南九州の医師が、ANK免疫細胞療法の治療経過を学会発表

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 南九州の医師が、体内のNK細胞を体外に採りだして培養し、増強してから体内に戻すANK免疫細胞療法の治療経過を学会に発表されたと聞きました。この治療の普及を目的に創業されたリンパ球バンク株式会社代表藤井真則氏にお話をうかがいました。

―学会発表された、ということですが。

 結構、お問い合わせを頂くのですが、会社として学会発表したのではありません。ANK療法を実施する医療機関と、細胞培養を受託している医療機関の医師の方々が、第18回国際ヒトレトロウイルスHTLV会議(2017年3月7日〜10日、東京)で発表されたものです。

―詳しくお話いただけないでしょうか。

 まず、対象疾患の基本的なことを整理させてください。

 ANK療法は、がんであれば、特に部位を問いませんが、標準治療が特に苦手とするがん種ほど、多くの患者さんが集まる傾向があります。

 中でも、ATL成人T細胞白血病の場合、標準治療が確立しているとは言えません。抗がん剤投与開始後の平均余命13カ月という、非常に厳しい数字が物語っているように、抗がん剤が奏効しないか、しても直ちに再燃すると言われています。

 今回、学会発表された医師が治療されたATL患者さんのお一人が、急性転化する兆しが表れた時点で、直ちにANK療法を実施する医療機関を受診され、お元気になられ、他の疾病で他界されるまで、6年間、再発もなく過ごされました。

 そこで、これまでの臨床例をまとめてほしいという要望が、患者さんからも根強くあると聞いております。こうした声を受け、医師が、ご自身で経験された9症例について、先ほどの著効の方も含め、経過を発表されたものです。

 私も、その学会に参加し、発表された資料を拝見しましたが、治療途上で、急性化したり、他の原因で亡くなられた方が4人、他の4人はご存命で、治療後3〜7年経過していました。より詳細なことは、今後、先生方が、アカデミアを通じて、発表されていかれるようです。

―手応えについてはどう感じていらっしゃいますか。

 印象としては、手応えがありますが、医療の世界では、さまざまなデータのフォーマリティーを整える文化がありますよね。その点、ATLといっても、タイプや進行期が異なり、治療回数や頻度も異なり、と、統計処理には向かないものになっています。

 今後は、患者さんのクライテリアを絞り、治療プロトコールもある程度、標準化して、治験なり、治験をイメージした臨床試験なりを組織していくと、承認申請への道も見えてくると考えております。そうなれば、健康保険で治療を受けられるので、少しでも早くそうしたいところです。

―一番のネックは何でしょうか。

 それは一にも二にも、資金調達です。治験に必要な費用は、一般の方が想像されるものより遥かに莫大(ばくだい)なものとなります。日本のベンチャー企業では、大きな資金を投入できないので、工夫が必要、ということです。

 希少疾患における治験の場合、如何(いか)に患者さんをリクルートするかということが大きなネックになりがちですが、これまでの治療人数は他の医療機関さんも含めると、すでに承認申請レベル相当に達しています。

 これは、元気になられた患者さんたちの口コミなどで、患者さんが集まってこられるからで、それだけ、ご期待に応えなければいけない責務もあるということですね。

―ところで、免疫細胞療法というのは、一般に白血病は治療できないと聞いていたのですが。

 白血病の場合、培養に用いる細胞を血液から採取した時点で、がん細胞が混入します。培養中に増殖した混入がん細胞を患者さんに戻すのは問題ですので、一般に、免疫細胞療法は、白血病の治療には用いられません。

 ANK療法の場合も、混入がん細胞があまり多いと、培養は無理です。あくまである戦力比以下なら、ということですが、培養中に、ATL細胞などを全滅させることも可能です。こういうことができるのは、活性の高いNK細胞を増強できているからです。


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