病気の早期発見、治療で地域医療に貢献する 胃・大腸内視鏡検査の可能性
◎早期発見で治療につなげる
当クリニックは昨年4月21日に開院しました。インターネット上の地図などで見ると、まだ畑が広がっているように見える場所ですが、新しく道路も整備されつつあり、これから人口が増えてくる地域だと思います。
クリニックがある場所は「医療系モール」のような位置づけで、当クリニックのほかに皮膚科医院と小児科医院が入り、ほかには薬局なども営業しています。ちょうど開業を考えていた時期に良い出会いがあって、この場所で開業することになりました。
当クリニックは、私が消化器内視鏡を含めた消化器領域を専門にしていることもあって、「病気を早期発見して患者さんの治療に結びつける」というコンセプトをクリニックの目指すべき姿として掲げています。
◎大腸内視鏡検査を普及する
胃と腸の疾患など、消化管領域の病気を早期発見するためには、内視鏡検査が最適です。
しかし、内視鏡検査は一般化しつつあるものの、大腸内視鏡検査についてはまだまだ抵抗感がある方が多いようです。
大腸内視鏡検査では肛門からファイバーを挿入するため、ほとんどの方は「怖い」「恥ずかしい」と思われるようです。これは検査の性格上しかたのないことですので、当クリニックでは検査を受ける際にできるだけリラックスしてもらうことに気を配っています。
クリニックの設計においてもそういった配慮を取り入れており、可能な限りスムーズな検査、不安を感じないような検査を目指しています。
◎高齢化する地域に対応
1994年に大分医科大学(現・大分大学医学部)を卒業して同大学の内科医局に入局しました。以来、約20年にわたって内科、特に消化器を専門にさまざまな病院で診療を続けてきました。
当クリニックのある地域は大分市内の中心部でもあります。ちょうど都市計画に沿った新しい道路や橋が造られているところですので、今後は少し遠い地域からも患者さんに来ていただけるのではないかと思います。
高齢社会という時代の要請からいえば、整形外科などの需要が増すといわれています。当クリニックは内科一般の診療を提供しますので、高齢化に伴って増えると予想されている高血圧や糖尿病、生活習慣病などの診療も担当したいと考えています。
◎生活習慣病や在宅医療への展望
私は開業医の子弟ではなく、医師になったのも家族で私だけです。高校時代にテレビや本などで医療に関する情報を得るなかで、自分の持っている知識や技術をフル活用させて患者さんを救う医師という仕事に憧れるようになりました。今後はさらに高齢化が進むと予測されていますので、社会から必要とされるという意味でも職業としての将来性を感じました。
高齢化率が人口比で約30%に達すると予測されている「2025年問題」に備えて、現在はこれまでの医療の在り方を検証する時期に来ているといっていいでしょう。
そんな時代においても、私自身は内科医としてやるべきことを誠実に続けていくことで乗り切っていくことができると考えています。とくに生活習慣病が増えることは間違いありません。高齢の患者さんが増えることで在宅医療を求める声も多くなりますので、今後はそういった分野にも手を広げる可能性もあると思います。
◎地域から頼られるクリニックへ
日本では、ヘリコバクター・ピロリ除菌法の確立などにより胃がんが減少しつつあるものの、大腸がんは増加傾向にあり、女性のがんの死因としては最も多くなっています。
早期に発見することで早期の治療が可能になり、結果として患者さんのその後の人生がまったく違ったものになります。早期発見するために「内視鏡検査はこわくない」ということを広くアピールし、内視鏡検査をもっと普及させて、胃がん、大腸がんを根絶するための一助になりたいと思います。
他医療機関との地域連携については、私の出身である大分大学医学部附属病院のほか、アルメイダ病院や大分県立病院、大分赤十字病院、大分中村病院などの近隣の病院とスムーズな連携体制を構築しています。患者さんによりよい医療を提供するために今後も緊密な連携を進めていきたいと思います。
まずは地元のかかりつけ医として地域住民から信頼されることを目標に置き、さらに専門領域である消化器の相談にも対応できる、早期検査・早期発見を特長としたクリニックでありたいと思います。