明けましておめでとうございます。皆さまにおかれましては、今年は健やかで実り多い年でありますよう祈念します。
沖縄県の保健・医療分野において誇れるものを3点あげますと、1点目は長寿県(世界長寿地域宣言・1995年8月)であろう。2点目は救急医療の充実で、年間の救急搬送件数58,183件の内、2番目の病院に搬送されるのは27件(0.05%)で、2番目の病院にてすべてが完結しています。3点目は卒後臨床研修医のマッチング率で、いつも全国5位以内です。医師数は、1950年64人、1975年415人、2012年3,397人と年々増加し、10万人当たり241.1人で全国平均(237.8)を上回っています。
ところが、沖縄県が世界長寿の島であった時期は、1975年から1995年頃までで、2000年の平均寿命は男性26位となり、2010年の平均寿命は女性1位から3位へ、男性は30位へ転落し"330ショック"と表現されています。救急医療の充実、卒後臨床研修の魅力、そして医師数の増加は必ずしも、平均寿命に直接的に反映されていないようです。ところが、更に大きな問題は2010年65歳未満の死亡率は男性、女性共に全国1位で、いわゆる、65歳未満の健康状態は全国最下位です。
その原因は急性心筋梗塞、脳血管疾患(脳内出血)、糖尿病、肝疾患と自殺が多くを占めており、糖尿病腎症に起因する人工透析導入も全国5位と驚くほど高い頻度を示しています。
今、沖縄県医師会は「65歳未満健康状態全国最下位」脱出の諸計画をたて5年後の最下位返上を目指し、今年からプロジェクトチームを結成し、沖縄県医療保健連合(医療団体17団体)や県・市町村行政、県民そして企業・マスメディア等の協力を得ながら推進して行きたいと思います。
また、生活習慣病における健康教育・一次予防、初期治療(食事・運動・アルコール・喫煙の対策等)、急性期・回復期・維持期までの治療(脳卒中・糖尿病・急性心筋梗塞)、そしてIT地域医療連携に加え、特定健診受診者18万人と糖尿病患者数万人のデータのリアルタイムな共有化を進め、診療や保健指導の際に活用している「おきなわ津梁ネットワーク」を進化させたいと思います。