子に幸せな家庭環境を創り出していける夫婦になるためのキッカケをお届けするための情報サイト「妊娠期からの夫婦のパートナーシップを応援!『産後夫婦ナビ』」を先日3月5日の産後の日にグランドオープンし、同時に、夫婦会議の手引きとしてご使用いただける書き込み式のワークブック「夫婦で産後をデザインする『世帯経営ノート』」をリリースするに至りました。

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「産後夫婦ナビ」
https://www.3522navi.com

 背景にあるのは「家庭という子育て環境」に対する危機感。子育ては母親だけでも父親だけでも夫婦二人だけでも完結せず、親兄弟や職場の仲間、地域の方々など、周囲の支えの上に成り立っていくものですが、その基盤となる環境はなんといっても「家庭」。夫婦が、わが子に幸せな家庭環境をつくり出していくためにも、「夫婦のパートナーシップ」を磨く努力をすることが重要と思い至ったことがキッカケでした。

 なぜなら、家庭(夫婦)が社会の最小単位であり、子どもたちが最初に触れる社会そのものだから。「産後夫婦ナビ」ではこうしたメッセージを「夫婦会議の始め方」というコンテンツや「世帯経営」という思考法の紹介を通して子育て期のご夫婦に広めています。

 それぞれが仕事や家事・育児に一生懸命取り組む日々の中、自分やパートナーがどのような状態を望んでいるのか?何に不安や課題を感じているのか?「夫婦だから言わなくても分かるはず」と過信するでもなく、「元は他人だから言って分かるはずがない」と諦めるでもなく。人生を共に歩むと決めたパートナーと描く理想の未来を、対話を重ね、築いていく。こうした活動の先に「我が子に幸せな家庭環境を創り出していける夫婦」が増えていくことを願っています。

未来を担う子どもたちのために、誰もが子育ての当事者になれる社会づくりに向け、「家庭・職場・地域」の3方向で事業を展開。産前産後の夫婦のパートナーシップ強化を目的とした「両親学級 世帯経営セミナー」の開催や、webサイト「妊娠期からの夫婦のパートナーシップを応援!産後夫婦ナビ」(https://www.3522navi.com)の運営などを行なっている。


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