広島中央保健生活協同組合福島生協病院 田代 忠晴 病院長

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地域のヘルスプロモーションホスピタルを目指して

【たしろ・ただはる】 埼玉県立松山高校卒業 1981 広島大学医学部卒業 中通総合病院研修医 1985 広島中央保健生活協同組合福島生協病院 1996広島中央保健生活協同組合理事 2008 同病院病院長 2013 一般社団法人広島市西区医師会副会長 2014 広島中央保健生活協同組合副理事長

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 創立から60余年となる福島生協病院。昨年9月、隣接地に移転、新病院となった。広島市西部の地域医療において、どのような役割を果たすべきなのか。その存在意義を模索しながら、新たな取り組みに注力してきた田代忠晴病院長に思いを聞いた。

◎回復期リハ、地域包括ケアをスタート

 広島市内には広島市民病院(中区)、県立広島病院(南区)、広島大学病院(南区)など、大規模病院がひしめきあっており、中には、当院から車で5分程度の近さという病院もあります。

 そのようななか、市の西部にあって165床の当院が、地域でどのような役割を果たしていくのかは、大きな課題でした。

 大病院のような、超急性期ではない急性期を受け持ち、かつ、開業医の先生方を支える役割も持つ。それぞれの橋渡しの役割を担うようなイメージが新病院の方針としてありました。

 このため、新病院では、一般病棟(内科、外科、整形外科、眼科、耳鼻科など)77床のほか、回復期リハビリテーション病棟42床と地域包括ケア病棟46床を新たに設けています。

 在宅復帰支援を主なテーマとする地域包括ケア病棟は、この一年その役割を地域で果たすように力を入れてきました。おかげで市民病院などからの紹介患者さんが旧病院と比較すると増加しています。

 回復期リハ病棟は、内科の医師である大津直也副院長を中心に、総合的な全身管理を安全に進める体制も整いました。病棟開設以来、満床の状態が続いています。

 10月からは、365日リハビリテーションを実現することもできました。今年4月にセラピストを大量採用し、現在、全体で36人(理学療法士24人、作業療法士8人、言語聴覚士4人)です。

 リハビリを行う患者さんからは、早く良くなって社会復帰をしたいという熱意を強く感じます。若いセラピストが情熱を持って、きちんとその期待に応えているようです。

 一方、急性期医療も当院の重要な役割です。もちろん、高度な医療は、大学病院など大病院と連携しますが、広島市内で市民に最善の医療を提供するための入口として、これからも急性期を担っていきます。

◎在宅医療、健診を支えて

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生協けんこうプラザ

 在宅診療については、在宅診療部という組織を新設するなど特に力を入れています。現在、自宅などで暮らす100人の方を対象に5人の医師が訪問しています。

 在宅支援病院として、広島市西区医師会の開業医の先生方には、当院の地域包括ケア病棟などの取り組みも認知され、新病院になって、紹介患者さんの数が1・5倍に増加しています。

 西区の医師会は、2014年7月から、在宅を支援するネットワークとして、「西区在宅あんしんシステム」事業を進めています。当院も含め、西区の12の中小病院を中心に、ICT(情報通信技術)を活用して、患者さんの情報を共有する試みなどもスタート。医療と介護の連携を進めており、当院も協力を続けていきます。

 また、新病院になった直後から、健診部門の需要も増加しました。ちょうどタレントの北斗晶さんが乳がんであることを明らかにしたころで、市民のみなさんも乳がん検診に大変興味を持ち始めた時期でした。広島大学から医師の派遣をいただいたこともあって、婦人科検診もかなり増えました。検診全体で見ると旧病院と比較すると、1.2倍近く増加しています。

 生協病院の良さとして検診だけに終わらず、その後、組合員さん主催の班会に職員が出向き、病気の予防の啓発活動なども進めています。

 新病院では、保健・予防、診断、治療、手術、在宅復帰、リハビリテーションまで、切れ目のない医療を提供しながら、生協病院ならではの役割を果たしたいですね。

 地域全体を健康にするHPH(Health PromotingHospitals and HealthServices)という考え方があるのですが、当院の役割はまさにHPHです。地域全体を健康にする活動を、より深めたいですね。

◎医師の教育と確保

 現在、医療は、より専門分化される傾向にあります。このため、ある一つの技術には長けてはいるのですが、医者のライフサイクルという長期の視点から見ると、いつまでそれだけをやっていくのだろうという疑問がわいてきます。

 若い時には、より専門性を極める時期があってもいいのですが、次のステップを考えた時に、どう転身するのかが難しい。

 当院の場合、医師の希望や状況を踏まえて院内の医師の業務内容や異動も柔軟に行っているため、別の分野へ変わり、医師の幅を広げる事も可能な体制があります。つまり、医師が多様な働き方を選べることにつながると思っています。結果的に、その後、開業したケースも多くあり、総合診療医の教育の場にもなっていると思います。

 旧病院の院内保育では、0歳児の保育しか行っていなかったのですが、現在は、就学前まで枠を拡げたほか、病児保育をスタートし、院内保育園を強化しました。このため、女性医師が働きやすい職場という外部からの評価もいただくことができました。

◎組合員のニーズに応えて

 組合員のニーズもあり、新病院立ち上げと同時に、元々院内にあった小児科を隣接地のビル「生協けんこうプラザ」でクリニックとして新たに開設しています。新設のビルという効果もあったのか、患者さんは2倍以上に増えました。医師は2人体制で、いずれも女性ですのでこの点もよかったのかもしれません。

 組合員の病院ですから、ニーズがダイレクトに伝わるのが強みです。その情報を生かして、要望に応えていきたいですね。

 現在、医療情勢は厳しさを増して、医療費抑制、病床削減は待ったなしです。しかし、人々の幸せのベクトルとは違う方向の力が働くことに関しては、病院としてきちんと発言していきます。命を守り、地域医療に貢献できるような体制は維持します。

 旧病院の跡地利用は課題の一つ。総合的な高齢者施設など構想はありますが未定です。組合員や地域の意見を伺いながら、ぜひ良いものを造りたいと考えています。

広島中央保健生活協同組合 福島生協病院
広島市西区福島町1-24-7
TEL:082-292-3171(代表)
http://www.hch.coop/fukushima


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