岐阜県医師会 会長 小林 博

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いよいよ、岐阜山岳JMAT活動開始

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 新年あけましておめでとうございます。

 もう早2年半前になるが、2014年9月27日(土)11時52分、岐阜県と長野県の県境にある御嶽山が噴火した。被災・犠牲になられた方の御冥福をお祈り申し上げます。

 もともと「信仰の山」であったのが、いつの間にか標高2700m前後まで自動車道路が整備された「火山観光の山」に変貌した。「その御嶽山が噴火、大規模災害発生」の報を受けたとき、岐阜県からもDMATが2班を編成、出動要請に備えていた。そのとき、マスコミ報道などに「心肺停止」というワードが頻回に使われたが、厳しい状況であった噴火現場では検視・検案・死亡確認は到底無理であり、「黒のトリアージタッグ」を発行するのが精一杯であったという。

 こうした極限に近いご家族・遺族の方の心情を思うと、「出来うる限り早期に現場で検視・検案が行われる体制を整えるべきではないか」との意見を持っていた。そして、「山の国・岐阜県の使命でもある」との認識で、岐阜県医師会として山岳でのJMAT活動の組織化を目指した。 まず、「山岳でのJMAT活動隊員」を募集したところ、県医会員から登山経験のある医師約70人が集まった。そして、日本医師会へ「山岳JMAT」の名称の使用許可を申請、昨年2月27日に発足式を開催し、活動を正式に開始した。

 その一環として、昨年9月17日(土)・18日(日)に「御岳山での救急医療基礎訓練」を実施した。御岳山麓岐阜県側の濁河温泉宿舎に集合(標高約2000m)し、「山岳JMATの発足意義・活動趣旨・隊員構成・今後の計画」などに関しての約2時間の研修を行い、早朝5時起床で5時30分に宿舎を出発した。

 接近する台風による強風と横殴りの豪雨のなか、予定どおりの救助訓練を研修しながら2300m付近まで登山し、訓練を完了した。極めて厳しい気象条件であったが、「標高2000mでの暴風雨による急速な体力減退」、「風雨による登山道の劣化・軟弱化」、「悪条件の中での登山歩行スピードの考慮」「急傾斜における医療救助術とその器具の検討」などいくつかの貴重な経験を得ることができた。

 いずれにしても、3000m級の高山と5つの火山を抱える山国の我々岐阜県医師会としては、噴煙・噴石、火砕流、溶岩流、有毒ガス、大規模雪崩など、それぞれの高山・火山・火口・雪山の特性を配慮した総合的な防災・救急救命対策を検討するなかで、医師会として「心肺停止」に関しても、検視・検案の体制など、何が必要なのかを災害医療・救急救命の原点に戻って考えていきたい。


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