愛知医科大学病院 病院長 羽生田 正行

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インフラ整備

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 この稿を書いている2016年12月に、当院の所在地である長久手市で大型ショッピングモールが開業しました。このため県道6号線(猿投グリーンロード)を中心に大変な渋滞が発生し、当院へのバスもかなり影響を受けました。さらに今年の10月にはショッピングモールの近くに人気北欧家具店の開業が予定されています。ご存じの方も多いと思いますが、長久手市は日本の「住みやすい街ランキング」では上位の常連です。しかし現在でも休日となれば市内各所で渋滞が発生しています。

 ショッピングモール、人気北欧家具店の大型店が出店し、長久手市民がさらに便利でよい生活ができるようになることは歓迎ですが、道路などのインフラ整備が十分に追い付いているとは言い難い状況です。こんな状況では今年の「住みやすい街ランキング」では順位を下げるのではないかと心配しています。

 実は長久手市の道路だけでなく、医療においても最近気になるインフラ整備の遅れがあります。専門医機構の進める専門医制度(専攻医)の整備です。もちろん医師の基本的な能力を、学会任せでなく第三者機関が担保するために必要な制度であることは理解できます。その後のサブスペシャリティ部門(実際はこちらが専門医だと思いますが)に進むにあたって、基礎的な能力を確実に習得できるように、また習得できたことを公的に確認することは医療のインフラ整備とも言えなくないものだと思います。

 しかし問題なのはこの制度に、いつの間にか地域における医師偏在の解消も、組み込まれてしまっていることです。昔(今も?)は政治家が自分の選挙地盤に高速道路を造る、種々の箱モノなどを造ったものの、結局は大赤字だけが残ったということがたくさんありました。

 専門医制度は医療のインフラ整備ではありますが、地域に必要な医師の配置まで絡めると、せっかくの制度の良い点が別の方向に向いてしまうのではないかと懸念しています。また将来医師としての資格や業務に制限や区分が出てくる可能性も残されています。

 来年度開始が決まった新専門医制度が、多方面に八方美人的に配慮するばかりに赤字高速道路や利用されない施設のようになってしまわないことを祈っています。


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