兵庫県立淡路医療センター 小山 隆司 院長

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医療の「島内完結」が使命

【こやま・たかし】 1981 関西医科大学卒業 神戸大学第二外科入局 1982 高砂市民病院勤務 須磨赤十字病院勤務 1983 三木市民病院勤務 1984 神戸大学病理学大学院入学 1987 公立宍粟郡民病院勤務 1988 神戸大学大学院卒業 1990 近藤病院勤務 1993 兵庫県立淡路病院(現兵庫県立淡路医療センター)勤務 2015 兵庫県立淡路医療センター院長

 兵庫県立淡路医療センターの前身である兵庫県立淡路病院は1956(昭和31)年に開院。以来、60年以上にわたり淡路島の医療を支えている。

 小山隆司院長にセンターが地域で果たしている役割などについて聞いた。

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◎淡路島の基幹病院として

 当院は四方を海で囲まれた、いわば「半閉鎖地域」とも言える場所にあります。その淡路島で総合機能を有した唯一の公立病院が当院なのです。

 都会では、同様の機能を持つ病院が数多く存在し、互いに競争するといった構図もあるでしょう。しかし、ここ淡路島では病院それぞれの役割が決まっていて、当センターは急性期病院として淡路島の救急の最後の砦(とりで)の役割を担っています。

 私たちは医療の「島内完結」を目指しています。実際に救急車が島の外に出ることは、ほとんどありません。この地で救急医療を完結させることが私たちの使命なのです。

◎兵庫県で初めて地域医療支援病院に認定

 昭和60年代まで島内のベッド数は極端に少なかったため、当院は旧淡路病院の時代から在院日数が非常に短く、地域連携が必須でした。それは市中病院との連携に限らず、地域の開業医の先生たちとも同様です。

 長く入院できないので、転院してもらう。在宅に戻り、かかりつけ医に診てもらうということを昔からやっていました。その取り組みが評価されたのでしょう。2001(平成13)年に兵庫県で初めて地域医療支援病院に認定されました。

◎急性期医療のさらなる充実へ

 私が院長になったのは2015年の4月のことです。院長就任直後に将来計画委員会を設置しました。そこでは今後の淡路医療圏の医療需要を考慮して地域包括ケア病棟への移行を模索する意見もでました。

 しかし、2016年4月にDPC医療機関群Ⅲ群からⅡ群へと格上げされたことや、今後、総合入院体制加算1の取得を想定した場合(現在は2)、少なくとも、この先5年間は、これまで通り高度急性期、急性期医療を充実させることが賢明だという結論に達したのです。

◎分娩施設不足

 淡路医療圏の課題として挙げられているのが、分娩施設の不足です。2015年12月、2016年3月と立て続けに二つの分娩施設がなくなりました。この2施設で扱っていた年間300例のお産の大部分を、島内唯一の周産期センターを有する当院が担うことになったのです。

 一昨年までの分娩数が月間平均56例。それが昨年は、平均70例を超えました。産婦人科医を増員したいのは、やまやまですが、全国的に産婦人科医が不足していて、大学もすぐに医師を派遣できる状況ではありません

◎充実した研修プログラム

 当院の初期研修は医師としての実力と自信がつけられるプログラムになっています。初期研修1年目にひと通りの症例、手技に精通してもらい、2年目の救急では初期診断、初期治療を上級医の指導のもと、実際にやってもらいます。

 現在、12人の初期研修医が当院で働いていますが、みなさん口をそろえて「豊富な経験が積める」「ここにきて良かった」と言ってくれます。うれしい限りですね。

◎研究マインドを忘れずに

 医療機器の進化によって、正確な診断が可能になりました。しかし、最終的には自分の目で患者さんを見て身体所見から診断を下すことが重要だと思います。

 診断が間違っていては、いくら良い手術をしても意味がありません。内科医も外科医も、高い診断能力が身に着くように日々、トレーニングをすることが大事なのです。

 また臨床医であっても研究マインドを常に持っていてほしいと思います。たとえば100例の手術をしたとします。そのすべてのデータを取り、治療成績を出し、検討することにより、自分のしている医療が本当に正しいのかどうかが分かります。

 医療の世界は日進月歩です。日常の診療が忙しく、研究を怠る人もいますが、それではいけません。自身を向上させていくためには、自分がやってきたことを振り返る必要があるのです。

 私は神戸大学第二外科に入局後、病理の大学院に行きました。そこで研究をした経験は大きかったですね。病理では顕微鏡でがんの診断をしました。その時にがんに深く携われたことはその後の医師人生に大きなプラスになったと思っています。

 外科医の中には研究をしている期間、手技が向上しないと心配する人がいます。しかし、それはあまり関係ないでしょう。しっかりとした臨床をするには、なによりも研究が重要だと思うのです。

◎患者を集めるために

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 当院の「足のきず総合治療センター」では動脈硬化による足の潰瘍・壊死、糖尿病性足潰瘍などに対し、慢性創傷に精通した医師、看護師、義肢装具士が集まり、科や分野を越えた集学的治療を提供しています。

 循環器内科では、大動脈弁狭窄(きょうさく)症の患者さんに対してバルーン大動脈弁形成術「BAV」治療に力を入れています。

 この治療法は狭くなった大動脈弁をバルーンで拡張するもので、低侵襲です。治療費も経カテーテル大動脈弁治療(TAVI)より安く抑えられます。

 淡路島は高齢者が多いので、転倒による大腿骨近位部骨折の手術を2014年度には238件実施し、この件数は近畿地方で最多です。

 淡路島は人口が減りつづけています。そのような状況下、病院の特色や強みを打ち出して、島外からも患者さんを集めてくる工夫をしないと、生き残れない時代になりつつあります。院内には新しいことに取り組もうとの機運が高まっているので、今後も最大限のサポートをするつもりです。

兵庫県立淡路医療センター
兵庫県洲本市塩屋1-1-137
TEL:0799-22-1200(代表)
http://www.awajimc.jp

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