一般財団法人 河田病院 河田 敏明 院長

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地域の精神医療に熱意と誠意で挑む

【かわだ・としあき】 2008 川崎医科大学卒業 同附属病院研修医 2010.4 同心療科入局2010.10 一般財団法人河田病院 2011 岡山大学病院精神神経科入局 2012 医療法人恵風会高岡病院 2014 一般財団法人河田病院院長補佐 2016 同院長

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◎90年の歴史がある精神医療専門病院

 1927(昭和2)年、全国的にも精神科の専門病院が少なかった時代に、曾祖父の河田大作が河田脳病院(50床)を開設しました。それ以来、当院は岡山県で最も歴史のある精神科専門病院として診療を続けてきました。来年で創設90周年を迎えます。

 1950年(同25)年、財団法人河田脳病院(204床)を設立。1954(同29)年、財団法人河田病院に名称変更した際、524床の病院にしました。現在は、688床。精神科領域の総合病院として、「こころ健やかに、いのち輝いて、てのひらのぬくもり、こころのふれあい」の理念のもと、地域に求められる医療を提供しています。

 私が4代目の院長に就任したのは今年4月。まだ33歳と、院長としては未熟かもしれませんが、三つのスローガン「質の高い医療の提供」「地域に根付い た医療」「働きやすい職場づくり」を掲げ、熱意と誠意を持って日々奮闘しているところです。

 「院長」という役職名がついてから、職員たちはフランクに病院に対する不満や提案を言いづらくなったようです。そうなると、現在、病院が抱えている改善点を見つけることが難しくなってしまう。どんな意見にも一度は耳を傾け、改善できるところは一生懸命改善する。職員たちと率直な意見交換ができるような、風通しの良い職場づくりを心掛けています。

◎質の高い医療の提供をめざして

 当院の主な診療科目は、精神科、心療内科、リハビリテーション科(認知症、高齢者)です。慢性期精神科病棟、精神科急性期病棟、精神内科病棟、認知症治療病棟、高齢者内科病棟を備え、地域の方々のニーズにあった医療を提供できるよう努めています。

 特に、高齢者内科病棟では、、肺炎、糖尿病、高血圧などの疾患がある認知症患者さんを内科的にも治療。吸引やTPN(完全非経口的栄養法)など、医療依存度が高い高齢の患者さんも積極的に受け入れ、長期的な入院治療に取り組んでいます。

 外来部門には、精神科、心療内科、もの忘れ外来、認知症専用外来、精神科デイケア、外来OT(作業療法)、リワークセンターがあります。

 「りわーくセンターかわだ」では、うつ病やストレス関連疾患で休職されて方の復職を支援する「リワークプログラム」を実施しています。医師、看護師、作業療法士、臨床心理士、精神保健福祉士がチームをつくって取り組んでいます。

 2015年12月に施行された「ストレスチェック制度」を受け、当院では、高ストレスであると診断された方を対象とした面談も多くの企業から請け負うようになりました。そのため病気の治療だけでなく、未然に防ぐ予防医療の面にも力を入れていき、地域だけではなく、企業などの社会にも貢献していきたいと考えています。

◎地域に根付く医療・介護

 当院の特徴は、関連施設が近隣に多数あることです。ユニット型地域密着型特別養護老人ホーム、「長春苑」、グループホーム「一二三寮」「ぽかぽか寮」、小規模多機能型居宅介護事業所「アサガオ」、訪問看護ステーション「とみまち」、居宅介護支援事業所「ねこの手」、幼保連携型認定こども園「若草幼児舎」などを運営しています。

 2015年には、サービス付き高齢者向け住宅「こもれびの里」を新設したほか、2017年4月には、地域型小規模保育園「星の子保育園」を開園予定です。

 また、精神科医療とはどういうものかを知っていただくため、2006年から地域の医師を対象とした医療講座を開いてきました。

 うつ病、統合失調症、認知症、がん患者の心のケアなど、さまざまなテーマで、県内外の医学部教授や病院の理事長、院長などを招いてお話しいただきました。先月でいったん中断しましたが、今後は、医師だけでなく、他職種の医療スタッフや一般の方にも来ていただけるスタイルに変えて、年1、2回程度開催したいと考えています。

◎慢性期医療の魅力

 研修医のころは、外科的手術で患者さんの病気を治すことに興味がありました。本当は産婦人科医、救急救命医、脳外科医のいずれかになりたかったのです。短期間で結果がわかるということに医師としての魅力を感じていたのかもしれませんね。

 そんな私が、最近になって思うことは、「精神科医になってよかった」ということです。精神科医の仕事は、外科医のように短期間で結果が出るものではありません。はっきりとした結果が出るまでには長い年月を要します。しかし、だからこそ時間をかけて患者さんの人生に寄り添い、共に考えることができる。急性期医療のような華やかさはないかもしれないけれど、一つひとつ、地道に積み重ねていく慢性期医療にも、大きな魅力があるのだと実感しています。

 私のような若い院長が新しいことをやろうとすると、時に反対意見にぶつかることもあるかもしれません。それでも、何とか周りを説得して少しずつでも前に進んでいくことが、自分の成長にもつながると、できるだけプラスの方向に考えるようにしています。

 病院にいくら歴史があっても、過去にしばられ、停滞して"カビ"が生えてしまっては何の意味もありません。新しいことにもチャレンジしながら、時代に合った医療を展開していきたいと考えています。

一般財団法人 河田病院
岡山市北区富町2-15-21
TEL:086-252-1231
http://kawada.or.jp/index-0.html


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